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薬屋のひとりごと OP映像に見る毒花

今更ながら薬屋のひとりごとを見ました。
とても面白いですね。かなり評価も高いようで。
サンデー版の方の漫画を連載初期に少し読んでいたのですが、1日1話読める待てば無料形式は継続能力に乏しいズボラな人間には向いてないんですよ・・・。

それはともかく薬屋のひとりごと。主人公の猫猫が可愛い。つり目ソバカス貧乳って可愛いの権化か?可愛いの要素が全部詰まってる。本当に可愛い。なので園遊会の時の真実に少し泣いた。
化粧ってなんだよ・・・。ソバカスの化粧を落としたら美少女って眼鏡を外したら実は美少女と同じレベルの罪だと思いませんかあなた。

いや、そんな話をするために記事を書いてるわけじゃない。

本題に戻ります。
薬屋のひとりごとのオープニング。映像も綺麗で曲もいいし、華やかでAmazonプライムビデオで葬送のフリーレンと一位を争うのも納得のオープニングアニメーションです。


・・・それはともかく、ご覧いただければわかるようにアニメ薬屋のひとりごとの一期オープニングには沢山の花が出てきます。後宮で咲き乱れる花のイメージなんでしょうか。
アニメのオープニングは飛ばさない派の私は何度か見ていてふと気がついたわけです。
これ、全部毒のある花なんじゃない?と。
スズランやヒガンバナがあるのでもしかして、と思った方は多いと思います。

と、いうわけで。オープニングに登場する花を全て解説していきましょう!花が出てくるのは15秒あたりから。面白味が薄いくせに字数だけは9000字オーバーのクソ記事なので流し読みを強くお勧めします。

最初の花はシャクナゲ(石楠花)
画像左のピンク色の花です。
これはわかりやすいですね。アニメ1話、2話にも登場します。猫猫が文を付けたり食べたりしてた花です。
派手で大きな白や赤の花が特徴で、おもに低木だがまれに高木になるものもあります。
説明は全部Wikipediaから。

アニメでも言っていた通り石楠花は葉に毒があります。
葉の毒はロードトキシンことグラヤノトキシンなどの痙攣毒で、摂取すると吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こすことがあります。

葉に利尿・強壮の効果があるとして茶の代わりに飲む習慣を持つ人が多く存在するが、漢方薬の「石南(オオカナメモチ)」と勘違いしたためであり、シャクナゲにこのような薬効は存在しない。だそうなので摂取したりしないように。庭に生えてる草木を訥々に食べたりお茶にしたりして利用したくなるのは全人類共通の思いですがこの花は避けてください。

ちなみにサンデー版コミックでは猫猫が石楠花の説明をする際に当たり前みたいに葉を食べてますが、アニメ版では花を食べてます。流石に毒だと言いながら葉をむしゃむしゃ食べるのは不味かったか・・・

2つ目の花は蕾のついた白い花
これは・・・ボタン(牡丹)・・・かな?
マズいぞ・・・2つ目でもうあやふやな感じに。
素人が花の同定など無理があったか・・・。

一つ目のシャクナゲに似た花ですが、蕾の形が明らかに違います。シャクナゲに似た花にシャクヤクがありますが、シャクヤクの葉は切れ込みがなく丸い形をしています。ではボタンなのか。ボタンの蕾は尖っていてシャクヤクの蕾は丸い形をしています。これは・・・丸い?ではシャクヤクなのか。画像をよく見ていただくと枝分かれしているのがわかります。シャクヤクは草なのでまっすぐに伸びた枝の先に花を咲かせるのに対し、ボタンは木なので幹があり枝分かれして花を咲かせます。
なのでこれはボタン・・・。多分。
葉の形があまりボタンっぽくないんですけど・・・。

おそらくボタン・・・です。
ボタンということにして話を進めます。
それは違うよ!と思ったら植物の知識のある有識者の方がいましたらご連絡ください。訂正して謝罪いたします。

ボタンは根の樹皮部分に薬効があり、牡丹皮(ぼたんぴ)と呼ばれる漢方にもなるそうです。日本薬局方にも収録されている。薬効成分はペオノールで、消炎、解熱、止血・鎮痛、浄血、月経痛、子宮内膜炎などに効用があると言われている。漢方ではおもに婦人病薬に使われているとか。漢方として使えるようになるまで育つのにざっと5年ほどかかるとか。

・・・薬?毒ではなく・・・?
いや、まあ毒も薬も紙一重ですし、実際牡丹の根の樹皮も漢方に使われるのは乾燥させたものであり、生のものを沢山食べれば嘔吐、下痢、胃腸障害を起こすようなので毒でも間違いでは・・・。

2つ目にしてもう私の仮説は外れたようなもんですが、せっかくなので花の特定は続けていきましょう。

次はこちらの星形の青い花。
その後ろの垂れている花は別の花です。
これはわかりやすいですね!
5裂の花冠、中央の5つの白いめしべ!
これはキキョウですね!
もし間違ってたら木の下に埋めてもらっても構わないよ!

桔梗の根にはサポニンが多く含まれており生薬として利用されています・・・また生薬・・・
桔梗の根はサポニンの界面活性作用を利用して、鎮咳・去痰や排膿作用があるようです。

サポニンにも一応毒性があり、界面活性作用がある為、細胞膜を破壊する性質があり、血中に入った場合には赤血球を破壊する溶血作用があります。
また、水に溶かすと水生動物の鰓の表面を傷つけたりすることから、魚毒性を発揮するものもあるとのこと。
強いサポニンには経口毒性があり蕁麻疹を起こしたりもします。

漢方に使われてるとはいえその辺に生えている桔梗を抜いてきて猫猫のように毒実験などしないようお願いします。

次の花はこちらは紫の花
これは・・・スミレ・・・???
おそらくはスミレ・・・かと。

菫は種類が無数にありなんとも言い難いですが・・・。

原種のほかいくつかの種類のスミレは若芽、若葉、花、蕾が食べられます。
スミレの花の砂糖付けは有名ですね。
また薬効があるとされ、利尿、血圧効果の作用があるとされています。

一方で同じスミレ科でもニオイスミレなどは有毒で根茎、種子に毒があり、含まれる毒の成分はビオリン、サポニン、ビオラルチン、グリコサイド。
また出たサポニン。今度は毒としての登場です。
摂取した場合の症状は嘔吐、神経麻痺、心臓麻痺。

次の花はこちら。
一瞬カモミールかと思ったのですが黄色い中心部の盛り上がりが少ないのでマーガレットかヒナギクか・・・

マーガレットとヒナギク(デイジー)の見分け方としては花の大きさ。ヒナギクは小型のものが多くマーガレットは大型の花が多いです。また、ヒナギクの花は楕円形で切れ込みがなくマーガレットの葉にはギザギザとした切れ込みがあります。

ではこの花の大きさは・・・わからないですね。
そして葉は・・・見えない・・・
それじゃダメじゃん!春風亭昇太師匠ではないですが判定は不明です。

ヒナギクはヨーロッパでは古くから薬用に用いられてきました。葉をよくもみほぐしてから骨折した箇所に貼付すると効果があるとされ、「骨の花(Bone-flower)」と呼ばれています。また、葉を打傷に貼ると効果があるとされることから「傷草(Bruise-wort)」とも呼ばれています。このほかにも、痛風やリウマチの薬に使われたり、偏頭痛の薬としてヒナギクの葉や根の汁を鼻に垂らして用いられたりしてきました。花の部分は戦傷の止血に効果があるとも言われています。(Wikipedia)

逆にマーガレットの葉の汁には、ミニテルペンラクトンという物質が含まれており、触れてしまうと皮膚炎を起こすほか、誤食すると嘔吐を引き起こすことがあります。
大量に触れたり肌が弱くなければ触れてもさほど問題は無いようですが。

ヒナギクかマーガレットか。毒か薬か・・・

ちなみにカモミールは原作に登場します。ハーブティーとして有名なカモミールですが子宮収縮作用があるので妊婦さんには厳禁です。原作での扱われ方もそんな感じでした。沈静、リラックス効果、ストレス低減、自律神経機能の向上などのほかに男性側が原因の不妊に効くとか。
最後の部分については参考資料が見つからなかったので詳細は猫猫に聞いてください。

次の花は一つの枝に連なって咲く白い花。
・・・なんだこれ。
本当になんだこれ・・・
密度の高いぺんぺん草みたいな・・・
OPに登場するのは全部毒草(あるいは生薬)と仮定して考えるとバイケイソウかコバイケイソウ・・・でしょうか。
白い花穂が目立ち、おしべが花被片より長いのでコバイケイソウかな・・・?

ジキタリスも似たような花の付け方をするんですが、下から順に開花していないこと、花の形がベル状になっていないことなどから違うとわかりますね。

コバイケイソウは毒草として有名なようで、中毒例も多いようです。山菜のウルイやギョウジャニンニクに似てるようですね。
全草に毒があり、成分はプロトベラトリンやジェルビン等のアルカロイド。
中毒症状は吐き気、嘔吐、手足のしびれ、呼吸困難、脱力感、めまい、痙攣、血圧低下など。重症の場合は意識不明となり、死亡します。
茹でる、炒める、揚げるなど熱を加えても毒は分解されず中毒を起こします。

お次はこちら。ちょっと見にくいですが、後ろに見えるオレンジの蕾の薄い赤紫の花。
花に斑点のような模様があり先端が分かれた花柱があります。葉は先端が鋭角の広楕円形。
これはホトトギスですね!
ホトトギス・・・ですよね?

花の形はホトトギスだと思うんですけど花のつきかたと蕾の色が・・・。
一つの枝からこんなに細かく枝分かれしてないですし、花は薄紫で蕾がオレンジって・・・

ホトトギスの中で薬効があるのは黒点草と呼ばれるヒマラヤホトトギスのようです。根、あるいは全草が生薬になり、薬効は清熱除煩、活血消腫。
日本で流通してるのは特に薬効とかはなさそうです。野草として食べてる人のブログもありましたが詳細は不明・・・

またホトトギスは杜鵑草なんて言われるらしいですが、生薬にある杜鵑花はタイワンヤマツツジの花から作られるもので全くの別物なのでご注意を。

そしてこれは・・・ツツジ?
花の色からするとレンゲツツジの方かと思います。
鮮やかなオレンジ色と一枝に2〜8個とツツジよりも多くの花をつけます。

これまた有名な毒草で先のコバイケイソウと共に東京都などのホームページなどに要注意植物としてきさいがあります。ツツジの花は学校帰りにむしって花の蜜を吸ったりするので誤飲が多いんでしょう。

え?学校帰りにツツジの花の蜜を吸いながら帰るのは全日本人共通の行動でしょう?

レンゲツツジは全木にジテルペンのグラヤノトキシン、ロドジャポニンなどの痙攣毒を含んでおり、呼吸停止を引き起こします。ツツジの同様に花に蜜がありますが、レンゲツツジの場合は花の蜜にも毒があり、レンゲツツジの花の蜜を収集した蜂蜜での中毒例もあるようです。

どんどんいきましょう。
お次は梅。

梅は花や木には毒は無いですが実に毒があります。
青梅の毒は有名ですよね。

青梅の毒はシアン化合物(農林水産省)とか青酸配糖体のアミグダリン(東京都保健医療局)とか、これは名前が違うだけで同じものなんでしょうか。
症状は頭痛、めまい、発汗、痙攣、呼吸困難など・・・
しかし大人で300個ほどの青梅を食べないと深刻な症状が出ない(JAグループ福岡)ようで、あまり強い毒ではないのか、含有量が少ないのか・・・。
ただし種子には果肉の10〜20倍の青酸配糖体が含まれているので注意が必要です。

青梅は梅干しや梅酒等に漬けたり干したりする事で簡単に毒抜き出来るので時期になるとスーパーでも取り扱われますね。

わかりやすいのが続いてくれて助かります。
ヒガンバナ、ですね。

彼岸花。別名曼珠沙華。曼陀羅華ではないです。
曼陀羅華は別の花。ちょっと紛らわしい。
猫猫が球根を水に晒して毒を抜いて食べようとしてた花です。

地下の鱗茎(球根)に強い毒性を有する有毒植物で激しいアルカロイドを含んでいます。含有するアルカロイドはリコリンやガランタミン、セキサニン等。
経口摂取すると流涎や吐き気、腹痛を伴う下痢を起こし、重症の場合は中枢神経の麻痺を起こして苦しみ、死に至る場合もあります。
毒は水溶性ですり潰して長時間水に晒せば無毒化が可能で食用に利用されていた事もあるそうですけど、毒性が強くどれだけ水に晒せばいいかも不明なので素人に真似出来ることではないです。やめましょう。

毒性を利用して、ネズミ避けやモグラ避けに畑の畦道によく植えてありますね。

次は木に連なって咲く白い花。
コブシかな、と思ったのですが花がバラけるように開き切っておらず、花弁の数はちょっと分かりにくい部分がありますが緑の萼片が見えないのでハクモクレンかな、と。

辛夷(しんい)とよばれる生薬はシモクレン、紫の花のモクレンを風乾させたもので蓄膿症や鼻詰まりなどの鼻炎や、頭痛、熱、咳などに対する生薬とされることがあります。
主な成分としては、モノテルペンの α-ピネンやシネオール、フェニルプロパノイドのオイゲノール・・・これ書いてて全く理解できないんですが読んでる方は理解出来てるんでしょうか。詳しく説明してくれ!と言われても無理なので知りたい方は専門書とか読んでください。

ちなみに、中国の「辛夷」は特にシモクレンを意味するそうですが、日本薬局方が定める生薬である辛夷の基原植物としてはシモクレンが含まれておらず、ハクモクレンが指定されてます。
日本の基準に合わせたのか、色の並び的に白にしたのか、そもそもそんな意味などないのか・・・

黄色の模様のある紫色の花。
これはアヤメですかね。
いずれアヤメからカキツバタ、なんて言うようにアヤメ、カキツバタ、それにハナショウブは見分けが難しいですが、外側の花びらの付け根に白い筋が入っているのがカキツバタ。黄色い筋が入っているのがハナショウブ、黄色と紫の網目模様が入っているのがアヤメです。

これは・・・
網目模様というと違う気もしますけど、色が黄色で明らかに筋ではないのでアヤメでしょう。
花の形からすると原種のアヤメよりもジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)に近い気がします。

まあアヤメであれハナショウブであれジャーマンアイリスであれアヤメ科の植物であることには違いなく、アヤメ科の植物には毒があります。

アヤメは根、汁液、種子など全草にイリジン、イリジェニンなどのアルカロイドの毒成分があり、経口摂取した場合の症状は吐き気・よだれ・嘔吐・腹痛・倦怠感・下痢・体温上昇といった症状。また、皮膚に触れると軽い炎症が数分続きます。

そしてスズラン
スズランはランとついていますがラン科ではなくキジカクシ科です。

スズランは全草、特に花、根茎に多く毒を含んでいます。毒は強心配糖体のコンバラトキシン、コンバラマリン、コンバロシドなどでその毒性は誤食すると嘔吐、頭痛、眩暈、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重傷の場合、心不全から死亡に至ることもあります。

山菜のギョウジャニンニクと外見が似ているので北海道などで間違って摂取し中毒症状を起こしているらしいです。
出ましたギョウジャニンニク。という事はスズランはギョウジャニンニクにもウルイにもコバイケイソウにも似てるという事でしょうか。似ている植物多くない?おまけに4つのうち半分が毒で賭けで食べるにしても分が悪すぎる。
スズランをいけた水を飲んでも中毒を起こすという事ですが、スズランの毒は水溶性なんでしょうか。

強心作用や利尿作用がある事から生薬や製薬の原料とされる事もあるそうで、本当に毒と薬は紙一重ですね。

ちなみにスズランの見た目から「つぼみのままの花」なんて勘違いする方もいらっしゃいますが、あれは蕾ではなく釣り鐘状、壺状の花です。
スズランの蕾は黄緑色をして下葉に隠れるようにつきます。そこから成長して花茎を伸ばすとともに白い花を咲かせるのです。
わかりにくいかもですがスズランなりに一生懸命花を咲かせているので、蕾のままの花だなんて言わないであげてください。

そしてお次の花は・・・
5裂の青い花冠に・・・おしべが5つ、花柱の先に白いめしべも5つ・・・
・・・キキョウ・・・・・・??

あれ?君さっき出てきてたよね?
また?20個も花がない中で被る??
毒のある花って聞いたら10人が10人名前をあげそうなほど有名で薬屋のひとりごとにもよく出てくるトリカブトとか、原作外宮編でキーになってるあの花(ネタバレ回避)とか、後期OPを見るに2クール目のラストで活躍すると思われるあの花(ネタバレ回避)とかまだ出てきてないのに・・・???

お次はこちらの花。これはボタンですね。(2回目)
うん。
最初に出てきたボタンと葉っぱの形違くない???

こちらの方がボタンの葉らしいですね。卵形で2〜3裂して先が尖っています。
これがボタンだとすると2番目の花はボタンではないのでしょうか。いやしかし・・・

この流れだと本編に登場する四貴妃を意識してるんだなとわかります。
4人の上級妃はそれぞれ

真紅と翡翠を象徴する玉葉妃
群青と水晶を象徴する梨花妃
黒と柘榴石を象徴する阿多妃
里樹妃は白と、宝石は出てきてませんが金剛宮に住んでいるので金剛石、ダイヤモンドでしょうか。

五行の色と宝石を当てはめられた上級妃達ですがそれぞれをイメージする花も用意されています。
それがこちら。

玉葉妃がボタン、梨花妃がキキョウ、阿多妃がアヤメ、里樹妃は鈴蘭。
ここは4人の上級妃を意識した並びなんでしょう。
五行における黒は紫で代用されることがあるようです。中国の漢方などは陰陽五行の思想が密接に関わっていたりするので、まさに中華ファンタジーの薬屋のひとりごとらしい部分でもあります。

4人の上級妃のうち2人が毒草、もう2人が薬草で、薬草が当てられた2人が懐妊しているっていうのは印象深いですね。この辺も原作のストーリーを意識してるんでしょうか。

最後はカタバミ
道端にもよく生えているので他と比べて身近な花ですね。
カタバミ、中国語では酢漿草。別名にねこあし。
この「ねこあし」が猫猫の名前の由来だったりもします。

このカタバミもしっかり毒草です。
全草に毒を含み、毒の種類はシュウ酸カリウム、シュウ酸ナトリウムなどのシュウ酸塩。ヒトの経口推定致死量は15〜30グラム。中毒症状は流涎、胃腸炎、重度の下痢、筋肉の振戦、瞳孔散大、強直性痙攣、発汗、虚脱、体温低下等など。

ネットを調べるとカタバミを食べよう!みたいな個人ブログが多く引っかかります。曰くシュウ酸を含んでいるので酸っぱくて美味しい。サラダにして食べよう。ただし食べすぎないようにね!・・・だそうで。
その酸っぱいの毒なんだが?推定致死量15〜30グラムって書いてありましたけど?実際500グラムのカタバミを使ったスープを食べて死亡した例があるらしいですけど???

けれど私も子供の頃に道端に生えてるカタバミ吸いながら遊んでた記憶があるので何にも言えねぇ・・・
・・・子供の頃の私道端に生えてる草食べ過ぎじゃない・・・?

まあシュウ酸自体はほうれん草にも含まれていますし、しっかり茹でてアク抜きして少量食べる分には問題なさそうですが「食べてみよう!」なんて気軽に人に勧められるものじゃないと思うんですけど・・・
「道端に生えてるからコスパ最高!」じゃないんだわ。



というわけで薬屋のひとりごとのオープニングに見る毒花(薬草)でした。最後までしっかり毒花(薬草)でしたね。
最後のあとがきに「後宮に乱れ咲く美しい花はその実全部毒をもつ花」みたいな締めを想定していたんですけど存外薬草としての活躍が主だったり食べられる花だったりが多くてブレブレになっちゃいました。
ホトトギスの時は毒や薬の記述が全く見当たらなくてめちゃくちゃ焦りました。あまりメジャーじゃないうえに原作にも出てこない花で前提崩れるのは困る。
しかしこうして調べると植物ってのは大体何かしらの毒を含んでるんだなと思いました。

日本三大毒草なるものがあるようで、トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギの事らしいのですが一つも出てきませんでしたね。トリカブトはもとよりドクウツギの赤い実もドクゼリの白い花も映像に映えそうな気がするんですけど・・・。
キキョウとボタン(こちらはおそらくですが)を2回出すなら他にもテッセンとかグロリオサとか、原作にも名前が登場してたキョウチクトウとかオシロイバナとか曼陀羅華とかあったと思うんですけど。

もっとも私がこの花の並びに秘められた真の意味を理解できていないだけなのかもしれませんけどね。

しかし出版社肝入りのアニメはオープニングもしっかり凝っててとてもいい。
こういったわかる人にだけわかれみたいな小ネタが仕込んであったりするからやっぱりアニメのオープニングは飛ばせないな!

もう2期も中盤ですがアニメ薬屋のひとりごと応援しています。




せっかくなので追記。
アニメ2期のネタバレがありますので読む際にはご注意下さい。



薬屋のひとりごと、第2期オープニングより。

チョウセンアサガオ。別名曼陀羅華。園芸用にはダチュラの名前が有名です。

名前で検索すると二言目には「有毒、危険」の文字が出てくるほど有名な毒草です。

全草、特に種子に有毒なアルカロイド成分を含み、主な成分はヒヨスチアミン、スコポラミンなどのトロパンアルカロイドなど。植物体の汁が目に入っても危険です。
誤食すると瞳孔が開き、強い興奮、精神錯乱から、量が多いと死に至る。
なお、キダチチョウセンアサガオ属の「エンジェルス・トランペット」などの仲間もすべて有毒。

中毒事例なども多いようです。

ただ、チョウセンアサガオには薬効とされる部分もあり、古い中国の医学書には患部を切開する際、熱酒に混ぜて服用させれば苦痛を感じないとの記述があり、麻酔薬替わりに用いられていたようです。「世界初の全身麻酔手術に成功した江戸時代の医師である華岡青洲は、本種を主成分とする麻酔薬「通仙散」を完成させた。このことから日本麻酔科学会のシンボルマークには本種の花が採用されている。」だとか。

ベラドンナやハシリドコロなどと同様にアトロピンを含んでおり、過去には鎮痙薬として使用され、現代でも市販の医薬品内服剤(錠剤)「ストナリニS」(佐藤製薬)にダツラエキスが12mg配合されており、副交感神経を遮断するダツラエキス配合でつらい鼻水、鼻づまりの症状を緩和します。」とあるそう。

本当に毒も薬も紙一重というか、毒もハサミも使いようって感じですね。

薬屋のひとりごとの原作、漫画でもチョウセンアサガオ、曼陀羅花は「蘇りの薬」として登場します。製薬方法が不明で半ば伝説的な薬扱いなので、麻酔作用を意識したフィクションとしての扱いなのかも知れませんが。

原作(web版)華佗編まででは準備を整えた上での外科手術をする機会が存在していないので麻酔薬としての登場はまだですが、今後の活躍には期待できそうな花です。

いや、何目線なんだこれ。

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