主体的行動を重視したロールプレイのガイドライン

「売り場での対応が悪いとお客様からクレームがありました」
あなたの得意・資質・価値観を活かしてどうプラスに考えて行動をしますか?
こんな感じのピンチをチャンスととらえるロールプレイの環境作りのガイドブックになります


はじめに


このロールプレイは、参加者の価値観、資質、そして志を活かし、ピンチをチャンスと捉える機会を提供します。我々は皆、個々に異なる価値観や資質を持ち、それぞれが独自の志を抱いています。この多様性が、私たちが直面する困難な状況で強みとなり、新たな可能性を開拓するための力となるのです。

このロールプレイでは、参加者は自身のキャラクターシートを通じて、自らの内面を探求し、他者と共有します。価値観や資質は、我々が行動し、意思決定する際の指針となります。そして、志は私たちの目指す方向を示し、困難に立ち向かう意欲を鼓舞します。

シナリオにおいては、参加者は自身のキャラクターの特性を活かし、ピンチとなる状況に果敢に挑みます。各人が持つ異なる視点や能力が、チームとしての連携や問題解決の策を豊かにするでしょう。

この体験を通じて、私たちはピンチをチャンスととらえ、共に成長し、学び合うことの重要性を認識します。さあ、価値観、資質、そして志を存分に発揮し、新たな冒険への一歩を踏み出しましょう。


1. キャラクターシートの作成

1-1 価値観、資質、志をまとめたキャラクターシート作り

ロールプレイを始める前に、参加者が自己理解を深めるためのキャラクターシートを作成します。このキャラクターシートには、参加者自身の特徴や個性、価値観、資質、志、その他の情報が記載されます。

キャラクターシートには、以下の項目が記載されていていす。
ワークシートに関しては下のリンクタイトルに公開してあります

パーソナリティ・プロファイリングシート

  • 価値観

価値観に関しては、参加者が大切にする価値観を上位5つ挙げます。これには、価値観ワードや具体的な概念が含まれます。これにより、参加者がどのような価値観に基づいて行動するのかを理解しやすくなります。

  • 資質

資質に関しては、参加者の特性や能力を評価し理解するためのツールやテストの結果を記載します。これには、「ストレングスファインダー」や「16Personalities」などのテストの結果が含まれます。参加者の強みや傾向を把握することで、彼らの行動や意思決定をより的確に予測することができます。

志に関しては、参加者が持つミッション、ビジョン、ポリシーについて記載します。これは、参加者がどのような目標や理想を追求し、どのような行動原理に基づいて行動するのかを明確にします。

  • 履歴や経歴など、参加者の個性を明示する情報

その他の情報として、氏名・性別・年齢・居住地や職業などの基礎情報に加え自分年表を元にしたモチベーショングラフなどの、個人の経歴を明示する情報を記載します。
これにより、他の参加者やファシリテーターが参加者の背景や経験を把握しやすくなります。

以上の情報が、参加者自身の特性や個性を理解し、ロールプレイやグループ活動により効果的に参加するための基盤となります。

1-2 資質に関連したテストの種類

「ストレングスファインダー」、「VIA-IS(Values in Action Inventory of Strength)」、「16Personalities」、そして「RIASEC属性」これらのツールやテストは、個人の理解や自己認識、そして適切なキャリア選択に役立つ、個人の特性や能力を評価し理解するためのツールやテストです。
以下にそれぞれの説明を示します。

  1. ストレングスファインダー:

    • ストレングスファインダーは、ギャラップ(Gallup)が開発したパーソナルデベロップメントツールです。主に個々の強みや長所を特定することに焦点を当てています。このツールは、個人が自らの強みを認識し、それを活用する方法を見出すのに役立ちます。

  2. VIA-IS(Values in Action Inventory of Strength):

    • VIA-ISは、ポジティブ心理学の視点から、個人の持つ美徳や強みを測定するためのツールです。24の美徳に基づいて構築されており、個人が自らの強みや価値観を理解し、それを活用することを促進します。

  3. 16Personalities:

    • 16Personalitiesは、人間の性格を16の異なるタイプに分類するためのテストです。マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標(MBTI)に基づいており、個人の行動パターンや意思決定の傾向を理解するのに役立ちます。

  4. RIASEC属性:(職業興味検査)

    • RIASECは、職業選択の理論で用いられるアクロニムで、現実主義(Realistic)、研究型(Investigative)、芸術型(Artistic)、社会型(Social)、起業家型(Enterprising)、伝統型(Conventional)の6つの属性を表します。この理論に基づくテストやツールは、個人の興味や傾向を特定し、それに基づいて適した職業やキャリアパスを探るのに役立ちます。

1-3 参加者の志と履歴を示す項目

キャラクターシートには、以下の項目を含めます。

  • 好きなこと:

趣味や興味関心を記入します。自分の時間を楽しむために何をするのが好きか、どんな活動や趣味に興味を持っているのかを明示します。これにより、参加者の個性や関心事を把握し、ロールプレイや学習のコンテキストに組み込む際に役立ちます。

  • とくいなこと:

得意とすることや自信を持っていることを記入します。自分の強みやスキル、専門知識などを明確にし、自己認識を高めます。また、他の参加者やファシリテーターに自己紹介する際に役立ちます。

  • 価値観ワード:

価値観を表すキーワードやフレーズを記入します。自分が重要だと考える価値観や信念、優先順位が何かを示し、自己理解や他者とのコミュニケーションに役立ちます。

  • 使命(ミッション):

使命や役割を記入します。自分が何を成し遂げたいのか、どのような存在でありたいのかを明確にし、目標達成や行動計画の指針とします。

  • 志(ビジョン):

将来の理想的な姿や目標を記入します。自分がどのような状況や環境にありたいのか、どのような成果を達成したいのかを明確にし、目指すべき方向性を示します。

  • 指針(ポリシー):

自分の行動や意思決定において重視する原則やルールを記入します。自分が守りたい価値観や信念、行動の基準を明確にし、自己統制や他者との関係を調整します。

  • 好きな言葉(座右の銘):

格言や座右の銘、心に刻んでいる言葉を記入します。この言葉は、参加者の信条や信念を表し、行動や決断の指針となります。

  • モチベーショングラフ(自分年表):

自分の人生やキャリアの過去から現在、将来に至るまでの重要な出来事や経験をグラフやタイムラインで表現します。
過去の成功や失敗、転機などを振り返りながら、今後の成長や目標達成に向けたモチベーションを高めます。

2. シチュエーションのシナリオ化手順

この章では、ロールプレイを実施するためのシナリオ化手順について解説します。
ロールプレイの成功には、事前の準備が欠かせません、ファシリテーターは、参加者が役割に没頭しやすく、学習目標を達成しやすいように、シナリオや役割の設定、資料の準備などを適切に行う必要があります。
また、ロールプレイの進行やデブリーフィングの管理、参加者とのコミュニケーションを円滑に行うための準備も不可欠です。

2-1. 目的の明確化

  • ロールプレイの目的を確認し、参加者が達成すべき学習目標を明確化します。例えば、コミュニケーションスキルの向上、リーダーシップの強化、エンパシーの醸成などが挙げられます。

  • ロールプレイが目指す成果や期待される効果について定義し、参加者が理解しやすい形で伝えます。

2-2. 役割の決定

  • 参加者の数とプロフィールを確認し、適切な役割を決定します。参加者の経験や背景、学習目標に合わせて役割を選定します。

  • 役割ごとの背景情報や特性を準備し、役割説明書を作成して参加者に提供します。

2-3. シナリオの設定

  • 参加者の役割と相互作用するシナリオを設定します。現実的で興味深い状況を作り出し、参加者がシナリオに没頭しやすいように工夫します。

  • シナリオには、問題や課題、対話の流れなどが含まれるようにします。

2-4. 資料の準備

  • 参加者に提供するための役割説明書やシナリオの資料を作成します。役割説明書には、役割の詳細や背景情報、目標、行動指針などを明記します。

2-5. 設備や環境の準備

  • ロールプレイを行うための設備や環境を準備します。適切な場所や機器、素材、プロップなどを用意し、ロールプレイを円滑に進行できる環境を整えます。

2-6. 参加者への説明と準備

  • 参加者に役割やシナリオの説明を行うためのスライドやプレゼンテーションを準備します。ロールプレイの進行やデブリーフィングの手順についても説明し、参加者が理解しやすいように調整します。

2-7. ファシリテーター自身の準備

  • ロールプレイの進行を円滑にするために必要なスキルや知識を習得し、ファシリテーションの手法やコミュニケーションスキルを高めます。

  • 参加者のフィードバックを受け入れ、適切に対応するための準備を行います。

これらの手順を遵守することで、ファシリテーターはロールプレイの効果的な実施をサポートし、参加者が有意義な学びを得ることを確保します。

3. ロールプレイの方法

3-1. 実演

  • 各参加者が設定されたシナリオに基づいて行動し、個性の長所や短所がどのように発揮されるかを観察します。

3-2. 判定

  • 行動を起こすプレイヤーは自分の行動が価値観、資質、志のどの部分を活かしているかを明示し、進行役はその行動に対してのシチュエーション上の適切さと価値観、資質、志の関連性をジャッジし、行動の達成度を判定します。

3-3. フィードバック

  • シナリオの終了後、各参加者が自身の行動や他者の行動について振り返り、フィードバックを提供し、参加者毎の今後の改善点を検討します。

  • ロールプレイの結果をまとめ、これからの行動やチーム運営に活かす指針にします。

4. ゲーム(競技)化のためのルール作り

ロールプレイをゲーム(競技)化するためのルール作りについて解説します。
ロールプレイ中は、全員が公平に参加できるように配慮し、建設的なフィードバックを行い、参加者の感情や個人の価値観を尊重することが重要です。

4-1. ルールの確立

  • ロールプレイ中に適用されるルールを明確に定めます。これには、参加者間の尊重、公平性、建設的なコミュニケーションの促進などが含まれる。

  • ルールは全員が理解しやすいように簡潔かつ明確に記述し、ロールプレイの開始前に参加者に説明すること。

4-2. 公平性の確保

  • ロールプレイ中は、全ての参加者が公平に機会を与えられるように心がけます。役割分担や発言機会の均等な配分など、公平性を促進するための手段を考えること。

  • 特定の参加者が優遇されたり、不利な状況に置かれないように、ファシリテーターは常に公平性を確保すること。

4-3. 建設的なフィードバックの促進

  • 参加者がフィードバックを行う際には、建設的でポジティブなアプローチを推奨します。批判的な意見やネガティブなフィードバックは避け、改善点や肯定的な側面に焦点を当てること。

  • フィードバックは具体的で具体的であることが望まれます。参加者が自身の行動や他者の行動をより具体的に理解し、改善点を特定しやすくなる。

4-4. 参加者の感情や個人の価値観の尊重

  • 参加者の感情や個人の価値観を尊重し、配慮します。ロールプレイ中に感情的な状況が発生した場合は、適切に対処し、全員が安心して参加できる環境を維持すること。

  • 特定の信念や価値観については、異なる意見や視点を尊重し、偏見や差別的な発言を排除すること。

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