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山道を走り、衣食住自給のパラダイスを作る理由

私は、未だ見ぬ景色を見たいという衝動に突き動かされ、普通無理だろうと思われることばかりやろうとする漢。未だ見ぬ景色を見たいという衝動で、30年間続けたサラーリーマンを辞め、福島県の原発事故の被害を受けた地域で風力発電所を開発し、風車と風車の間でオーガニックコットンを栽培し、再開される農業に彩を加える事業を立ち上げました。

趣味のトレイルラニングでは、二晩寝ずに160㎞走り続けたこともありますが、その原動力も未だ見ぬ景色を見たいという欲求です。出身地である福島県の安達太良山を舞台に地域おこしの活動をしているのですが、安達太良山でも人々に未だ見ぬ景色を見せたいなと思っています。

Vol 6. 不安定好き

そう、不安定さがないとやる気にならないんです。だから、職人さんなんかで、同じことを続けられる人ってすごく尊敬します。入社した会社を定年まで勤めあげることなんて到底無理でした。同じ仕事をつづけた最長不倒が5年ぐらいでしょうか?

自発的な社内での異動も含め、転職で両手に余るほど、仕事を変えました。転職のきっかけが上司や人間関係などに悩まされたことは一度もありません。いや、一回あるか。フランス人の頭の固い上司が嫌で社内転職したことがあったっけ。

そこに制御がないからキライ

安定とは、巡航速度に入った状態ですね。飛行機なんかだと、離陸、着陸なんかに比べれば機体の制御が少なくて済みます。推進力のコントロールだけ。そう、制御が不要になる安定が嫌なんです。何故って聞かれても、『そこに制御がないから!』。理由は、それだけ!

例えば、私の趣味のランニング。北京オリンピックの選考会レースに出場したこともあります(オリンピックの選考とは別枠で(笑))が、、フルマラソンなんかだと5㎞ごとのラップを安定させるのが、早く走るための最善の方法です。これが嫌できっぱりとやめました。

トレランは、不安定さとの対峙

それでも山道を走るトレイルラニングは、20年以上続けています。不整地を走りアップダウンが沢山あるからだと思います。平坦な舗装道路に比べれば、足元は全く不安定、不確実。夜間に山道を走ることなんて、その極み。そんなところを走るには、ペース配分だけじゃなくて、カラダとココロの制御がとても重要なんです。

カラダとココロの制御

カラダの制御の極意は、チカラを抜いて、重力に身を任せること。心肺機能、脚力、コアの筋肉などカラダの機能をいくら強化しても、山道のアップダウンは克服できません。しかし、チカラを抜くことが出来るようになると下っている距離は距離に入らないくらい楽に走れます(笑)。

ココロの制御も、ロードのマラソンと違い自分を律するだけじゃなく、開放するという制御もあるんです。例えば、*ウルトラトレイルラニングと呼ばれる100㎞を越えるレースでは、途中必ずどこかで全く走れなくなります。

ロードランナーの様にココロを律する制御ばかりだと、その先走り続けることなんてできません。休んで、食べて、ココロを開放すると、あら不思議。絶対無理だと思っていた残り60㎞走れちゃいましたなんてことが起こります。開放する方法は人それぞれ。不安定さ、そして突然走れなくなるような不連続性、不確実性。これが私がトレイルラニングを愛する理由です。

XCスキー

先日、すごいスポーツに出会いました。XCスキーです。想像を絶する不安定さでした。フリースタイルのスケーティングというスタイルを教わって滑りました。フリースタイルはフリースタイルでも、「フリースタイルじゃない方はグレコローマン?」ってくらい転んで、腰や肩などを強打し、レスリング後のように打ち身だらけになりました(笑)。

なんてったって、履いているのは、5㎝有るかないかの幅の、190㎝もの長さのスキー。カラダの重さを一点に集中させないようにスキーが長いのですが、そんなスキーで雪上に立つんですから不安定さ半端ないです。簡単に転びますが、立ちあがるのも一苦労。重心がスキーの上にちゃんと乗ってないと滑って立ち上がることすらできません。

気持ちよさも感じた

下手ながらもうまく重心を移動させ続けることが出来、スキーを滑らせ続けることが出来ると風を感じるようになります。これだけで最高に気持ちいい。

北国で生まれ育ちましたが、私は、ウィンタースポーツには無縁でした。**チーム桃太郎のサポートランナーである山田琢也選手は、スキーアーチェリーの世界チャンピオン。同じくサポートランナーの大瀬和文選手も去年からXCスキーを始めて、長野県の国体予選でなんと7位入賞(8人中(笑))。

ラッキーにも、この二人に手取り足取り教えてもらってのXCスキーデビューを果たし、そして、2回目は、チーム桃太郎監督兼広報の内坂庸夫大兄やXCスキー上級者の仲間と5㎞のコースを周りました。私の息子も交え、初心者3人大いに楽しみました。

生まれて初めての刺激

楽しい思い出とともに、カラダに生まれて初めての刺激が入ったようです。スキーを滑らすために神経を研ぎ澄まし、坂を上るために、頑張ってスキーを開いてスキーを滑らせながら、リズムよくポールワークします。こんな不安定なものに向き合ったことはありません。

ランニングと違って、足と手のタイミングが合わないとスキーが進みたい方向に向かいません。XCスキーの後は、打ち身のせいじゃなく(笑)、新しい刺激にカラダが興奮している状態が数日間続きます。この歳からでも出会えて本当に良かったです。

https://youtu.be/n7MSUr8n-04
撮影:山田琢也

***SUSKENERGY

衣食住の自給というテーマで、起業しました。事業第一ステージでは、原発事故の被害にあった福島県の沿岸部で風力発電所を開発、運営し、現地の農業の再開に合わせ、風車と風車の間で茶綿と言われる日本古来種のオーガニックコットンを栽培します。

SUSKENERGYの作りたい未来は、理想に共感してもらえる各地と結びついて、必要なモノを全て自給することです。そんな景色を見るまでには、時間は相当かかり、長い道のりだろうと思います。間違いなくライフワークです。

他人次第という不安定さ

でも、飽きない自信があります。そしてやり遂げるために必要なこともわかっているつもりです。この事業は、自分たちで計画し、必要な資金を調達して投資をすればできる事業ではありません。そう、不安定、不確実な事業です。それは、どういうことかと言うと。。。

大型の風車の建設には地元の理解を得なければなりません。農業の担い手も増やさないといけません。理想に共感してくれる各地にしても同じです。こんな他人任せ、他人次第の事業ありません。

もちろん、他人に協力してもらえるよう色んな仕掛けを考えています。でも、他人次第という不安定さは変えられません。まさに、私にうってつけの仕事です。

あっ、そもそも風力発電は風任せ。農業も天候次第ですよね!

オーガニックコットン製のパフォーマンスウェアという市場づくり`

栽培して、将来は現地で加工、製品化、販売もと目論んでいるオーガニックコットンにしても、新しい市場を開拓するつもりです。果たして、私の目論むアクティブおじさんが高いおカネを払っても着たいと思うオーガニックコットン製のウェアという市場は作れるのか!

まずは、市場作りの一環で茶色のオーガニックコットン製のパフォーマンスウェアを作りました。チーム桃太郎で着用し、100年前のオリンピック選手団のようないでたちで160㎞に及ぶカリフォルニアの難コースを笑顔で駆け抜ける日が待ち遠しいです!

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撮影:藤巻翔、左から大瀬和文選手、私、山田琢也選手

*ウルトラトレイルラニング:筆者SUSKEこと渡邊千春の趣味である、トレイルラニングのレースのうち、100㎞を超える山道をコースとする超長距離のトレイルラニングレース。100マイル(160㎞)のレースでは2000人を超えるランナーが参加するレースが世界でも複数開催されている。筆者SUSKEこと渡邊千春は2021年6月に米国カリフォルニア州で開催予定の世界で最古のウルトラトレイルラニングレースであるWestern States Endurance Run(WSER)に参加予定。このレースは、非常に人気が高く、走ることが出来るランナーの数が限られているため、抽選を経て選ばれた参加希望者の3%程度のランナーが参加できる。

**チーム桃太郎:筆者SUSKEこと渡邊千春が、2021年6月に米国カリフォルニア州で開催予定の世界で最古のウルトラトレイルラニングレースであるWestern States Endurance Run(WSER)に参加するにあたって結成したチーム。監督兼広報の内坂庸夫さん、100㎞以降フィニッシュ地点の160㎞まで並走してくれるぺーサーの山田琢也選手、大瀬和文選手、そしてフォトグラファーの藤巻翔さんで構成される。このレースは、非常に人気が高く、走ることが出来るランナーの数が限られているため、抽選を経て選ばれた参加希望者の3%程度のランナーが参加できる。筆者SUSKEこと渡邊千春は、自らの事業で栽培する福島産のオーガニックコットンの普及を目指し、このレースで着用するパフォーマンスウェア及び移動中等に着用するライフウェアをオリジナルで作成しています。

*** SUSKENERGY:2018年6月設立、本社、福島県南相馬市。正式には合同会社SUSKENERGY。筆者SUSKEこと渡邊千春が共同創業者兼CEO。社名は、Sustainable、 Energy、福島の方言の『さすけない(問題ない、大丈夫)』の造語。


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