日本のお笑い芸人がAGT(America’s Got Talent)に立て続けに出演するのを見て思うこと。
たまたまFBを開いたらAGTにジェラードンが出ていた。披露していたのは頭の形に切り抜かれたダンボールの板を走りながら潜り抜けるという、我々日本人にとっては有名なネタ。
誤解が無いように言っておくと、私はジェラードンが好きだ。このネタも含めて。しかし、AGTの彼らのステージを見て何だか心がざわついた。
過去にユリヤンと安村がAGTで大バズりした時は、シンプルにとてもうれしかったし、何というか「世界よ見たか、日本のお笑いヤバいでしょ?」みたいな、別に私自身は何も偉くないのだけど、日本のコメディ=日本のカルチャー=日本人である私が認められたような鼻高々な気持ちになったことを覚えている。
ただ、何というか、それに味を占めたかのように吉本興業が、ジャンジャン芸人をAGTに送り込むのはちょっと違うんじゃないかな、、、と、チョコプラが出演したあたりで変な違和感を感じはじめた。
ゆりやんも安村も、チョコプラのTTもジェラードンのダンボールネタも、日本のコメディのど真ん中ではないし、ど真ん中ではないから面白い。言い換えれば、ど真ん中があるからこそ面白いのだとも思う。
その一方で、日本のお笑いを知らない外国人がAGTで日本人芸人のキワいネタばかりを観続けたら、彼らにとって日本のお笑いのど真ん中はコレなんだと思ってしまうんじゃないか。
そうなると、得体の知れないものに触れた際に生じた熱狂が一気に冷笑に変わる可能性すらあるとも思う。
吉本興業は所属タレントのAGTを含む海外露出をビジネスとして捉えているのだと思うけれど、この刹那的なやり方を続けると、中長期的には日本のお笑いそのものを貶めることになるのではないだろうか。