今年を締めくくるのに相応しい言葉が見つからない
表題どおり、今年を総括するためのそれらしいキレイゴトを並べ立てて、新年を晴れがましい気持ちで迎えたい願いはあるのだが、どうしてもそういう気分にもなれない。
明日の条件は未だ見えないし、未来が過去の断続によって存在し得るものなら、おおよそ、未来は想定したモノの中の、下から数えてつまらない部類のいずれかが訪れることとなる。
過去をすべて精算して新しい自分になるわけでもないし、新年のおめでたい気持ちに浮かれて「今年こそは…」と漠然と思ったところで、未来はとくに何も変わらない。
そうして生きていくうちに、夢を語ることを忘れ、今年もだいたい去年と似たような日々の連続にせいぜい自分の生活に大して影響もない戦争だの殺人事件だの情報を貪って「今年はすごい一年だった」と、変わり映え日常から目を背けるための慰めにするのだろう。
一連の諸現象に対し、今はもう形容する言葉を持ち合わせないし、言葉にしてしまうことで言葉の限界性に囚われてしまうことのくだらなさに、いい加減うんざりしている。
どれだけ言葉を尽くそうともがいてみても、誰かの言葉を漁り続けてみても、しっくり来る言葉が見つからない。
だとするなら、それはきっと「言葉にしなくていいこと」なのだろう。
誰も核心にたどり着けないように、本心を隠し続けて生きることに最適化されていくように、年の瀬に手向ける言葉など、何一つない。
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