パンクロックと箱根駅伝 7話
先輩が誕生日の4月19日に、僕らは高円寺の元ヒッピーの怪しげなオヤジが経営している「性銃」と言う店で誕生祝をし。1杯198円のビールをしこたま飲んだ。汚くて狭い店だが、味が良く安いのでよくたまり場にしていた。
チェック柄のシャツを着た、井上さんがゲソの唐揚げを頬張りながら先輩に尋ねた。
「で、街田はオヤジさんにあって何を話わけ?」
「わからん、とりあえず話してムカついたらぶん殴ってやるわ。」
と言いながら先輩は腕だけでシャドーボクシングをした。
「ははは、そりゃいいわ!ぶん殴たれや!」
と言うと、井上さんはビールをグビグビ飲み干した。
そのやりとりを、ぴったりとしたカシミアのセーターをきてタイトなパンツを履いた星崎さんがタン刺しを頬張りながら口を挟んだ。
「でも、君の親父さんが大学に行くのに金だしてくれたんでしょ?まぁ、中学生の時にオヤジへの恨みでパンク始めたのは分かるけどさ。いくらクレイジー街田でも、ちゃんと話ぐらい聞くべきだとは、思うよ。まあ、それでムカつくなら殴っても良いけどさ。」
「なんやと!わしの少年時代は惨めやったんやから!当然やろ!」
「いや、お父さんにはお父さんの、、、事情、、、、大変かも、、」
「いや、わしは、、、、な、、、公害、、、、」
「僕が、思うにね、、、いや、まてよ、、」
先輩に火がついて星崎さんと井上さんが言い争いを始めた。
この3人は仲が良いやら悪いやら個性が強すぎて一度口論を始めると収集がつかない。
「でもさ、それとれとは・・・・・」
「ははは、じゃあさ・・・・」
「いや、わしはな・・・」
など、不毛な議論がしこたま続いた所に。
この店で一番高い。530円の豚ホルモン味噌炒めがきた。この店の名物でボリュームがあり、コリコリのレバーの部分が特に美味しかった。
「あ、豚ホルモンきたっす。」
店員から、それを受け取ってテーブルに置いた。
「おっ、きたきた!」
「あいかわらず、うまっそうやのう!」
「匂いからしてたまらないね。」
三人は豚ホルモンがくると同時に一様に箸を進め。不毛な言い争いが終わった。
「ところで、先輩。」
「ん?なんや?牧田?」
「もし、お父さんがどんな人でもアブラボウズは続けますよね。昔、会ったばかりの時、お父さんの事をよく言ってたので、恨んでるって。で、会ってなんか和解かなんかしちゃったらっとしたらそこで活動が終わるんじゃないかとそんなこと昔から思う日ことがあって。」
先輩は俺の顔をじっと睨んで。
「アホか!そんな事あるわけないやろ!何があってもクソオヤジはクソオヤジや!余計な心配するなアホ!」
「あ、すいません、そうですよね。」
その後、僕らは朝まで飲んで、激安居酒屋なのに一人頭6300円という驚愕の数字叩き出したが、次の日にはそれすら全く覚えてないほど酔っぱらっていた。
僕らは千鳥足で、ゲロと小便の匂いがキツい商店街を抜けて高円寺の駅前に向かった。井上さんが途中ゲロを吐き、酒に強い星崎さんが介抱していた。
「先輩、大丈夫ですか?本当にこのまま行けるんですか?京都の堂留市まで?」
「問題ないわ~。余裕やろ!ほな、いってくるで~。」
と、言い残し改札を抜けて乗り場へ向け歩いて行った。
しかし、それは俺の老婆心には終わらず、先輩はまるで人が変わった用になってしまい。
今日に至るのだった。
うーん。ドッスン