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おいしいアイディア

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考えたことなどをつらつらと。フードエッセイを読んだ感想も書きます。
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2022年7月の記事一覧

"韓国の深層に分け入る"緻密な食レポであり、感性的なフードエッセイを読む

 韓国料理を分かった気になっていた自分を反省した。韓国は5回も旅行した上に、新大久保にも入り浸っている私は全てを知り尽くした気でいた。表面をすくうだけのグルメ本にはない、"韓国の深層に分け入る"緻密で感性的なフードエッセイ。  これまで平野紗季子さんやスズキナオさんのフードエッセイを紹介したが、今回紹介する平松洋子さんはまた違うベクトルで食体験を描く。それは緻密な食レポであり、小説のような美しい表現をアクセントにした、彼女だけの読み味。どうやら30年以上韓国の味を探求してい

食への距離感は人それぞれ

 食欲は三大欲求の1つであり、世界がどう変わろうとも「食べる」という行為が変わることはない。とは言え全く変化がないわけではなく、生存欲求を満たす"動物的行為"に付随して、食を楽しむという"文化的行為"の側面が重要視されるようになった。これは時代の変化にも依るし、大人になるにつれて生まれる心理的な変化でもある。  何にせよ私たちに普遍的であることに変わりはなく、人間である限り関わらなければならない身近なものだからこそ、それぞれが持つ食へのスタンスが個性として見えてくるのだと思

イロドリチョコレートの食べ方 #Little MOTHERHOUSE

 Little MOTHERHOUSEが展開する「イロドリチョコレート」。スラウェシ島のカカオを使用したホワイトチョコをベースに、自然由来の素材で味と色を付ける。商品展開は12種類。それぞれが2種類の味で構成されていて、グラデーションで味が変化していくので12×2=24種類。2種類の交わる部分を含めれば24+12=36種類ものフレーバーを感じられる。  このチョコレートのテーマは「日本の四季」。四季と言っても4つ以上の感性を秘めているのが日本の魅力。その違いは、わざわざ立ち