マガジンのカバー画像

おいしいアイディア

18
考えたことなどをつらつらと。フードエッセイを読んだ感想も書きます。
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

コーヒーを美味しく感じた時

 高校生の時からコーヒーを美味しいと思ったことは一度もなかった。お金のない学生時代は高級なエナジードリンクを継続的に買う気にはなれず、消去法で手に取る"カフェインを摂取するための手段"としてコーヒーを選んでいた。私にとっては勉強中に覚醒するための薬だったので、その不味さが逆に良かった。良薬は口に苦しとはよく言ったもので、不味ければ不味いほど覚醒していた気がする。  はたまたス〇バのような"オシャレカフェ"にアレルギーを持っている私はなんとかフラペチーノなんて到底頼む気にはな

安納芋から紅はるかに原点回帰

 さつまいもは昔からあった。ただ、気付かぬ間に昔の味はゆっくりと変化していた。その変化は長い時間をかけて徐々に変化してきたが故に意識的に知覚されることもなく、自分の中にすっかり馴染んでいた。  今“さつまいも”と言えば「安納芋」が一世を風靡している感がある。蜜芋の中でも糖度が高い上にねっとりとした食感が合わさって、これでもかと蜜を主張する。これほどまで明確に、分かりやすい魅力をマーケットが無視するわけもなく、世間は安納芋で溢れている。  安納芋を使用していること自体が焼き

"食欲のしもべ"平野紗季子ワールド

 以前に一度だけ紹介したが、私は"フードエッセイスト"として活動する平野紗季子さんの著書「味な店」に影響されてnoteを始めた。彼女の文章はふわふわと感性的でありながら、時に核心を突いて読者を頷かせる。そんな印象を受けた。  先日、彼女の別の本を読んだ。「生まれた時からアルデンテ」という如何にもエッセイなタイトルだが、中身はエッセーをはるかに超えていた。仮に評論→エッセイ→ポエムの順に感性的で人を選ぶ文章になるとしたら、これは完全にフードポエム。相性が悪ければ胃もたれする表

日本が韓国をホワイトリストから除外し、韓国がGSOMIA破棄を宣言したその日まで釜山を旅した話②

 前回に引き続き、釜山での思い出を共有しようと思います。わざわざ旅行の大事な時間を使ってこんなことをするのか?と言われるような、誰もしないであろう経験ですので是非読んでみてください。 ↓↓↓韓国での食体験は下のリンクからどうぞ🍽↓↓↓  この旅行で私が設定したテーマは1つ。小さなノートに現地の人たちの生の声を集めること。メディアに煽られる国民同士の対立構造、でも実際のところどうなのか、自分の目を通して確かめてみようという試みでした。 韓日(日韓)関係がとても冷え込んでい

日本が韓国をホワイトリストから除外し、韓国がGSOMIA破棄を宣言したその日まで釜山を旅した話➀

 いつもと趣向を変えて、今日は釜山での思い出を共有しようと思います。わざわざ旅行の大事な時間を使ってこんなことをするのか?と言われるような、誰もしないであろう経験ですので是非読んでみてください。 ↓↓↓韓国での食体験は下のリンクからどうぞ🍽↓↓↓  2019年8月19日に日本が韓国をホワイトリストから除外し、それに対して8月23日に韓国がGSOMIAの破棄を宣言。それは日韓関係が最悪と言われていた時期に、まるで狙って行ったかのような5日間の旅行でした。  この旅行で私が