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Outer Wilds -Echoes of the Eye- 恐怖と向き合え

バリくそネタバレ有り。

もう一度新鮮な気持ちでOuter Wildsがプレイ出来るなんて、ありがとう!
彼等の宇宙船を発見する導入からもう最高でした。ガブロのドアップで懐かしい気持ちが一気に押し寄せてきた。
全体の大部分が探索ホラーアドベンチャーみたいになっててプレイ中だいぶ不安だったけど、ストーリーテリングはまたも秀逸で素晴らしいし、ギミックには唸らされたし、そして宇宙の眼からの呼び声を受け取った初登場の彼等には、目を背けてはならない物語がありました。

鹿族全体に纏わりつく後ろめたさ、暗く閉鎖的な空気、深い絶望感。
同時に部族同士の繋がりや文化、ルーツを尊ぶような描写が、どちらも相乗効果で鹿族の印象を強烈にしていて、開始早々に彼等に夢中になった。
彼等の幻想世界の異常なまでの暗さは、故郷に対する直視し難い後ろめたさの現れだったのかな。
故郷の資源を吸い尽くしてまで旅立ったあのリールは衝撃だったよなあ。悲し過ぎる。
彼等の存在は本当に生々しく、相対するのが怖かった。

リールの演出が大好きなんだけど、どんな演出も全て音楽あってのものという程、特に今回も音楽の力が凄かった!恐怖方面で。
リールの絵に不穏な影が見えた瞬間、BGMが一変。背筋が凍る、、なんて事が数えきれない程あったし、森の奥の音楽堂から聴こえてくる不気味な合奏には死ぬかと思った。
薄らぐらいBGMが流れる中、館の灯りを吹き消した瞬間の無音。
無音の使い方もあまりに強烈。
オプションの恐怖緩和をオンにしてみたところ、BGMがだいぶ変化しており、(逆に視覚的な変化はあんま見つけられんかった)いかに音楽が強いかワカル。
あとラストのトラベラーズのいくつかのアレンジも最高だし、片角くんの演奏も心の奥にぶっ刺ささるものがあって泣いた(本編EDもやりました)。
片角くんが牢屋で幻想の青土星を見上げながら、か細くも暖かく、どこか懐かしいあのメロディを一人奏でてたかと思うと、さらに涙が倍。
どう見てもチェロなんだけど、音がピョォロロロォ〜〜という意外すぎる線の細さに愛おしさが爆発してしまった。弾いてる時の顔も良い。
本当に音楽が強い。

彼等は完全に恐怖に呑まれてしまったけれど、彼等もまた同じ太陽系の隣人。恐怖も自然の摂理であり、宇宙の一部。次の宇宙へ繋ぐのに偏りがあってはよくない。たぶん、分からんけど。
宇宙の終焉に対して、ノマイやハーシアンのように興味を持つ者や受け入れる者もいれば、当然恐怖し拒む者もいる。自然な事。
鹿族は希望という階段を駆け上がり、落っこちた。高すぎて絶望の海の底まで沈んだ。
宇宙の終焉→誕生のサイクルを受け入れるのであれば、その過程で当然出てくるであろう、彼等のような恐怖に呑まれ沈んでいった者達に対しても、真正面から向き合わなければならないんじゃないかな。
ホラーパートは本当に辛かったけど最後までやれて良かった。
Echoes of the Eyeがなぜこれほどまでに恐怖を描いているのか自分なりに解釈できた。

片角くんとの邂逅、ビジョンを見せ合う対話。
ここ誰もが泣きすぎてボロ雑巾になるんじゃないか?
奇跡的に紡がれてきた歴史、音楽、Outer Wildsの宇宙、言葉にならないです。
本当にこのゲームに出会えて良かった。
いやあ怖過ぎて途中どうなる事かと思ったけど、最後まで遊んで良かった。最高でした。
ありがとうありがとう。

あとギミックやばかったよね。
特に幻想世界のルールを利用したギミックがヤバい。発想が恐ろし過ぎて俺には完全自力クリア無理でした。くやしい

以下 超雑記

ラストの三つの橋ギミック
真ん中は行けるとして、左のランタンを手放して渡る奴。あれゲーム側の分かりづらさに阻まれて自力クリア出来なかったのが悔やまれる。
ランタンの投影範囲から離れてみるっていう発想はあったんだけど、ランタンは専用の台座にしか置けないと思ってた。地面に置くのって、足のつま先見るくらい真下向かなきゃ「置く」って表示されないんだよね。何処にでも置ける事が分かっていれば絶対突破できた、、悔しい、、。

右の自殺してから渡る橋は、単純にそんなん考え付きもしませんでした。発想が恐ろし過ぎるよ。今思えば物凄くストレートなヒント与えられてるのにね。
これも俺の内面化された倫理観に阻まれたカタチだ。
マジですごいギミックだ。
色々試したんだよ?
逆に吊るされてる鐘を使ってなんかやるのかとか、ワンチャン封印されてるものが生者で、鐘の音を使って起こすのかなとか。
鐘にリトルスカウト連打してみたり。
色んな入口から幻想世界地下に入ってみたりとか、時間差で入ったりとか、地下を大きくぐるっと歩き回ったりとか、ガブロに助言を求めたりとか、、、、、

という事で今回のDLC、遺憾ながら左右の橋のギミックは4、5時間程粘った挙句動画で解答観ちゃいました。完敗だー。

あともう一つ自分的に難所だったのが、音楽堂の暖炉。
あそこ力技でどうにかしようとした人多かったみたいだ。(俺もです)
暖炉の正面の鹿族を脇から突破しようとしたり、部屋に入ってく鹿の背後にピッタリくっついて行ってみたり、部屋の隅っこにで待機したりと色々無茶やってたわ。
色々アイデア湧くんだけど、正解のやつと不正解のとでは、閃いた際の確信度が違うんだよね。
これは自力で突破出来ました。勝利!

片角くんは現実世界で牢に入れられた訳だけど、そこから更にわざわざ幻想世界へ引きずり込んで幽閉されてたのはなぜだろう?
永遠の罰を与える為?
牢に楽器や望遠鏡や青土星が見える窓があった事。あれは慈悲?それとも犯した罪を見つめさせて後悔させる二重の罰?
片角くんを封印した直後の彼等の表情が明らかに悪意のある顔してたんだけど、慈悲であって欲しい、、

ステルスパートは本当にしんどかった。
まず怖いってのが壁だし、あと条件がキツくて難易度が単純にめちゃ高い。
灯を灯さないで待機してる鹿とかズル過ぎるだろ。あとこちらを発見すると灯を消して近付いてくるとかね。
こちらは灯を消せば完全な闇。難し過ぎる。
あれは本当に二度とやりたくない。

本編EDの合奏のとこ、毎回演奏誰から入って次誰入れるかで迷ってしまう。毎回違う音になって素敵。片角くんも加わった事だし、じっくり最後の音楽を楽しもう。

直近に三体三部作を読み終えてたとこなので、DLCエリアに入った瞬間「三体IIIのあれジャーン!」ってなったよ!
本編ラスト。葉文潔の「宇宙の総質量は一定である」という公理と、宇宙再誕の仕組み(宇宙の総質量が何らかの技術によって一定以上損なわれていると、次の宇宙は誕生しない)に基けば、あれほどの暴挙を犯した鹿族達もやはり宇宙の一部だし、次の宇宙に必要な存在、、、だと思いたい。
俺が宇宙再誕の引き金を握っている限り、とにかく君らがいなけりゃ次の宇宙は生まれないんだ、、!という気合で彼等のことが大好き

思い付いた事を思い付いた順に書いてってるから雑記感がすごいんだけど、またなんか思い付いたら適当に追記

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