創造情報学専攻と院死

先日,複数の冬院試の結果が開示され,
東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 2020年2月冬入試
筑波大学大学院 システム情報工学研究群情報理工学位プログラム(令和2年)
に合格しました.去年の夏に同大学院創造情報学専攻に落ち,そこから2月までの勉強内容をgdgd話していきます.筑波大学大学院の情報もネットにほとんどないため,後日まとめます.

招かれざる院死

自分は昨年の8月に創造情報学専攻を受け,落ちました.創造情報学専攻は専門の問題を他の専攻の専門の問題と差し替えることができ,また,プログラミング試験を数学に差し替えることができます.私は,(失敗その1)創造情報学の専門をシステム情報学専攻の問題に替え,(失敗その2)プログラミング試験を数学に替えました.これが院死の始まりでした.なぜなら,私は"数学力が他の受験者と比べとても劣る"からです.しかし,まあできるだろうという慢心ものと受験し,失敗しました.素直に,数学よりは自信のあるプログラミング試験を選択すべきでした(実際は,創造情報学専攻の受験者はガチプロのプログラマーな印象があったので,数学に逃げたのでした).また,専門は創造情報学専攻のものを解かず,システム情報学専攻のものを解きました.しかし,対策が不十分であり,ほとんど解けませんでした.

心機一転

9/2に夏院試の不合格がわかり,すぐに冬院試の対策を始めました.1月中は卒論等で忙しくなることが予想されたため,10月~12月の間で知識を詰め込むことを目標に対策を始めました.しかし,9月中は国際会議準備・発表,11, 12月中は卒論等で時間が確保できず,まともに勉強できたのは10月のみでした.10月の後半にTOEFLを対策不十分で受験し,60点前半のスコアが出て,悲しくなりました.この時期は,自分の不甲斐なさと冬院試・卒論への焦りで,精神的にかなり追い詰められていました.寮の友人達に相談に乗ってもらったり,励ましてもらったり,飲みに連れてってもらったりして,精神を落ち着かせていました.11, 12月の隙間時間で以下の書籍群をやりました.

アルゴリズム関連

上の本は創造情報学専攻の先生が書かれている本で,受験に必要な知識が端的にまとまっています.乗っている知識を短時間で疑似コードに書き起こせるようになるまで読むと良いです.下の本は上の本で出てきたアルゴリズムの演習問題等を解くために用いました.計算量等の計算が数学的に詳しく書いてあるのでとてもおすすめです.

コンピュータアーキテクチャ

始めの本は創造情報学専攻と電子情報学専攻を兼任なさっている坂井先生の本です.とても短時間で網羅的に学べるのでオススメです.下の二冊は一通り読んだあと,演習問題を全て解きました.下の二冊の演習問題は非常に実践的で,創造情報学専攻の問題と類似していると個人的に思っています(実際に,下に掲載されている第5章の演習問題にとてもよく似た問題が今年の冬院試で出題されました).

論理回路

こちらも坂井先生がお書きになった本を用いました.演習問題が充実しています.

オペレーティングシステム

オペレーティングシステムは正直,出題頻度が上記の3つに比べ,少ないです(というか出されているのをみたことがないです).下の書籍を一通り読みました.

コンピュータグラフィックス

こちらもたまに出ます(ちょっと前までは選択で必ず出てた?).座標変換等の計算に慣れるまでやるといいと思います.

その他

情報理論,ロボティクス,離散数学,機械学習等はネットで検索して良さそうな記事を探し読みました.また,コンピュータ科学専攻,電子情報学専攻,創造情報学専攻の過去問をHPに乗っている分だけ全て解きました.電子情報学専攻の問題は,(特にアルゴリズムなど)知識を知っていればすぐに解ける問題が多い印象でしたので,知識を参考書等でつけた後はまず電子情報学専攻の過去問を解いた方が良いと思います.次に,創造情報学専攻の問題を解き,最後にコンピュータ科学専攻のものを解くようにすると良いです.これらの過去問は1月中に卒論の合間を縫って解き切りました.

試験

夏院試は対策不足で前日に全く寝れず,眠く十分な思考ができない最悪の状態でした.そのため,冬入試では,2週間ほど前から朝方に生活を戻し,前日も8時間睡眠をしっかり取りました.受験者は,40 ~ 50人だったと思います.語句問題は,30語程度しか覚えてなかったのですが,今回出た語句問題は,全て説明できるものが出題され幸運でした.面接は,2 ~ 3分程度で終わり,大学院でやりたいこと・卒論でやっていることしか聞かれませんでした.合格発表は,2週間後だったので,その間,何も手につかず自堕落な生活が続きました.2年ほど前は,web発表はなかったらしいのですが,今回はweb発表と掲示板掲載の両方がありました.TOEFLを60点前半で提出したのですが,受かったので,専門が良かったのでしょうか.

2020年2月冬入試問題再現

あとで載せます

点数開示

あとで載せます

感想

創造情報学専攻は対策すべき範囲が非常に膨大であり,運試しでしかありません.しかし,出される問題はそこまで深い知識を要求されるものではなく,時間をかけ考えれば必ず解ける問題が多いです.そのため,専門知識を参考書等で増やすことよりも,演習量を増やす方に注力した方が効果的だと思います.あと,余裕があるのならば,他の大学院も併願で受験することを強くオススメします.運要素が強く,高倍率の冬院試を単願で受験すると,精神的にとても辛いと思います(しかも卒論もある).筑波大学大学院は,東大情報理工と問題が割と被っているのでとてもオススメです.

参考にしたブログ

以下のブログに冬院試の全てが載っています.本ブログの書き方も以下のブログを参考にしています.