量子コンピューターの仕組み・その３
こんばんは、自称AIアートトレーナーのプリンです。飽くまで自称です。
量子コンピューターについての記事を、その１，その２と書きましたが、どうもわかりづらくて、評判がよくないようです。
そこで最後の最後に もう一回だけ、今回は私の言葉だけを使い、量子コンピューターについて、説明することにしました。
わたしのかんがえる、量子こんぴゅーたーのれきし：
①元々は、量子コンピューターなんてなかった時代に、「遺伝的アルゴリズム」という、「組み合わせ最適化問題」をうまく解くためのアルゴリズムが考え出された。（１９７５年）
②ちょうど１９７５年というと、ビル・ゲイツ氏がマイクロソフトを設立した年で、もう「パーソナルコンピューター」というのが、販売されていた。しかし、あまり性能はよくなかったので、「遺伝的アルゴリズム」を使っても、「組み合わせ最適化問題」の中でも超簡単なものしか解けなかった。
③「パーソナルコンピューター」の性能が、少しずつ上がってくると、「遺伝的アルゴリズム」で、ちょっぴり高度な「組み合わせ最適化問題」が、解けるようになっていった。それによって、「遺伝的アルゴリズム」の有用性も、より広く認識されることになった。またスーパーコンピューターも開発され、さらに高度な組み合わせ最適化問題を解くことが、可能となっていった。
④１９８０年代に入ると、「量子コンピューター」という技術が、話題となり始める。そこで「量子」を使ったコンピューターのための技術として、「量子ゲート方式」というのと、「量子アニーリング方式」というのが、研究され始める。このうちの「量子アニーリング方式」が、それまで「パーソナルコンピューター」とかスーパーコンピューターで実行していた「遺伝的アルゴリズム」を、それを解く専用のマシン、「量子アニーリングマシン」というので実行することで、超高速に解くことが出来るという着想だった。ただし、量子の振る舞いが、まだ現実に観測されていないため、それは机上の空論だった。
⑤２０００年代に入り、量子力学的な動きが、実際に観測され、物理学会やＩＴ業界に激震が走った。それまでは机上の空論だった、「量子アニーリングマシン」のアイデアが、脚光を浴び始め、Googleなどの企業が研究し始めた。そして登場したのが、カナダのD-Wave Systemsという会社が販売した、世界で初めての商用量子アニーリングマシンであった。ただ、まだ実用には遠く、量子論の「研究用マシン」という位置づけであった。
⑥その後GoogleやIBM、日本ではNECなどが、量子の振る舞いを観測したり、「量子アニーリングマシン」を開発したりしたけれど、「実用」と言えるような所までは、まだ来ていない。先日理科研で導入した量子アニーリングマシンも、まだまだ実用には遠く、「海外に遅れてはならない」という危機感から、大金を湯水のように使って開発しているに過ぎない（たぶん。
いやあ、やっぱり難しいですねえ💦
私としては、「量子コンピューターは、魔法でもなんでもない。無限の可能性を持っているわけでもなんでもない。解ける問題は、遺伝的アルゴリズムで解ける、組み合わせ最適化問題に限られていて、それだけで世界の歴史、地球の歴史が劇的に変わることは、あり得ない。スパコンで１万年かかる問題を、量子コンピューターなら３秒で解ける、というのは、組み合わせ最適化問題に限定して言えば、事実だけれど、６４量子ビットが必要な組み合わせ最適化問題を、量子コンピューターで解けるようなモデル（イジングモデル）で構成するのがまず至難の業。そんなものを、リアルタイムで解決可能という触れ込みが、眉唾に思えるし、また、量子コンピューターを使えば複雑なパスワードも一瞬で解けるという歌い文句は、まったく科学的・物理的な根拠のない、詐欺的デマであるとしか、私には思えません」
ということを、みなさんに知ってもらえるとうれしいのですけれど、うーん、一体何人が、それを理解できるのだろうか💦
ということで、ひとまず量子コンピューターについて説明してみる企画は、これでいったん終了とします。期待して読んでくださってた皆さん、わかりやすくご説明できなくて、すみませんでした。
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