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長編文学小説・MとRの物語

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Mというのは、あの、三島由紀夫さんのことです。三島由紀夫さんが現代によみがえり、女子高生とともに小説を書いていく、というお話です。ファンタジーっぽいですが、純文学です。
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【まとめ】長編文学小説「MとRの物語」

前書き  タイトルの「M」というのは、あの、三島由紀夫さんのことです。三島由紀夫さんが現代によみがえり、女子高生とともに小説を書いていく、というお話です。ファンタジーっぽいですが、純文学です。  三島さんが死の直前に書き上げた、「豊穣の海」全4巻の大長編小説は、実は全5巻となる予定だった、またエンディングは実際に発表されたものとは違う予定だったという、わりと信ぴょう性の高い噂があります。本小説は、作者である私(超プリン体)が三島由紀夫さんになりきり、三島さんを現代によみがえ

73「MとRの物語(Aルート)」第五章 5節 花瓶と花

「MとR日記」で書いておいた、「ハピトロピー」「ハピトロピーその2」 のようなものの片鱗を、語っておきました。 「聡子(らしき者)」の言動に矛盾があることに気づきました。 解決するいい方法がないか。なければ第四章最終節の、 書き換えが必要。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第五章 5節 花瓶と花  次の日、暗い表情のRを心配しながらも、母は先にマンションを出て駅に向かった。Rは、スクランブルエッグをのせたトーストを、無表情に咀嚼していた。腕組みをして窓の

74「MとRの物語(Aルート)」第五章 6節 冬の記念文集

残念ながら私自身は、文芸部に所属したことはないけど、 所属できてたらよかったなー、うえーい、とか空想しながら執筆。 今回は「マイルストーン(?)」的な役割のシーンなので、 少し短めです。 (目次はこちら) 学校での授業は相変わらず退屈だったけれど、Rはあくびを我慢して、理解しようとがんばった。一時限目が終わった所で、文芸部のメガネっ子がRの机の上に、一冊の本を置いた。白地に金で、「冬の記念文集」と書かれていた。 「え、これって……」 「Rさんの作品も掲載させてもらった