🌈☮️💚🍉🎹😇ガイ・カワサキ、シグ・ムラオ、知野弘文禅師 への覚書き】

この3人の日系アメリカ人の名前は僕にある新鮮かつスペシャルな影響を与えてくれた。いや、それ以上に若い日本人に彼らの存在を知って欲しいと思う。なぜなら彼らの存在は、アメリカのカウンターカルチャー、いや、50年代から80年代以降へ続く世界のデジタル革命、インターネットカルチャー全体に一見目立たないがデイープな意味を刻んできた人達と思えるからだ。
まずは、ガイ・カワサキさん、
『失敗しなくちゃ、成功しないわよ。』かつてココ・シャネルは言った。そう偉大な成功・イノベーションの陰には多くの失敗が隠れている。アップルのテクノロジー・エバンジェリストだった彼は、ステイーブ・ジョブスの失脚前とアップル復活後2回にわたってジョブスの元で働いたレアなスタッフだった。かなり気に入られていたんだろう。彼のスピーチは正にエクセレントかつジョークがすばらしい。例えば、『ジョブスから教わった12のレッスン』というTed Talkにおいて、ボビー・マクファーリンのポップソング『ドント・ウオリー・ビー・ハッピー/ ハッピーになれよ、心配するなよ』を彼はもじって、
『ドント・ウオリー・ビー・クラッピー/ 心配するなよ(プロトタイプが)クソみたいに見えたとしても』と言っているのである。これは、新しいテクノロジーが世界に現れた時、それが必ずしも過去からの延長上にないので、グロテスクやクソみたいに見えて最初は理解されなかったりする。しかし、そこに、非連続な偉大なビジョンがあれば後に世界を変えたりする。数あるアップルのイノベーションプロダクトもその通りの道筋をたどってきたのだった。実際、マッキントッシュも最初全く売れなかった。彼のスピーチを聞くとジョブスのビジョンがいかに優れているかが真に理解されるだろう。サイモン・シネックが指摘するように、真に破壊的なイノヴェーションを起こした起業家達は、イーロン・マスク然りリチャード・ブランソン然りステイーブ・ジョブズ然り、『I Love His Vision❗️/彼のビジョンが好きだ❗️』と多くの人に言われるものを持っていた。

シグ・ムラオさんは、世界の無数にあるブックショップのなかで唯一であろう世界遺産に認定されているサンフランシスコのシテイライツブックス&出版社の全盛期のマネージャーだった。アメリカのカウンターカルチャーやエコロジー運動の源流ともいえるビートジェネレーションの重臣的詩人でアレン・ギンズバーグを出版した編集者ローレンス・ファリンゲッテイが設立したのだった。一度、ノースビーチのトリエステカフェで一時間程話したことがあった。彼こそシテイライツ書店の本質を語ることのできるチーフマネージャーだった。80年代以降はシスコの街も観光地化が進み、僕が留学していた83年頃でさえ、シテイライツの前に観光バスが止まるようになっていたのだった。ジョブズは1995年のロングインタビューでなぜシスコ・バークレー・シリコンバレーのベイエリアで数多くの発明が成されたか？の質問に対して、サンフランシスコ地域は歴史的に数々の新しいムーブメントの中心地であったと語った。その筆頭に彼が生まれたシスコの町でまず50年代に始まった【Beatnik/ビートニク】のムーブメントが60年代のヒッピー&カウンターカルチャー・ムーブメントを先導したと語った。そして80年代から21世紀へと続くデジタル革命はその流れを明らかに継いでいる。元々すべてはビッグブラザーの管理からの個人の意識の拡大と自由解放を目指したムーブメントが始まりだったのだ。しかし、GAFA以降もデジタル革命における管理システムと個人のクリエイティブな自由解放との戦いは続いていると言えるだろう。

知野弘文禅師は、いわば、日本の永平寺で禅修行したエリート僧だった。が、アメリカへ禅を広めるためにカリフォルニア州にやってきてからは、知る人ぞ知る、ステイーブ・ジョブスのメンターとなった人であった。残念ながら、日本では彼の名前はそれほど知られていない。しかし、彼の存在はアメリカの歴史に大きく寄与してるだろう。なぜなら、もし彼がいなかったら、アップルという企業自体が存在しなかった❓かもしれないからだ。ジョブスは日本の永平寺で禅を学ぶことを熱望していた。知野弘文禅師は起業する前に日本へ旅立とうとするジョブスに『日本へ行かなくても、事業をしながらでもアメリカ国内で禅の修行は立派にできる』と彼を諭したからだ。彼がいなかったら、iMacもiPodもiPhoneもiPadも我々世界中の人々の日常生活に存在しなかったかもしれない。だから僕はステイーブ・ジョブスにiPhoneを創ってくれてありがとう。と心のなかでいう時には、1人の日本人として知野弘文禅師にも同様にありがとうと言っておきたいと思う。そして僕にとってアップルの数々のイノベイテイブなプロダクトは、
MacintoshもiMacもiPodもiPhoneもiPadも全て
Macintosh禅
iMac禅
iPod禅
iPhone禅
iPad禅
といえるのだった。