祓士-HARAISHI- 指南の章

【登場人物】

・石動仁明(いするぎ・じんめい)
現役最強の祓士

・笹川 尊(ささかわ・みこと)
祓士見習い

・口裂け女

・鈴鳴(すずめ)

【本編】

様々な人々が暮らす“表”の世界
しかし、表があるところに裏はある。
闇が潜む“裏”がある。

その裏に潜み、人を喰らう妖(あやかし)

この物語は古来より妖から人々を守りし存在“祓士”たちの物語である。

繁華街の路地裏
顔にマスクをつけた長い黒髪の女
手には血が滴る鋏を持っている

口裂女「私きれい?」

口裂女の口角が上がる

仁明「人を食うような女はきれいだとは思えないな」

絶叫しながら手に持った鋏で襲い掛かる口裂女。
仁明はそれを危なげなくいなす。

仁明「まずは、簡単なチュートリアルだ。よく聞いておけ」
尊 「はい!」
仁明「俺たちが使う武器は、この札だ」

仁明は口裂女の足に札を貼る。


仁明「奴ら妖には大体3~5カ所、妖気が溜まっている弱点がある。
それらに札を貼り印を結ぶ」
尊 「仁明さん、後ろ!!」

後ろから襲い掛かる口裂女
それもいなし、もう片方の足に札を貼る仁明

仁明「それから、妖によって弱点の位置は違う。
こうして奴らの体に触れることで妖気の流れを感じ取り、弱点を探る必要がある」

口裂け女を見ている尊。

仁明「説明聞いてたか?」
尊 「は、はい!」
仁明「まあいい。さて、そろそろ終わらせるか」

.札を持ち口裂女に近づく仁明。
口裂女の攻撃を捌きながら額に札を貼る。
3枚の札から光の線が走り、繋がって三角形を描く。
苦しむ口裂女。

仁明「今日のレッスンの締めくくりだ。
奴らの体に結んだ印の中心に破妖符をたたき込む」

仁明は、これまでの札と違う札を三角形の中心に貼り抜ける。

仁明「これで、討滅することができる」

口裂女は消滅する。
仁明は内ポケットから手紙を出し、尊に渡す

仁明「明日から、こいつの下で学ぶように」
尊 「え?仁明さんが教えてくれるんじゃないんですか?」
仁明「お前みたいなぺーぺーが、最高術士の俺に習うなんてある訳がないだろ。そいつは型破りだが、いい術士だ。しっかり学んで来い」


2人を見下ろす位置で鈴を鳴らす手。
仁明は見上げるも誰もいない。

夜空に響く鈴の音。


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