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絵本を学ぶ

雨上がりの散歩道、きれいなピンク色の小花がスッと目に入ってきました。
 "ネジバナ"
ネジバナの花言葉は「思慕」だれかを愛おしく思うという意味。
愛おしく思う人に絵本を読みたいなぁと思います。

絵本の絵と言葉の関係を考える
絵本探究講座②

4月に私の学びがスタート、絵本探究。
オンライン絵本会代表 東洋大学准教授竹内美紀先先生ことミッキーの絵本ゼミ。
第1回ゼミの課題は「絵と言葉の関係を考える絵本」を選ぶことだった。
今回の課題に取り組み、絵本の分類を意識することであらためて絵本の絵をじっくりと見て、文章と絵を合わせることで読みが深まることを実感できた。
 
絵と言葉の関係をおさらい。

絵本とは“ことば”と“絵”の織りなす力関係によって成り立つ芸術形式である。
ことばと絵の相互作用に注目し4つに分類。

1“ことば”と“絵” 同じ物語をそれぞれに語る。(対照・重複)
2“ことば”と“絵”お互いの空白部分を埋め合う。(補完的)
3“絵による物語”が“ことばによる物語”を強調、詳しく述べている。(増強)
4“ことばによる物語”と“絵による物語”が異なったり矛盾する。(対立的)
 『絵本の力学』 ニコラエヴァ・スコット 

 
課題で選んだ絵本をグループで共有、いろいろな絵本があがってきた。
 
1絵とことばが同じことを語っているのは、古典的な文学、昔話や赤ちゃん絵本が多いのではないか。
『きょうはみんなでクマがりだ』『いない いない ばあ』『くっついた』『かさじぞう』

2言葉と絵がお互いに補っている絵本
『きょうはなんのひ?』『おへそのあな』

3増強する絵本
『いたずらこねこ』『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』『もこもこもこ』
写真絵本『さくららら』『アリからみると』

4対立的な絵本
『ハンダのびっくりプレゼント』『えものはどこだ』『海は広いね、おじいちゃん』
 
ミッキー先生の「ポイントビューはとても大事!この視点を見ながら絵本を読んでいくと文と絵の違いがよく分かってくる」というアドバイスがとても参考になった。

・誰の視点で語っているのか?
・誰の視点で見るか?見ているのか?

 
ポイントビュー
視点
を見ながら読み返してみた。

『いたずらこねこ』
B・クック/文 R・シャーリップ/絵 まさきよりこ/訳
福音館書店
『アリからみると』
桑原隆一/文 栗林慧/写真
福音館書店
『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』
柏原佳世子/作
えほんの杜

『いたずらねこ』
ナレーターの視点で語っている。
小さな池にすんでいるちいさなかめと隣のうちのこねこの様子を語る。横長の絵本で左ページ端に小さな池、右ページ端に垣根、一定の場面の中でちいさなかめとこねこが近づいたり離れたりする絵。ちいさなかめとこねこの愛嬌ある絵にキャラクターの特徴を感じる。ナレーターの語りでストーリーが生まれ時間の経過を感じる。
 
『アリからみると』
タイトル通り、アリからの視点。
アリから見えるものは何もかも巨大で、写真の迫力がアリのことばに、よりリアル感を持たせている。
 
【次の絵本は、グループで課題の共有時に分類が分かれた。視点を意識して読んでみることで気付きがあった】
 
『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』
けらいの視点で読む。
おおさまが帰ってくるまでの100秒で片づけをする家来たち。片付けが始まると、ことばは無く絵と数字でお話が進む。絵で家来たちの表情や慌てて片付けている様子がわかる。
この絵本の分類を私は4としてしまったが、時間を刻む音、数字の視点で見ていたと思い、ストーリー全体の流れと家来からの視点で読むと、絵がことばを増強している3に分類されるのかなと思った。
 
絵本の分類は一概に決まったものではないが、絵本探求する一つの手段として大いに役立つ。
2補完的と3増強を分類することに悩んだり、4対立的な絵本は、他の分類よりもなかなか思い浮かべられなかったのは今回の課題に取り組んで分かったことだ。
 
ミッキー先生の「文字のない絵本など分類に悩んだら、絵本の背景、作者の生い立ちや環境、時代背景を調べてみる
  このことも、頭においておこう!

絵本の読者とは?
絵本は誰のためのものか?

この問いかけに、大人が子どもに絵本を読んでいる場面、子どもを思い浮かべた。
絵本を開く時間が赤ちゃんとお母さんお父さん、親しい人との大事な時間を作ってくれる。子どもに絵本を読んでいる大人も、絵本から力をもらえることがある。
絵本を読んでお話を楽しむだけでなく、その絵本と共に生まれるあたたかな時間、思い出、そして何度でも出会え、気づきや感動がある、そんなことを含めて絵本の読者を考えると、どの年齢、どの人にも、絵本はすべての人のためのものでありどの人も絵本の読者であるといえるのではないかと思う。

ミッキー先生のゼミで今までとは違う視点で考えることができて、楽しい学びになっている。
 
今回の講座で絵本の専門用語、技法について触れた。技法は知らない単語が多いが興味深い。
次回の課題は「技法が特徴となる(現代)絵本」を探すこと。
技法に注目して選書する、どんな絵本を選んでいこうか?
ミッキー先生のお話とテキストを参考に選んでみたい。

ジェーン・ドゥーナン/著
正置友子 灰島かり 川端有子/訳
玉川大学出版部

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