臨床検査技師国家試験でも出るかもしれない⁉︎国家試験過去問ピックアップ【第2回・看護師国家試験106回午前63】
今日2月22日は猫の日。猫が終宿主となる寄生虫はトキソプラズマですね。今日は、トキソプラズマ感染症が出題された第106回看護師国家試験(2017年実施)の問題を見ていきます。
看護師では母性看護学の分野での出題になっています。臨床検査技師ではここまで問われることはそれほど多くないですが、各選択肢を見ていきましょう。
1:免疫をもたない妊婦が風疹になると、胎児は先天性白内障、心疾患、難聴などを伴う先天性風疹症候群を発症する可能性がある。正しい。
2:性器ヘルペス感染症の症状は、髄膜炎や脳炎。聴力障害はないので誤り。
3:垂直(母子)感染による先天性トキソプラズマ症では、網脈絡膜炎、水頭症、脳内石灰化像、精神・運動障害が4大徴候といわれている。誤り。
4:性器クラミジア感染症の病原体はChlamydia trachomatisである。母子感染では新生児結膜炎や肺炎をきたす。誤り。
したがって正解は1となります。なお臨床検査技師では61回午前8で「妊婦が感染すると子宮内の胎児に重篤な障害を与える寄生虫症」としてトキソプラズマを選択させる問題が出題されています。また、冒頭に挙げた「ネコが終宿主」も64回午後7・66回午後5で問われています。
トキソプラズマについては、上記以外にも臨床検査技師国家試験では以下のようなことが問われています。
・Sabin-Feldmanの色素試験で診断できる(56回午後9)
・細胞内に寄生する(57回午後9)
・妊娠中の初感染で経胎盤垂直感染を起こす(60回午前8・66回午後5)
・検査材料は主に脳脊髄液(61回午後9)
・輸血で感染しうる(62回午前6)
・大部分は不顕性感染(66回午後5)
・初感染ではIgM抗体が高くなる(66回午後5)
・ギムザ染色でよく染まる(70回午後2)
このように様々な視点からトキソプラズマについて問われているので、理解しておきましょう。
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