臨床検査技師国家試験でも出るかもしれない⁉︎国家試験過去問ピックアップ【第4回・医師国家試験117回E17】

来年度受験される方はあと1年というところ。基礎知識を徐々に身につけているでしょうか?今回は第70回臨床検査技師国家試験でも出題があった、血液検査と抗凝固剤に関する出題です。

プロトロンビン時間の測定を行う血液検体に最も適した抗凝固剤はどれか。

a EDTA
b ヘパリン
c ワルファリン
d フッ化ナトリウム
e クエン酸ナトリウム

第117回医師国家試験 E問題 問17

必修問題ではありますが、この国家試験での正解率は意外にも87.2%(QB調べ)。血液検査の基本ですのでしっかり覚えておくべき問題です。

正解はeですが、これには決まりがあります。プロトロンビン検査のように凝固・線溶検査では血液9容に対して1容、赤血球沈降速度検査では血液4容に対して1容となります。この割合を守らないと正確に検査が行えないため注意しましょう。
また、EDTAはよく使われますが偽高値・偽低値を示す項目があることに注意しましょう。フッ化ナトリウムは血糖測定の解糖阻止剤としてEDTAに加えられ、フッ素がエノラーゼの活性を阻止する働きがあります。ヘパリンはそれ自身に抗凝固作用はありませんが、染色体検査や血液ガス検査などで用いられます。
なおワルファリンは抗凝固剤ではなく血栓症の治療薬で、ビタミンK依存性凝固因子(これも国家試験に出ます)の生成を抑制します。

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