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「今日の宿題」 7日目

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革靴は値段が高いほど踏まれる側は痛い。
スパイクのついた靴を履いていたのは主婦のサッカー・チームの人たち。
一番痛いのはファッションモデルのハイヒールの踵。
昼間はやさしくしてくれる人たちがなぜ、夢の中であなたの顔を踏みしだいていくのでしょうか。

多和田葉子〈作家〉

踏まれる夢って見たことがないな。実際踏みしだかれたことがないからかも。どうしてこういう宿題が出されたのだろうかと思って調べると、多和田さんは若くしてドイツに渡り、日本語との間にある溝の中に身を置いていたいと考えていたことを知った。実際に自分で足を運んだということで、靴というものが象徴的になっている方なのだろうか。
イメージの話をまずすると、顔を踏みしだくっていうのが何かこうアイコン的というか意味を持っていそうな感じがしますね。顔に泥を塗る、に近いというか。踏むのは革靴、スパイク、ハイヒールと踏まれると痛いものばかり。付け加えると役割を持った靴たちという印象も受ける。
私の顔を踏みしだくことが、昼間の優しさの延長線上にあるのかもしれない。役割を持つ者たちが私に渡す優しさの中には、夢の中で私の顔を踏みしだくというものがあるのかもしれない。夢の中で顔を踏みしだくことが優しさでないなんて誰が言った?というか昼間は優しい人たちが夢の中では私の顔を踏みしだくの、別にそんな悪い気しないかもな…。
結局意識の話になってしまって宿題にはうまく答えられなかった。優しい人たちが夢の中で私を踏むことでしか優しくいられないなら、私は平和のために、喜んで夢の中で顔を差し出す心づもりでいますよ。あなたは優しいままだし、私はあなたがそのくらい優しくありたいんだと知っていられますからね。


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