見出し画像

絵になる美しい街並みを創造する為の粉本/下津井(しもつい)/岡山県倉敷市下津井/廻船問屋等の伝統的建築が連なる街並み

 

 下津井は倉敷市の南端に位置する港町。地名の由来は江戸時代末期から吉備児島の「下の津」、つまり児島の「最も下に位置する港」と言う意味で、呼ばれるようになったらしい。今は瀬戸大橋の北側のたもと、瀬戸中央自動車道児島ICの南側の港、JR瀬戸大橋線児島駅の南側の港と言った方が位置との関係で分かり安い。

 この下津井は地理上、瀬戸内の好立地にある天然の良港、風待ち・潮待ち港であったことから、奈良時代から海運の重要拠点として繁栄、その最盛期は1606年(慶長11年)に池田長政が下津井城を再建、城下町とした後の江戸時代。 それを支えたのは北前舟の寄港地として、また周辺で栽培・生産された綿や塩のための商港として、あるいは備前国有数の漁港として。更には讃岐国金刀比羅宮を結ぶ金比羅往来のための渡海港としての役割で、これらにより街は賑わい、街路沿いに立派な廻船問屋や遊郭を営む町家なども建ち並ぶ街並みが形成された。その面影や繁栄ぶりは、今でも垣間見られ、これらの街並は岡山県の町並み保存地区に指定されている。町家を装う彩りは屋根に葺かれた本瓦、外壁の白漆喰壁やナマコ壁、虫籠窓、出格子、卯建など。見所としては鶴井戸や亀井戸などの共同井戸群も見落とせないが、何と言っても旧西荻野家の「むかし下津井回船問屋」や荻野屋の蒐集品を展示している東荻野家の「荻野美術館」、ニシン粕を収納したニシン蔵群などを中心にした街並み景観。周囲の景観をより整えれみば、魅力的になる事、請け合いだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?