第一級陸上特殊無線技士 独学 学習期間2ヶ月で一発合格可能です

第一級特殊無線技士 受験を考えている皆様へ。独学、学習期間2ヶ月で一発合格は可能です。
令和5年2月度試験にて、無事合格致しましたので、共有までに自分の学習方法と経過、その他細かいことについて書きたいと思います。第一級特殊無線技士を志す皆様が、良い結果を手に出来ますように。


独学合格すっごい厳しい

学習を始めた頃の自分の率直な感想です。本当にいけるんか?これ。

学習にあたっての心構え

第一級陸上特殊無線技士の試験では、工学の科目で計算問題を解かねばなりません。とっても嫌ですが必要です。
すこし細かく説明すると、令和5年2月午前の場合
知識問題:18問
計算問題:6問
うち工学の新問が知識問題で2問((多分
つまり新問でない知識問題だけで勝負した場合、全16問です。ここで合格ラインを見ておきましょう。


合格ライン

  • 無線工学 全24問 120点満点 15問正解 75点で合格

  • 法規 全12問 60点満点 8問正解 40点で合格


つまり、計算問題と新問を捨てた場合80点満点となります。
落とせる問題は1問です。
ケアレスミス、マークミスなどを考慮に入れると、計算問題の対策を行い点数を稼いでおく必要性についてはご理解いただけるかな、と思います。
合否を分けるのが計算問題と言って過言ではないかと。学習初期から本腰を入れて計算問題に取り組む必要はないと思いますが、試験までに計算問題に取り組まねばならないことは意識しておいた方が良いと思います。
第一級陸上特殊無線技士試験合格率は20~30%程度です。暗記問題だけの学習では取得できませんよ という数字だと理解しています。


学習にあてた日数
12月17日に申し込み、試験日が2月5日でしたので合計49日間学習が可能だった計算になります。(明確にサボったのは2、3日の記憶です)


学習の流れ

  • とりあえず一回過去問をやる

  • とりあえず該当の問題をネット検索し、解説を読んでみる

  • とりあえず参考書の該当項目を読んでみる

大変極端に申し上げれば、これを繰り返すだけで一陸特は取れます。
過去問の流用が大変多い試験であるからです。
自分の場合は以下の回数を実施しました。
無線工学 84回
法規 40回
大事なのは、必ず毎回解説を読むことだと思います。


知識のベースの有無に依存する部分がある
と思われる方もいるかもしれません。
自分の場合、
・文系卒
・大学受験以降まともに勉強をしたことがない。
・小数点のある計算の掛け算ができない。
 ※第一級陸上特殊無線技士の試験に電卓は持ち込めません。
というレベルから学習をスタートしました。我ながら絶望的。学習を始めた時点では1度記念受験して次の試験で合格を目指すペースでいいや、と考えていました。
以下に初見の工学過去問に取り組んだ際の点数推移を記したグラフを提示します。

1回目の過去問題は10点からのスタートでした。


まず無理です

10点から75点にベースアップ??無理無理!!

学習開始〜3週間

基本的にこの期間はまず合格点に達するなんて無理!次回受験に向けて知識をつけようね〜毎日勉強してえらいね〜さっき読んだところ合っててえらいね〜
という自分甘やかしマインドで学習にのぞみました
あらゆる資格試験に共通することだと思いますが、挫折して学習を辞めることこそが不合格を確実なものとします。挫折を避けるよう自己マインドコントロールを心がけました。
最初は工学のみ学習、1日に1回だけでも過去問をやる。解らなかった問題の解説に目を通す。
これだけでいいです。もし、「知っていれば解けそうだ」と思った問題はわかるまで解説を読む。無理そうなら辞める。
一問一問、目を通して「知らない、けど知ってたら正解できそうな問題」の解説を読みます。(自分は読んだだけでは頭に入らない為ノートに書き写しをしていました)
ひどい時は過去問1回に3時間くらいかけていたように思います。そしていけそうな日は2回分、3回分これをやります。


学習3週間目〜4週間目

この辺りから法規に手をつけ始めました。
工学は大変恐ろしいことに、目標点が見えてきます。
ここからが辛かった。(過去の得点より多く取れた喜びもありますが、過去の得点より多く取らなければならない。合格ラインが見えているなら合格ラインに届かなければならない。という自分へのプレッシャーとの闘いでした。)
解らなかった問題の解説に目を通す。この時間が減ってきます。一度見たことがある問題だからです。
理解できていてミスした問題はもう一度読めばいいです。しかし、1回目で理解できなかった問題が存在します。
諦めず、わかるまで読む、調べるの作業をします。独学ですから先生はいません。理解する為には自分で調べるしかありません。問題文の読み直し、参考書読み込み、ネット検索。
時間がかかりますが、わかるまでやります。これでも、努力と読み込みの結果わからないなら一旦諦めます。
1回の過去問に取り組む時間が減ってきますので、1日に取り組む問題をコンスタントに3回分実施。心が折れていない日は4回分実施。

学習5週間〜試験日まで

更に恐ろしいことに、本腰を据えて計算問題に取り組まねばなりません。知識問題は溢れたものを拾う程度になってきているからです。この時点で安定80点程度。「いけそうな計算問題は拾っておく」作業に入ります。
log計算や回路計算、オームの法則、ブリッジ回路、帰還率の計算、その他「公式覚えてればできそうじゃない?」という問題については2週間目くらいから触るぐらいはしておいた方がいいと思います。当然解けませんが。何故ならルートを外す、小数点のある掛け算をする、分数の計算をする、log計算に慣れる。これらの訓練になるからです。四則演算でミスしている自分が嫌になります。でもやります。

自分の場合は、「解けそうな計算問題集」を作成し心に余裕がある時にといてみていました。都度疲弊するので何周もやったかと言われるとそうでもないです。
ただ、オームの法則さえ分かっていればできる問題や公式を覚えていればできる問題が多数存在します。これらを計算問題であるというだけで全てskipして見逃してしまうのはもったいないです。今これをできるようになれば5点追加できるかもしれない問題。試験当日や結果発表後に後悔しない為の努力として、やる価値はあった と思っています。


最終的に二周目以降も含めた最高点は115点でした。
学習範囲ですが、過去8年分の過去問に一度は取り組みました。集中的に学習したのは過去2〜3年前のゾーン。ここから多く出題される旨を聞いたことがある為です。

実際の試験の得点

自己採点で
工学:90点
法規:50点

法規は4問しか落とせませんので、手を抜くと簡単に落ちてしまうのも結構危ないなという感覚です。


すこし時間を戻して、、養成課程について

6万(うろ覚え)払ったら資格を取れますよ。これが養成課程です。
先述した通り、工学の計算問題に大変不安があり、合格率の低さにもビビり散らかしておりました為養成課程を受けることも受験を決意した当初考慮には入れていました。
しかし養成課程を受講するには、工学の学校を卒業しているなどの条件があります。自分はこれに合致しませんでした。
条件に合致しない場合でも、選抜試験に合格すれば養成課程受講の権利を手に入れることができます。
しかしこの選抜試験、過去問が公開されていません。どんな問題が出るかも解らない、参考書もない、出題範囲だけの情報から選抜試験合格は困難と判断。更にお金もかかるので養成課程の受講は諦めました。

学習の際お世話になったサイト様

「はちさんの通信系資格ブログ」

「陸特 令和○年○月工学B問○」
のような感じで検索すると各問題に対する回答と解説を懇切丁寧に説明してくださっています。写真や図が豊富で、わかりやすい。知らない問題に当たったらまずこちらのブログの解説を読むのがおすすめです。何度助けていただいたかわかりません。

「kema’s Homepage」

こちらは各年毎に解説を載せてくださっています。直近何回かに関しては問題毎の難易度を記してくださっているので、「あ、これは落としてはいけない簡単な問題なのか!」という指標になりました。学習すべき問題がわかりやすい点が大変助かりました。
法規についてはどういう引っ掛けなのか、こういう考え方で覚えましょう。と簡潔に記してくださっており、知識定着もしやすかったなと思います。

「DIGILINE」

過去の試験問題はこちらから。相当古いものまで保管されているので、問題集は購入の必要がありませんでした。

「一陸特のためのdB攻略」

こちらはサイト様ではなくKindle本です。
学習初期にこちらを読んでいてとても良かった、おすすめです。
250円と大変安価ですし、log計算をどうやってやるのかの考え方が大変簡潔に記載されています。とっつきやすいように書いてくださっている&短いので読みやすいです。

その他、合格体験記を記事にしてくださった皆様
独学で第一級陸上特殊無線技士資格に挑戦し、どう学習を進めたかを記事にまとめてくださった皆様
モチベーションがなくなりかけた時、もう無理だと思った時、合格体験記に何度も励まされました。ここまで読んでくださった方もぜひ、「一陸特 独学」等のワードで検索してみてください。独学での資格試験への挑戦は孤独です。どうしても解らない問題が出てきます。もう辞めてしまおうかと思います。
体験記を読むと、同じ孤独と闘い、諦めずに学習を継続し、合格を手にした人間が間違いなくこの世に存在することがわかります。私が記載した内容が、誰かの孤独を救うことを心より願っています。

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