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苦手ちゃんはステディになれるか? KZ ZEX Pro

こんにちは。あら50リップです。

CCA『NRA』の衝撃的な登場は巷を騒がせました。何と言っても鳴り物入りの静電ドライバを低価格イヤホンに搭載し、DDと組合せるという驚きの構成だったからです。KZから新登場した『KZ x Crinacle CRN(ZEX Pro)』はさらにその上にBAドライバが追加されています。これまで高音域を担当させていた静電ドライバにBAを補助的に組み合わせることで、やや不足気味だった高音の抜けを向上させようということなのでしょうか? 早速レビューしてみたいと思います。

仕様
周波数帯域 20-40000Hz
インピーダンス 25Ω
音圧感度 104dB/mw
ドライバ構成 1BA+1EST+1DD

KZ x Crinacle CRN =KZ ZEX Pro
今回のZEX Proは、KZとCrinacle氏のコラボモデルという謳い文句です。すでにAmazonでは『KZ x Crinacle CRN』のみの販売になっています。ノーマル『ZEX Pro』よりもチューニング後の『KZ x Crinacle CRN』の方が音質が良いと言われていますが、初期ロットが無いので比較の仕様がありません。イヤホンの外観はKZのDQ6とそっくりです。Crinacleのメガネ兄貴イラストがなければ区別がつかないほどです。

ステム部もDQ6と同じく金属製ですが、比較するとノズル系が太くなっています(と言うよりDQ6のサイズが特殊だった?)付属してくるケーブルはCCA NRAに付属するものとまったく同じ銀メッキケーブルで、従来のKZケーブルよりも絡みにくく取り扱いが楽なものです。ただし高音域が従来のものよりやや暖色傾向になると言われています。

まずは純正ケーブルのまま、イヤピースをいつもどおりSedna Earfitlight shortハードタイプ(Mサイズ)に交換して聴いてみることにします。

第一印象(箱出し)
サブベースを含む低音域はKZとしてはかなり抑えめな感じでバランス重視傾向。高域もBAを追加したという割には抜け感がそれほど感じられず、中音域も薄く粗く感じられて落ち着きがなく、評価するには躊躇する音質に感じました。片側3DD構成のDQ6のほうがむしろ音質はずっとバランス良く感じられ、他の方が書いている高評価レビューにはとても届かない微妙な結果になりました。

こんなときはリケーブルして聴き比べてみるに限ります。それでも結果が変わらなければ残念ながら外れということで諦めましょう。
上位機種に取り付けてある8芯ケーブル、JSHiFiのHi8に変更して再び聴いてみます。

8芯ケーブル JSHiFiのHi8リケーブル後の音質
すると各ドライバーともバランスが一転! 高音域もBAの力を感じられる繊細な音に変化し、ささることなく角の取れた音色になりました。薄っぺらく感じられたボーカル域もやや音圧が増して前面に出て、DQ6により近づいた感じがします。特に楽器との相性が良く、シンバルや弦楽器を聴いたときに気持ちよさがあります。DQ6と比べて高音域のささりがまろやかにまとめられていて、長時間聴いても聴き疲れしないのはこちらのほうかも知れないなと感じます。しかし期待の高音域の「抜け感」はまだ足りない感じがします。

「初見」ならぬ「初聴」は「ウーン?」と唸ってしまうほどの苦手ちゃん。でもリケーブルによって多少改善され、クリアで見通しの効く中高音域と音場も広く感じられるようになりました。最初に感じた「粗さ」も影を潜め、これなら普段気軽に持ち歩いても良いかもというレベルになりました。改めて恐るべしリケーブルの威力ですね。

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では現在のボクのステディーである『KZ ZSN Pro X』や『DQ6』の音質を上回ることができたか? と問われると、残念ながら今回も二大チャンピオンの圧倒的勝利ということになります。残念というかホッとしたというか・・・。もう少し、エイジングも含めて変化を楽しんでいこうと思いますが。

気になった音圧感度について
ZSN Pro Xはもとより、DQ6と比べても、同じボリュームで聴いてKZ x Crinacle CRNのほうが明らかに音量レベルが小さい点はスペックを考慮するとやや気になった点であったことを追記しておきます。

Amazonでの購入リンク
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