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割り勘かゴチになるか

男女で食事に行く際に、男性がご馳走するのか割り勘なのか、若手は割り勘も珍しくないらしい。
人生折り返し世代の私の感覚では、男性がご馳走するのが、ほぼ当たり前だった。私から上世代はそうだろうと思う。

先日、職場の上司のご子息が、彼女と高級焼肉店で食事したとの話を聞いた。
上司はご子息に、お前もあんな店で奢れるようになったのかと褒めたつもりが、「割り勘だよ、僕たちはいつもそうだよ」との事。
お前それ男として…と上司が反論するも、「もう今はそういう時代だよ」としれっと交わされたと言う。

価値観が変わったのだと言われればその通り。
ただ、世代ごとの感覚の違いは根強く、もし私が、じゃ次から割り勘ねと言われてもなかなか納得できないというのが本音。

割り勘が良いとする女性の意見として、同等で居たいから。上から来られたくないから。

金銭的負担を上回るメリットを享受できているから。
具体的には、女性ならではのセンシティブな悩みを、
お相手の男性が解消してくれれば、男性の負担を軽減する事に協力的になれるのだそう。
それはそれで、とても打算的で脆いチカラ関係で成り立っているような危うさを孕んでいるが、そのようなケースは一旦さて置き。

私は、同等でなくて良いと思っている。
昨今、男性同士の酒の席においても、上司や先輩が
ご馳走してくれないと聞いた事がある。
昔は先輩が支払うのが当たり前だったのに、これはもう昔話なのか。
割り勘なら、そりゃ飲みに行きたくなくなる後輩の気持ちはよくわかる。
私が後輩や年下と飲み食いする際には、私がご馳走するか、多めに出すようにしている。
個人的には、それが当たり前だと思っている。自分がかつてたくさんご馳走になったので、次は自分がというような思いもある。
でも日本がこれほど景気回復せず、余裕がなくなってしまった昨今、ご馳走して貰えるのは、ごく一部の女性だけかも知れない。
勿論過去には、ご馳走してやったと上から来られた事もあったし、見返りを求められた事もあった。
それらをスマートに交わして、同等でなくても楽しく過ごせる関係性もアリなのではないだろうか。

そう、スマートが一番。レジで財布をゴソゴソゴソゴソ…「えっと小銭…えーっと」とアワアワしている姿は晒したくない、見たくない。「クーポン」「キャンペーン」に血眼になっている人にもちょっと引く。
非難されるかも知れない事を承知で言うと、「割り勘でいいかな」と男性から聞きたくない。これも世代の違いかも知れないので、しれっと読み流していただきたい。

男性がご馳走するのが当たり前ではなくなった事は理解できているので、価値観が似た相手と共感・共有できる事が大事だという事。

先出のセンシティブな悩みを抱えていたと言う女性は、知人経由で紹介された男性から、“カウンセリング”と称して、ホテルであれこれと“施術”されたらしい。
女性のコンプレックスが緩和され、女性として少し自信が持てるようになったため、デート費用はホテル代も割り勘で良いと思っていると言っていた。
片や男性の方はと言えば、彼女が自信を取り戻せたのは全て自分の功績だ、だから割り勘は当たり前だとやたらドヤ顔だったのが、私には癪に触った。
更には、男性だって男としてオイシイ恩恵も少なからずあるくせに、(女性が)つまらないような事を言っていた。
女性がもっと自信を取り戻して、この“カウンセリング”や関係を、あっさり捨てる日が来ると良いなと思った。

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