AGNT by RENOSYの紹介
はじめに
こんにちは、新卒でGA technologiesに入社し、執筆時点で4年目を迎えましたRENOSYエンジニアの綿引です。
現在弊社では、プロダクトやエンジニアの働く環境を紹介するnoteを連載中です。今回は私が開発チームのリーダーを務めるプロダクトをご紹介します。
ご紹介するのは、社内プロダクトの中でも最も歴史ある「AGNT by RENOSY」(以下、AGNT)です。不動産取引のオンライン化と、営業の効率化を支えるプロダクトを簡単に紹介します。
プロダクトについて
弊社では、投資用不動産の仕入れから販売、管理までのサービスを一気通貫で提供しております。それらサービスの質を向上、ならびに効率化するためのプロダクトを内製しておりますが、AGNT はその中でも特に、物件の販売ならびに決済する際に利用されるプロダクトです。
AGNTは、一言で表すとCRM(Customer Relationship Management: 顧客関係管理)システムです。そのため、いつどの顧客と、誰が接点を持ったのかなどの情報を整理するための機能や、セールスの営業活動を効率化するための機能、お客様の購入体験向上を目的とした機能が多く実装されております。それらの機能を少し具体的に列挙すると以下のようになります。
セールス自身の数字の管理
提案物件の管理
顧客情報の管理
チームごとの情報の管理
契約情報の管理
金融機関との案件相談の管理
お客様からの問い合わせの管理
契約書の管理
電子契約に関する機能
お客様に契約フローを可視化するための機能
不動産取引に必要な決済処理をするための機能
キャンペーン時など、お客様へ還元するための機能
今となっては様々な機能があるAGNTですが、はじめから全て揃っていた訳ではありません。2016年に運用開始されてから今に至るまで、継続的な機能拡張が行われてきました。そんなAGNTの機能開発は、セールス一人当たりの売上額の著しい成長に寄与しています。(セールスのノウハウ、適切なマーケティング、メディア露出の増加などAGNTの機能拡張以外の要因も当然ながらありますが)
より具体的な機能実装例
この章では直近で行われた、お客様の不動産取引体験をより良いものに出来た機能開発を紹介させていただきます。専門的な用語がいくつか出てきますが、「営業活動の自動化」や「情報の可視化」に取り組んでいるんだなという雰囲気を持っていただければ幸いです。
契約書の電子化
不動産の取引を行う際、重要事項説明書や売買契約書、管理委託契約に関する書類など、必要となる書類は非常に多いです。これら全てにお客様のお名前や住所などを手書きで記入していただくとなると、不動産取引の体験は非常に悪いものになってしまいます。そこでAGNTでは、電子契約を取り交わすための機能が実装されております。
2022年5月に宅地建物取引業法が改正されたことにより、重要事項説明書も電子交付が可能となったため、弊社が執り行う不動産取引はペーパーレスでの契約を実現することが出来ました。
契約手続き進行状況の可視化
不動産取引には多くのステップがあり、そのフローは煩雑です。そのため、お客様自身にいつまでに何をしていただく必要があるのかに関する案内には非常にコストがかかっておりました。そこでRENOSYでは、そのお客様がいつまでに何をしなくてはならないのか、といった情報を分かりやすく確認するためのマイページを提供しております。AGNTはこのマイページと連携し、次の面談日時やその面談に必要な持ち物、購入に至るまでに必要な残りステップなどの情報をマイページ上に表示しております。これによって、お客様一人一人に対して、契約までに必要な事が非常に分かりやすく案内ができていると思われます。
開発チームの雰囲気
AGNTの開発チームは現在5名で構成されています。開発者の5人とも入社経緯は新卒で、かつそのうち4人は1 〜 2年目と非常に若いメンバーで構成されております。
経験豊富とは言い難い私たちで不動産取引の非常に複雑なトランザクションをシステム化するのは容易なことではないですが、それでも企画を実現するために日々勉強に励んでいます。その様子が分かるエピソードをいくつか紹介したいと思います。
AGNT勉強部屋
勉強していることを各自思い思いに垂れ流すslackチャンネルです。私はこういう所で発信する際には照れてしまい、中々発言出来ないタイプなのでほぼ読み手と化してしまっています。
開発メンバーは5名ですが、チャンネル参加人数は16名な点からみても、多くの方が気にかけているプロダクトと言えるでしょう。(僕たちが人気なのかもしれませんね)
Weekly勉強会
毎週火曜、朝10時から30分間の勉強会を実施しております。前半15分間は新卒1年目のメンバー二人による輪読(現在はリファクタリング Rubyエディション)を、後半15分間は2年目以上のメンバーによって持ち回りで自分の行ったリファクタリングに関する発表の場としております。毎週一つ以上のリファクタリングが継続的にリリースされている状態は、開発チームとしては非常に喜ばしい状況です。
また、輪読のテーマがリファクタリングであることから、デザインパターンなどの設計についてチーム内で非常に活発な議論しながら理解を深められている状況です。これを今後、勉強テーマをセキュリティや低レイヤーなどに広げて、チームの技術の幅を広げていければいいなとぼんやり思い描いています。
今後の目標
目標は大きく分けて二つあります。一つは技術的な負債の解消による開発体験の向上。二つ目はAGNTを弊社以外でも利用できる状態の達成です。
開発体験の向上について
AGNTは社内で最古参のプロダクトとなっており、技術的な負債も多いプロダクトとなっております。分かりやすいところで言えば不要となったコードが残っていたり、テストカバレッジも高いとは言えない状況です。負債が多い状況は常に障害と隣り合わせになってしまうため、開発時の心理的な負担は決して低いとは言えません。この状況を早々に脱却するため、チーム一丸となって機能拡張の傍らで負債を地道に返済しています。
AGNTの他社での利用開放
GA technologiesグループは2022年8月25日時点で8社のM&Aを行っております。投資用不動産の取引を行う会社がグループにジョインしていただく度にAGNTを利用したいという声が上がるのですが、現在は個人情報保護の観点から利用いただけておりません。ここはM&Aの効果を最大化するためにも早急に解消が必要な点だと思います。
最後に
AGNTはこれまでに様々な機能拡張が行われてきており、その成果もあってセールスの生産性や、不動産取引の顧客体験を向上させることが出来ております。その一方で、まだまだ技術的な負債やグループ会社への利用開放など、課題も山積みのプロダクトとなっております。機能拡張の傍らでこういった課題を一つ一つ解消していくというのは中々骨も折れますが、同時にエンジニアとしての成長も大いに感じることが出来るため、チームのモチベーションは継続的に高い状態にあると言える状況です。今後もより一層技術力を高め、テクノロジーによって様々な課題を解消出来るように、業務や日々の学習に励んでいきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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