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レモンは遅い

「新作のパソコン機材、1万円!」とのうたい文句で売られていても、詳しく無い者からしたらそれが割高なのか割安なのか計りかねる。
同じモデルの一つ前のバージョンの値段を知ればそれを元に較べられる。
ここで言う前モデルの値段をアンカーという、参考基準となるものをいう。

実験のために、黒いモニター画面の中央に小さな白い点があり、その点から外側の画面わく方向に向かって、同じ点が360度無数に飛び出し続けるというシュールなCG動画が用意されていた。
その飛び出している点のスピードは速いともゆるやかとも言えるような微妙なものであった。それは他に特別速い動きや遅い動きをしたりするアンカーとなる物が無いから判断に困るものとなっていた。

被験者はその画面を見て、速く感じるか遅く感じるかをこたえてもらうというものだが、その時、レモンの香りがしたり、バニラの香りを流したりという仕掛け付きだった。

その結果が
レモンは遅く
バニラは速い

というものだった。

何を言っているのかというと、レモンの香りをぎながら画面を見ていた場合にはその点のスピードは遅く感じ、バニラの場合はそれとは反対の結果となったのだった。

つまり嗅覚が視覚情報の判断に影響を与えたというものだった。

このように、五感が別の五感に影響を及ぼす現象を「クロスモーダル現象」と呼ぶのだそうです。


余話

骨董品などの値段を鑑定する番組を昔観ていたが、”驚きの鑑定結果に!!”とか煽られても、出された値段を見たところで、毎度「相場を知らんから驚くほど高いのか安いのか分からん」と置いてけぼり感をいだいて観なくなったなぁ。


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