今日の管長日記20240916
佐々木奘堂さん、大阪の天正寺の老師である。相当坐禅の技術にこだわりを持っていることは、雑誌の禅文化の記事を読んでもわかる。円覚寺に呼ばれて講座を開いている。37回目のようだ。東京でも坐禅会を開いているようだ。
1.講座の話の導入、ぼよよん行進曲、上堂さんのお母さんの話
白隠禅師の言葉の引用「長く両脚を展べ、強く踏みそろえ、一身の元気をして臍輪気海丹田、腰脚足心の間に充たしめ」(『夜船閑話』)
2.白隠禅師の内觀の法
2.1 白隠禅師の不調
2.2 内觀の法
2.3 結果
3.「全身をバネにして足を強く踏んで起き上が」ること
4.『遠羅天釜』引用
このように言っては、身も蓋もないのだろうが、上堂さんの講座で白隠禅師の言葉が出たことをきっかけに、白隠禅師の有名な健康法についての逸話を紹介したような内容。
夜船閑話、遠羅天釜も共には假名法語
『ZEN呼吸』は南嶺老師と椎名由紀さんの本。白隠禅師のことばの訳は。伊豆山格堂さんの訳を使っているのだろうか。伊豆山格堂さんは茨木大学の名誉教授で、今北洪川老師の法嗣の、川尻宝岑居士の後継の、心学参前舎主早野柏蔭老居士に參禪されたとある。(管長日記「白隠禅師のお慈悲」2023.08.06)
内觀の法、夜船閑話について、ここで引用されている文は『夜船閑話序』の文である。『夜船閑話』にも効果は書かれてるが、頭の上にバターをのせて溶けて流れていく、といった内觀の法そのものが記載される。
「我が此の気海丹田~」というのは『夜船閑話序』のちょうど真ん中あたりにある名文である。
私は直木『白隠禅師 健康法と逸話』日本教文社を持っている。かなりのロングセラーだろう。これには『夜船閑話序』、『夜船閑話』、『遠羅天釜』中巻が入っている。
なかなか白隠禅師のことばは調べるのが難しいところがある。テキストデータベースにないのだ。
『白隠禅師法語全集 第九冊 遠羅天釜』(禅文化研究所)が欲しいし、白隠禅師を調べたかったら、この全集が必要なのだろう。
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