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うれしいひなまつり あんたがたどこさ

今日は、認知症の進行からなのか
赤ちゃん返り?をしている80代の女性です。

体が温まると痒みが出て全身をかきむしり血だらけになるので、
ベッドにいるときはミトンをしてもらっています。

最近はベッドの中で
そのミトンを口に突っ込んで
チュウチュウ吸っていることが多くなりました。
はずすと中までぐっしょり濡れています。

ミトンをしていないときは、指を2本口に入れて吸っています。

だんだん入れ方が深くなり
口を大きく開けて奥まで入れているので
窒息しないか、アゴが外れないかと
心配になってきました。

何より
『口は心』という言葉が介護の世界にはあります。
口に関したこと〜食べることや話すことなど〜は、心を反映している
という意味です。

この方の心に何が起きているのか
知りたくなりました。

ベッドサイドに近づいて
『歌いましょうか』とお声かけし
”うれしいひなまつり”を歌い出したら、
一緒に2番まで歌ってくださいました。
もちろんその間、ミトンは口からはずれています。

『もっと歌いましょうか?』とお聞きすると
すぐに『あんたがたどこさ』を歌い出しました。

『一緒に歌うと楽しいなあ〜』と何度もおっしゃって
繰り返し歌ってくださいました。

『また来ますね』と言って立ち去りながら振り返ると、
一人で歌いながら両手のミトンを振って踊っているのでした。


”うれしいひなまつり” 
サトウハチロー作詞 昭和11年発売の童謡

”あんたがたどこさ” 
明治中期以降のわらべうたの中の手毬唄(てまりうた)


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