SAP未経験からSAP案件に入って1年経過した感想
この記事は SAP Advent Calendar 2022 の12月18日分の記事として執筆しています
はじめに
note見てくださりありがとうございます。この文章を紹介している私はこんな人です。
本noteでは私が去年12月からSAP案件にSAP未経験で入った感想を記載しました。
想定読者は以下の通りです。
私自身もともとSIerでインフラエンジニアの経験が5年ほど経験し、コンサルティングファームに転職、その後フリーランスで色んな業界のIT分野の経験をしました。時にはRPAのソフトを使ってRPAのコードを書いたりしました(もちろん大して書けませんでした笑)。
ただ、SIer時代は3システム掛け持ちしていたり、コンサルタントになってからは度々炎上案件を担当したりとIT分野のプロジェクトを推進する自信はそれなりにありました。
ただ、色んな分野のIT案件をやってきた経験からも(6,7案件くらい)SAPはかなり特殊だったのでnoteに残してみました。
開発、検証環境の考え方
SAPの世界では環境利用ではスリーランドスケープという考え方が一般的です。
開発環境で開発し、検証環境で確認して問題ないことを確認したうえで、本番環境に適用する。
今では違和感がないのですが、当初はかなり違和感ありました。
というのも、インフラエンジニアの世界とSAPでは環境の呼び名と位置づけが微妙に違ったからです。
この違いを認識できていなかったので最初メンバーの方と会話がかみ合わなかったです。
移送って何?
「移送」という言葉もSAP特有です。最初は「移行」と勘違いしていました笑。
メンバーの人もわかっている体で話してくるので頭の中は「???」となっていました。
これに加えてクライアント依存、非依存の開発資源というのもあるので、さらに混乱します笑。
インフラの世界では開発環境で設定した内容を本番環境でも同様に設定するので、「移送」という考え方はありません。この違いにかなり最初は戸惑いました。
トランザクションコード???
「トランザクション」というとインフラの世界では「1まとまりの処理」という言葉の使い方をします。
ところが、SAPの場合ではトランザクションコードを言葉として使うことが多いです。厳密に考えればSAPのトランザクションコードも「1まとまりの処理のコード」という意味なので意味合いは通っています。
しかし、インフラ案件では「トランザクション」という言葉はソフトウェア特有のことではなく一般的な用語として「あのトランザクションは~」と使うので、SAPのトランザクションコードとはちょっと使い方が違います。
しかも、SAPではよく使うトランザクションコードはみなわかっているのが共通認識です。これもまたキャッチアップするのに苦労しました。
モジュール???
「モジュール」という言葉もインフラの世界ではあまり耳にしません。私がSAPに触れる前に「モジュール」で想像したのはエクセルVBAでマクロを作るときに出てきた「モジュール」です笑
SAPのモジュールはFIモジュール、COモジュール、SDモジュール、MMモジュール、というようにモジュールがSAPを構成しています。しかもこのモジュール、それぞれのモジュールでかなり奥が深いです。
FI,COを専門としてやっている人がいるくらい。つまり、それを勉強するだけで専門家になることができる。それくらい奥が深いです。家を建てるので例えるなら土台をつくるのはBasisチームで、内装のコンクリート部分を作るのがFI,COとかそういう感じでしょうか。
英語がまあまあ必要
IT関連の仕事をしていると英語が必要になります。インフラエンジニア時代はリリースノードがすべて英語だったり、コマンドが英語だったりするので、英語ができたらちょっと役立つ、それくらいでした。英語ができるできないでそれほど差はなかったです。
ただ、SAP案件は英語、少なくとも読み書きはできた方が幅が広がるなと思います。というのもSAPを導入している企業は大企業が多いです。大企業ともなると海外展開している企業もチラホラ出てきます。そうなると、海外
の担当者とやり取りすることがあります。
実際、私も読み書きは毎日使います。英語のミーティングもあります。聞いて理解することは大体はできるのですが、喋るのはどうにも難しいです。。
私はPMOとして入っているので英語は読み書き聞くだけでもなんとかやっていけますが、アプリチームともなると要件を英語で確認する必要があるので、英語をバリバリ使います。
単価が高い
SAP案件はどういう訳か単価が高いです。その理由は完璧にはわかっていないですが、SAPは元々経理システムなので、金を扱う部門が発注しているということもあり、単価が高くなるのでしょうか。
私の経験上、普通のインフラ案件にコンサルタントで入る場合よりも10-20%ほど単価が高いです。
優秀な人が多い
金が集まるところに優秀な人が集まる。。まあ当たり前ですね笑。SAP案件は私の経験上優秀な人が多いです。もちろん、他の案件でも優秀な方はいますが、SAP案件は優秀な人が多めです。
今の案件のプロジェクトマネージャ、PMも優秀で即断即決してくれますし、モジュールにも知見が高く、PMでもアプリチームと対等以上にやり取りをしています。
PMや周りの人が優秀なのでプロジェクトが炎上することなく、気持ちよく仕事ができます。
最後に~未経験で入ってやっていけてるか~
上記が私が未経験でSAP案件に入って「他の案件とは違うな」と思ったことです。
じゃあ実際にプロジェクトで「SAPの知識未経験なのにやっていけてるか?」という疑問があると思います。私自身PMOの経験はSIer時代からあったので、PMOとしてプロジェクトを推進する力はあるつもりです。
ただ、どうしてもSAPのテクニカルな知識はわかりません。私自身はPMOチームでテクニカルスキルがわかる人のアンダーで案件に入っているので、わからないことがあったらその人に確認しています。
なので、身近に不明点を気軽に聞ける人がいるのでやっていけています。
そうでなかったらやばかったかもしれません笑
以上、SAP未経験で案件に入って1年経った感想を記載させていただきました。今のところ、SAPは奥が深くて面白いし単価も高いのでオススメです笑。
お読みいただきありがとうございました。