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IBN寮物語—はじめに—

 本書のタイトルを読んで、技術革新や企業成長を成し遂げた天才技術者や敏腕経営者の話を聞けると思った方は大いなる勘違いをしているので、読むのをすぐにやめてほしい。本書のタイトルはIBNであり、IBMではない。IBN寮というのは、「トンペイ」という某国立大学にある寮を省略した名前であり、その寮生活の話が本書のテーマだからである。そのため、ここで出てくる話はその寮で悪戦苦闘する奇人や変人の話であり、そういった話から有益な知見を得ようとすることは誤りである。実際、筆者自身が本書に実益性が全くないことを断言出来る。
 また、それと関連して、この話は平成13(2001)年から平成19(2007)年までの経験を元に書いた内容なので、当時の環境と現在(2023年の年末)のIBN寮やその他の環境とは大きく異なっていることが予想される。そのため、本書の内容を元にして、未来ある若者が大学で寮生活を選ぼうかどうかということは決めないでほしい。現在は寮自体もたくさんの種類があり、住環境自体も非常に多様化している。そのため、これらの多様な選択肢があることをまずはネットなどで確認してほしい。また、そういった住環境が実際にどのような環境なのか、ということは、google mapを介した外観から、ある程度は確認することができる。そういった様々なツールを活用して、未来ある若者には充実した大学生活を自主的に選んでいってほしい。
 本書はそういった選択肢やツールが無かったときに、大阪から出てきた男子大学生がIBN寮で四苦八苦し、七転八倒する話である。


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