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レヴェリー

私はどうやら迷子になったらしい。小一時間このあてのない荒野をひたすらに歩いてもうヘトヘトだ。にしても不思議だ。いつこの土地に足を踏み入れたのか、わからないままだ。我が未知を切り開く為にこうして歩いているのだけれど、その足元は私を立ち入らせようともしない。枯れた草花は体を分散させて逃げてしまう。湧き出した水がだんだんと広がっていくようだ。月光が大地に落ちると寂しげにひかる。そんな情景をもう私は見飽きた がそうなったところでリターンも出来まい。ぶつくさと言いながら軋む足を動かす。
そんな時一台の舟がとまった。
「おまえさんどこまで行くのか?ついでなら乗せてやろうか?」彼の肌は月光でより白くなった。私はいえ結構ですというと彼はゲラゲラと笑った。
「強がる必要もない。歩きたいなら歩けばいいが、あんたが死んでもこの荒野から出れやしないだろう。それほどに土地の血は濃いものなんだよ。見えやしないがそいつはなかなかに逃げれやしないものなんだよ。まあそんなキザなことはいいよな。でどうすんだい、近くのモーテルでおろしてやるよ。」あまりに見えすいたナルシズムに胸焼けしたが、体は正直限界である。私は彼の気持ちに少し甘えて、乗せてもらうことにした。
中はまるで飛行機のようで私は窓側に座った。そこからは昔住んでいた家が火事に見舞われていた。赤い火と緑の大地が絵画的である。恐ろしく燃える火に不謹慎にも私は楽しくなった。今までのことが全て帳消しにしてくれるような気がする。きっと目にはキラキラと風景が反射しているのだろう。
「お兄さん、何をみてるの?」赤い制服に身を包んだCAが声をかてきた。彼女の目に映った知らない私に冷静を取り戻し、いえ、何もとぶっきらぼうに答えた。彼女はあっそうといい、上品に歩いて行った。もう一度目線を窓に移すと、もう家は見えなくなっていた。

目を開けるといつもの家に戻っていた。どうやら気持ちよく寝てしまったらしい。寝ぼけたからだを伸ばし、大きなあくびを一つした。そして一声鳴いてみる。
「にゃーーーー。」

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