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夜行路

目が覚めたら、あたりは暗い。
机のはるか上でひかる蛍光灯はあってないようなもので体は外へ行きたいと言う。
素直に立ち、足を運ぶ。
扉を開けると足元には琴線が一筋走って、向こうはすごくすごく暗い。
きっとこの先には何もなく、私も同じように何もなくなる。
意識は薄れ、体は消える。
うすらうすらした記憶はその闇にはじけ、やがていろんなことを知る。
どこへ行こうとも何をしようとも全ては夢見心地でない口が笑う。
そして気づくと天井を見ている。
朝日が溶け込んだクリーム色の壁が私の恐怖を薄め、何もなかったことにする。
しかし僕らはそれを知らず、知らぬ恐怖に怯えるのだ。
そんなことをいつまでも繰り返す。
それが夜。

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