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変貌に絶望

今日は、久しぶりの1日休暇。

14時過ぎまで眠り、体が痛くなってきたところで起きた。洗面所へ行き、顔を洗い、歯を磨く。髭を整えて、寝癖を直せば活動スイッチがオンになる。

とはいえ、今日は休暇だ。美味しいもの食べて、映画でも見に行って、帰りにカフェに行ってゆっくり本を読もう。

そんな事を考えながら、着替えを始める。最近はユニクロしか着てなかったし、たまにはビシッとした格好するのも悪くないな。クローゼットのデニム置き場からお気に入りの1本を取り出す。上着はライダース一択だ。

部屋着を脱ぎ、デニムを履こうとした……。

太ももパツパツ。ウエストパンパン。

ボタンが閉まらなかった。

なんとかお腹を引っ込めてはみたが、1番上のボタンは留まらない。

ライダースは苦戦しつつも、なんとか着れた。それにしても下半身が苦しい。この半年間、ジムにも通わず、食事制限もせず、自堕落な生活を続けてきた成果が顕著に現れている。

映画なんて見てる場合じゃない……。

すぐに予定を切り替える。昼ごはんのラーメンも中止だ。コンビニに走り、サラダチキンを購入する。「せめて、ラーメンだけでも……」と懇願してくる己の弱い心に、言い聞かせる。「食事もトレーニングの一環だ」。

サラダチキンで空腹を満たした後に、トレーニングウェアに着替え、ジムに向かった。会員登録して、毎月お金を払っているのに、行くのは数カ月ぶりだ。最後に行ったのはいつなのかさえ覚えていない。

以前と同じメニューをこなそうと試みたが、全くダメだ。重量も回数も落とさないと、筋肉がプルプルしてトレーニングにならない。ああ、なんて情けないのだ。でも、落ちてしまったものはしょうがない。またここから、地道に鍛えるしか無い。そう開き直り、黙々とトレーニングを続けた。

トレーニングの途中、首に違和感を覚えた。なんか上を向くと痛い。ちょっと、張り切りすぎたのかもしれない。1時間程度鍛えて、ジムを後にした。

次に向かったのは整骨院。こちらも、月額会員なのに全く通えていなかったところだ。受付で「首が痛いんです」と伝え、施術に入る。

「うわ、最高ですね……」

担当の若い男性スタッフがつぶやく。

「ん? それはどういう?」

「こんなにやりがいのある固さ、なかなか無いですよ」

喜んで良いのか、落ち込むべきなのか分からない。

「ちゃんと通わないと、また痛くなりますからね」

「……はい」

「猫背もちゃんと治しましょうね!」

「あ、はい……」


久しぶりの休日、映画と読書は、ジムと整骨院に変わってしまった。

それにしても、お気に入りのデニムのボタンが1番上まで留まるまで、とことん鍛えよう。



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