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清掃原則のはなし

極端に一般化しているので直接現場で使えるわけではないけれど、把握していると便利な原則の話。

上から下、奥から手前

小学生でも知ってる(たぶん)どういう意味なの?

上から下

あらゆる汚れは重力に引かれて落ちていきます、上から汚れを落としていって最終的に床に溜まった汚れを片付けましょう。

奥から手前

作業の方向だけではなく、作業者自身が汚染源であることを意識して立ち回りましょう。
作業者が先、清掃道具が後をついてまわるように作業ルートを構築しましょう。

大まかな作業手順

ゴミを捨てる

片付けられない!とか部屋が汚い!とかの原因はだいたいこれ。
いいからまずゴミを捨てろ、話はそれからだ。
捨て方がわからないなら自治体に問い合わせよう、最近はウェブ上で確認できるようになってる。
このページが見れるということは確認できるということだ、確認しよう。
……廃品回収業者は割高なのでオススメしません。

物品を移動する

汚れというものは物品の裏や影など見えてないところにも容赦なくたまります、必ず移動して作業するようにしましょう。
作業場所は広いほうが作業もしやすく、キレイにするのも簡単なんです。

乾いた汚れの除去

乾いた汚れは乾いたまま除去します。
箒で掃いたり、掃除機で吸ったりすれば取れるのにわざわざ濡らす人はいませんね?

洗剤の利用

洗剤を撒いたり、塗ったりします。
詳しい話は→CHAT理論の項目へ。

湿った汚れの遊離

洗剤の力と少しの物理力で湿った汚れを洗剤の中に取り込みます。
洗浄液が取り込める汚れの量は洗浄液の量に依存するので先に乾いた汚れを取り除きましょう。

汚水の除去

汚れを取り込んだ洗浄液→汚水を除去します。
排水溝に持っていったり、吸水バキュームを使ったりします。

すすぎ

取り切れなかった汚水を薄めてもう一度回収します。
洗浄液や汚水の影響がなくなるまで繰り返しすすぎましょう。

乾燥

洗浄が終わったらなるべく早く乾燥させます。
水分を残したままにしておくと水垢の原因や取り切れなかった雑菌が繁殖する原因になります。

CHAT理論

洗剤の利用方法からつながる洗浄効果を最大化するための理論

C(Chemical)

洗剤の選び方
どこを洗浄しますか?(素材)
どんな汚れがついていますか?
汎用洗剤?そんなものはない。
いずれに対しても効き目の薄い微妙なもので良ければありますが。

H(Heat)

熱(温度)
温度が高いほうが洗浄効果が上がる、可能な限り上げよう。
ただしタンパク質は40℃程、樹脂素材は100℃程でだめになってしまうので注意しましょう。

A(Agitation)

物理力
物理力を使って汚れを素材から引き剥がそう。
強すぎる力はNG。傷、凹み、変色などの原因になりかねません。

T(Time)

洗剤が汚れを浮かせる仕組みは化学です。
化学反応には時間が必要なので洗剤と汚れが接触している時間を確保しましょう。
目安は説明書に書いてあります、書いてない?それ碌な洗剤じゃないよ。

作業手順を複数思いついたんじゃが……?

ある程度慣れてくると作業方法を複数思いつくときが出てきます。
そんなときなにを基準に作業方法を選ぶべきか?

  • 作業の成功率は?

  • どういうリスクが考えられる?

  • 発生したリスクはリカバリー可能か?

この辺が作業方法の選定基準です。
お金とか時間とかは実のところ作業手順の選定基準には含まれません。
そもそも金も時間も出さない人は客じゃないですね。お断りしましょう。

最後に

ざっくり書き出しましたが、この辺の知識を前提とした上で個別の作業内容の話が始まります。
この機材を使えば~とか、この洗剤を使えば~とかの文句は商売用の宣伝です。参考程度にとどめ過信はしないように。

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