尾崎豊を探して

タイトルの映画は3年くらい前に見た過去稀に見るクソカス映画だったことをここに記しておく。『レディ・ジェイソン/地獄のキャンプ』というド傑作を目の当たりにし、中古VHSがとにかく欲しくなって、火曜日、都内でVHSをいまだに取り扱っているといわれる日暮里ディーンというリサイクルショップへ。蒲田のヒューゴというお店もVHSを多数取り扱っているらしいのだが、『買わない人早く帰れ』という貼り紙が恐ろしくて、なかなか行くことができない。中古のVHSの値段は年々高騰しており、レアものであれば1万円を超えているものだって珍しくなく(レディ・ジェイソンはアマゾンで15,333円の値がついている)、店の価格帯が分からない以上、買わない可能性を否定できないため、甲冑を着て向かうくらいの気持ちがないと行くことができない。

日暮里のディーンは、VHS棚の少なさに少々落胆したものの落ち着いた雰囲気で、居心地のいい空間であった。VHSも、3000円を超えるものもあれば数百円のものもあり、フィリップ・カウフマン『SF/ボディ・スナッチャー』が198円で買えたのは儲けものであった。しかしコレだけ買うのも何かロマンがないので、同じく198円だった『映画を探して』という謎の映画を一緒に購入。パッケージによればニューヨークを拠点に活動する映像作家の初長編作品とのことだが、きっと俺の映画ではないだろう。見たら感想を言います。

400円足らずで2本手に入れたものの、知っている映画と知らないけどつまんなそうな映画、これだけではとうてい足りない。次に目星をつけたのは西荻窪『月光キネマ』という狭いお店。散歩がてら阿佐ヶ谷から歩いて向かい、途中で七五三帰りの子供たちとすれ違いながら到着したその場所はまさしく天国、なんと50円で叩き売りされているVHS棚には心躍るタイトルが多く並んでおり、逆に500円以上の値がついた棚には特段心を惹かれなかったという事実が私の嗜好を如実に表しているが、私はキャッキャと7本VHSを手に取ってレジに向かい、350円をペイペイで支払って退店、帰宅してデヴィッド・デコトーの『マミー:ザ・リベンジ』を再生したが見事に寝落ちをした。そんなものである。日本全国どこでもいいので、中古VHSを取り扱っている店があったら、ぜひ私に教えてください。

帰り道、西荻窪駅前で、ベビーカーを押している男性に向かってダッシュで体当たりをする女性がいて、かなり恐ろしかった。知り合い同士でのじゃれあいであると願うが、男性は悲鳴をあげていた。勘弁してほしい。

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