和光の再開発

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和光市駅／北口地区第一種市街地再開発事業の都市計画決定

地元の駅が長年の地権者との闘いに勝利し、ついに再開発に動くらしいのだが
かつてあんなに楽しみにしていた情報なのに、「ああ、そう」と思ってしまった
まるで興味が湧かなかったのである

いつもの通り、ショボい駅に直結のタワーマンションを作って
どうせドトールとABCマート以外は病院と保育園しか入らないであろうテナントを念のため確保
そんな下らない金太郎飴みたいな街を作って何が楽しいんだろう
私ならもっと良い街が作れる
あの頃はそう思ってた

でも
できるだけ面積を使わずに縦に長い家を作れば、300世帯くらいの人口をサッと集められて、その分の住民税が入る
そこで暮らす人が局地的に増えるから、飲食店や小売店が必要になり経済活動が生まれる
ということはそこに雇用も生まれるので、パート、アルバイト等ここで生活する人が更に増える
そこで人がお金を落とす
ローンを組んで家を買う人は新しい人生を歩む人達が多くなるから、子供も増えるし
ファミリーに優しい街　というイメージがつけば別の住居にも新しい人達が入ってきてくれる
……えっ、これでいいんじゃないの？

そして市長も議員も政治家なわけで、自分の任期の間にしっかり成果を出さないといけない
自分が市長だとして、テーマパークとか公園都市とか悠長な計画をべらべら喋って、コケてしまったら
市民の血税を趣味に使うな、と言われるだろうし
そこを狙って「病院やインフラを充実させます」みたいな候補が出てきたら
次の選挙で勝てる見込みはないだろう

そう思うと
こういう街ばかりになるのもすごく頷ける

シビックプライドなんてものは
このへんの問題があまり深刻でないか、過去のラッキーな遺産がある都市でないと醸成する動きを作れない
いざ税収やそこで暮らす人々のことを考えたときに
「病院や公園を充実させてバスの本数を増やします」と言う人と
「レトロな街としてアピールし駅を可愛くデザインします」みたいなことを言う人がいたら
今の自分はもう前者に一票入れてしまうかもしれない

あの頃は子供すぎて
働いてから分かったことが多すぎて
最近は夢を持たなくなってきた
それは良いことなのか、悪いことなのか、一概には言えないけど

あの時確かにときめいていたものに、今ときめかなくなったというのは
あまり良いこととではないんじゃないかな……