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四冊目「監獄の誕生-監視と処罰-(新潮社)」ミシェル・フーコー

監獄と聞くと何を思い浮かべますか?
「冷たそう」「看守が怖い」「ご飯がまずい」
「悪い事をした人が閉じ込められる」「ずっと見られてる」、、、

できれば入りたくない監獄ですが、
皆さんも実は似たような場所を通過、又は今もそんな場所にいるのではないでしょうか。

「学校」「病院」「工場」「軍隊」

他にもありそうですが、フーコーはこのような場所に共通点を見つけています。

キーワードは「規律・訓練」

日本人なら誰しもが通る道、学校に焦点を当てて考えたいと思います。

学校と監獄の共通点とは、、、?

それは「見られてる」ということ。

監獄はもちろん、学校ではいろんなやり方で「見られてる」状況が作られます。

まず担任の先生には見られてますね。
それも、授業中喋っていたら怒られる。

さらに、試験も「見られてる」。
点数が出て、能力が可視化されるということは、つまり「見られてる」

さらに終業式の日にもらった通信簿。
あれも「ずーっと見てましたよ」の証拠。

挙句、宿題には「見ました!」のスタンプ

(これ、「ご褒美スタンプ」って名前で売られてる)


この「見られてる」って、ものすごく人の行動を「規律・訓練」しますよね。

例えば、ゴミを捨ててはいけない場所に「目」のマークがあったら?
僕たちは、手にアイスの棒の捨て場に困っていても、なんだかゴミ箱を探したくなる

そうやって「監視」の目があることで、人の行動は正しくあろうとします。

この目に常に監視されている場所が監獄であり、学校です。

監視をすることにより子どもを「規律・訓練」し、「規格化」する。

その規格から外れたら「問題児」「素行不良」の烙印が押されるわけです。

フーコーこのように、世の中にある監獄を列挙し、僕たちに共感し寄り添ってくれます。

フーコー自身も同性愛者であり、周りの「目」に苦しめられていたようです。

窮屈な監視の目に気づくと、
「あ、気にしなくていいんだ」
とおもえませんか?

この本を読むことで、皆様が少しでも監視の呪いから解放されて、楽に生きていけるようになる事を願っています!

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