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デューイ「学校と社会(岩波文庫)」

教師というものは、
「社会に出てないから、お金や社会のことを教えられない」
「算数なんか将来何の役に立つの?」
といったふうに言われます。

そんな言葉を聞くたびに
「ほんものの教育者もたくさんいる!」
と自分を励まします。

じゃあ、ほんものの教育者って誰だ?

そこで、デューイ「学校と社会」を読みました。
キーワードは「生活」

デューイの時代には産業が発展して機械化が進められました。
そんな中、生活から服を作るだとか、家具を作る、部屋を明るくするための蝋燭を作るなどの
必要なものを、仲間と協同でつくる
経験がなくなってしまいました。

そして教育はどんどん教科書中心、講義を聞く形式になっていきます。

「そうじゃなくて、もっと「生活」がほしいんだよ!」と、デューイさん。
(所ジョージさんみたいです)

そこで注目したのが、弓や矢、槍を手作りし狩猟ごっこをする子どもの姿。
そこに人類の出発点を見つけました。
「ここから始めれば人類の進歩の跡をたどれる!」

矢じりの石を探究することで鉱物学、
土器を探究することで地層学や、窯づくり
と、原始人や縄文人がたどった生活をヒントにとにかく「経験重視」で学ぶ子どもを育てました。

読んでいて一番刺さったのが
「科学の統一は地理において見いだされる」
という一文。

私たちの生活の土台には、土地や気候があります。
地球人としての生活者を目指す。
「そこから始めると、教科書に載ってるだいたいのことは学べるよね。むしろ教科書より濃くね?」とデューイさん。

僕たち教師の目の前にいるのはまぎれもなく
地球人」なんだ
とはっとし、一歩ほんものの教師に近づけた気がしました。

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