『どうしたらヒットは生まれるのか?』


私の職業は脚本家でアニメーションのシナリオを執筆しています。

そのほとんどの打ち合わせの席で必ずといって良いほど言われるのが冒頭の言葉です。

もうすでに私の中ではこれはある種、呪いの言葉のようなものです。

普通に考えれば、原作ものであればその作品の良さを引き出すのと同時に、読者やユーザーに人気があるキャラクターやエピソードを際出させること…なのですが、そこに注力したところで、アニメーション作品が必ずしも当たるとはいえないことを経験しましたし、またいくつかの成功体験にならえばうまくいくのかと思えば必ずそうなるわけでもない。もちろんオリジナルの場合でも同じ事が言えます。

とはいえ、大ヒットする作品はあるわけで。それをどう嗅ぎ分ける力が求められている気がしています。

日々、そんなことを考える毎日。

ふと、『ほぼ日の學校』の「ヒットと人とを考える島」を観てみることにしました。


『絶体絶命だった週刊少年サンデー -そこから復活700%を実現した剛腕編集長の覚悟-』

週刊少年サンデー元編集長市原武法さん。


https://school.1101.com/lecture/98


編集長就任時に過激な宣言文を本誌に掲載し、週刊少年サンデーを瀕死状態から復活させた名物編集長です。

同誌には、2020年から2021年にかけての漫画大賞総ナメの『葬送のフリーレン』が掲載されています。

お話を聞いて感じたことはいわゆる昭和的なやみくもに突き進む熱さとはことなる、どこか事態を俯瞰で眺めつつ、おもしろいものを探してのめりこんでいく平成的な熱さ(笑)…そんな印象を受けました。

そして編集長時代を振り返って、体力的に大変だったり辛かったりしたことはあっても、楽しかったと迷いなく断言された姿が眩しかったです。

幼い頃、よく祖父に言われた諺、『好きこそ物の上手なれ』が脳裏に浮かびました。

時代を問わず、好きであること、熱くなれることが大切で、その想いは観る側にも伝わるのだと。そんな当たり前のことを今さらながらに思い出させられました。

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