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移住と独立戦略<自然派カメラマン編>

こんにちは、さにーです。

ほぼ何のコネもタネもない田舎町に勢いで脱サラ移住して3年半。

なんとか生き延びつつ法人も作らせてもらった最近、「好きなことで自由に働きたいけど、どうやったらいいかわらない…。さにーさんはどうやったんですか?」みたいに聞かれることがますます多くなってきました。

以前にも別のところで書きましたが(ほぼ誰にも見られていませんが)、僕が脱サラ移住当初に考えていたこと、やったこと、こちらにも記してみます。というか3年前に書いた文章をほぼコピペです。

※以下、2021年に書いたものを加筆修正して転載したものです。

びわ湖畔からこんにちは、さにーです。

「移住したいけど仕事どうしよう…」
「フリーランスや副業ってどう始めたらいいの…」
「自分で仕事を受けるなんてどうやるの…」

と悩んでいるあなたに、何かしらの参考になれば。

僕が移住先での仕事作りに写真を選んだ理由と戦略を少しだけ書いてみます。

リスクの少ないはじめ方。

カメラマンというのはカメラ一つからだ一つでお仕事ができます。

僕は「自然」「山」「移住」「人」などをキーワードにしているので、スタジオや大型機材など必要なく自分の身体ひとつで仕事がしやすい。

写真の編集も「自然派」なので必要最低限で済みます。(そういう見せ方にしています)

カメラやレンズは高いし、信用とクオリティを担保するにはそれなりのスペックの機材が必要ですが、いきなりそんなお仕事舞い込んでくるわけないので今持っているカメラとレンズでやれるとこまでやればいい。いざとなればレンタルもあるし。

僕の場合は脱サラ前から「写真を仕事にしたい」と口に出していたら、なんとプロカメラマンさんからとても良いカメラ(キャノンの5D markⅡ)を頂けました。古いけど写りはめちゃ良い。

口に出すのは大事ですね。本当にありがとうございます。

頂いたカメラ

レンズは一応それなりに良いレンズを自分で中古購入(それでも10年型落ちで8万円)しましたが、写真を軸に生計を立てていこうとするならそれくらい軽くさらっと回収しないと。

というように、僕はイニシャルコスト(初期費用)もランニングコスト(固定費)もほぼ不要でリスクも少ないように「自然派カメラマン」と名乗って開業しました。

もしうまくいかなくてもそのまま趣味として写真は続けるだろうから、機材は無駄にならないし。

サービス設計と集客方法。

ぶっちゃけ、僕は別に「写真を仕事にしたい」と強く思っていたわけではありません。やりたいことをやる手段のひとつとして「写真」も選んだだけ。

自宅と星空

やりたいことというのは、自然のそばで自分らしく働き生きる人たちと過ごすこと。「やりたいこと」「なりたい姿」の実現を目指す人たちのお手伝い。

具体的に言うと、地方で自然に関わる事業をやっている小さな会社さんのサポート。商品やサービスは良いモノなのに、ホームページもSNSも人材採用もマーケティング戦略もあれこれちゃんとやれてないからくすぶってしまっている、といった会社のお手伝い。

それをするには写真は強い武器になる。ホームページを作るにも、SNSを運用するにも、人材採用をするにも、写真は必要。

商品やサービスやそれに携わる人たちの魅力をしっかりと伝えるには、きれいでエモーショナルな写真がある方が絶対良い。

逆算すると、写真が欲しいと思ってもらえたら、その先のホームページ制作や人材採用やSNS発信もそのままお手伝いしやすい。そう考えました。

「カメラマン」はただの入り口の見せ方(フロントエンド商品)で、本質(バックエンド商品)はマーケティング施策いろいろ。

SNSでたまに「無料で撮ります」企画をやっていたのは完全にこの意図です。「1ヶ月で100人無料撮影チャレンジ」なんかもやりました。

その流れで実際に撮らせてもらった写真と、作らせてもらったホームページの一例がこちら。(今見ると恥ずかしい出来栄えかもですが)

僕は「自然派」と掲げているで、撮る写真も書く文章も(ライティングもします)つくるホームページも自然でシンプル。それがウリ。

ホームページはWixやSTUDIOというノーコードツールと呼ばれるサービスを活用しているのでプログラミングやらコードを書くやらは不要。僕はそんなの全くわかりません。

ホームページ制作は制作会社に依頼すると少なくとも30~50万円。きちんとしたものを作ろうと思ったら数百万円かかっちゃう。

地方の多くの中小零細企業さんや個人事業主さんは、「そんなにお金出せない…」「ホームページ作りたいけど手がまわらない…」「横文字や細かい打合せは苦手…」と悩んでいらっしゃるので、そこを僕がワンストップで且つ自然体な対応で解決できたら。

大きい会社、きちんとした会社、が狙わないし狙えないニッチなところを狙っていく作戦。

うまくハマれば営業活動なんてしなくても「知ってもらえる」だけでお声がかかります。

実際に、これまでのお仕事で自分から売り込んだことは一度もありません。インスタで地域の風景写真を投稿しつつ、自分で作ったホームページのリンクをそこにそっと貼っておくだけ。

投稿した写真を見て興味を持ってくれた方は、ホームページまで見に来てくれていつか声をかけてくれる。

「無料で撮ります企画」も、お仕事獲得するためにとこちらから連絡することは一切ナシ。基本的にはインスタで投稿するだけ。

僕のインスタをフォローしてくださっていたいくつかの事業者さんが連絡をくださいました。

地域内での取り合いはしない。


僕がこだわっていることがもう一つ。

「地域内で人とお金の取り合いはしない」こと。

人口(マーケット)が減っていく田舎の地域内でお客さん(とお金)を取り合ってもしょうがないので、基本的には「地域外に売ろうとしている事業者さん」「地域外の方をターゲットにしてる事業者さん」のお手伝いしかしません。

自分のためにも、地域のためにも、とてもとても大事だと思っています。

ただ、この話はアツくなっちゃいそうで長くもなりそうなのででまたどこかで。

自宅周辺の冬の風景

掛け合わせとマーケット。

僕より写真が上手な方はたくさんいます。知識や経験が豊富な方も山ほどいます。はっきり言って、僕は写真だけでは到底食べていけません。

ただ、そこに「自然」や「移住」や「●●」を掛け合わせると少し変わってきます。

地方の自然に寄り添ったビジネスをされている方は、シュッとした都会的な服を着てカタカナ用語並べて打ち合わせするカメラマンよりも、カメラ一つ持って田んぼや森や川に突っ込んでいって楽しそうに撮影するカメラマンを選んでくれると思います。(くれるといいな…!)

そういう自然派なカメラマンがいない地域であれば、そこに行くだけでナンバーワンというかオンリーワンな存在になれる。

ただのカメラマンではなくて、写真を武器として人材採用・ホームページ制作・マーケティング施策いろいろなども含めて事業の根本から包括的にサポートできるとさらに必要としてもらえる。

そんなことを意識しながら僕は過ごしています。

当然、移住前にこの地域にどんなカメラマンがいるか、どんなホームページ制作会社があるか、どんなフリーランスがいるか、なども調べて「いける」と判断したから滋賀県高島市に移住しました。信州や瀬戸内や丹波も移住候補地でしたが、そこにはすでに強そうな移住者やカメラマンがいたのでやめておきました。

というように、自分の「得意」「好き」をいくつか掛け合わせると、誰かの「できない」「めんどくさい」「誰もやってない」にうまくはまる”小さいブルーオーシャン”なマーケットがあるはず。田舎にはたくさんあるはず。

ただ、田舎だとそれだけで持続的に稼いでいくのはおそらく難しいので、きちんと次のステップも考えながら動かないといけませんが。

人が好き、会うことが好き。

写真は会わないと絶対に撮れない。そこに行かないと絶対に撮れない。

僕は人に会うことが好きです。
一人でいる方が気が楽で好きですが、人に会うのも同じくらい好き。(長く一緒にいるのは苦手。)

オンラインでほとんどの事が出来てしまう時代だからこそ、「会う」「行く」ことに大きな価値が生まれる。会うことでしか感じられない空気感、手触り感、温度感、ぬくもりがある。

お仕事も生きることも人と人との信頼関係で成り立っているし、それ次第で精神的にも経済的にも豊かにも貧しくもなりえると思っています。

僕は、人に会いたい。人が好き。

自然のそばで自然体で働き暮らすいろんな人に会えるカメラマンのお仕事って最高じゃないですか。

戦略的なことを色々書きましたが、僕が自然派カメラマンをやりたかった理由はそれが一番大きいです。知らんけど。

スキルや経験の掛け合わせも大事ですが、一番の軸となるのは価値観や人生観だとも思っています。

僕の一番の強みはたぶんその想い、価値観、人生観。

一歩踏み出し、積み重ねる。

5年くらい前にはじめて移住や独立を意識し始めた頃は、自分で開業起業してちゃんと稼いでいけるイメージなんて全くできませんでした。

縁側で本を読む息子

当時は写真も完全に趣味のレベルでしたし、それを仕事にしたいなんて恐れ多くて口に出せなかったです。

でも、ラッキーなことに「好きなことの掛け合わせ」と「地方はブルーオーシャン」という考え方を知ることができ、少し勇気を出して行動してみました。

登山仲間に「練習したいからちょっとモデルになってもらっていい?」と言ってみることから始まって、そこから小さな小さな積み重ね。

大きな公園や人気のハイキングコースで見ず知らずの人たちに「カメラマン目指しているので練習で撮らせてください!」と声をかけてまわったり。

それを続けてみた結果、今の自分が出来上がってきました。

地域内では「サニーさんに撮って欲しい!」「サニーさんに相談したい!」というお声もそれなりにいただけるようになってきました。

本当にありがとうございます。

僕もまだまだ駆け出しなので偉そうなことは言えませんが、ちゃんと考えて小さくても行動さえすれば「やりたい」「なりたい」は実現していくんですね。

・「好き」「得意」を掛け合わせて考えてみる。
・小さくでいいので言ってみる、やってみる。
・誰になら、どこでなら、必要としてもらえるか考え調べる。

そうして過ごせば、理想に近づいていけるかと思います。

僕もこれからもそうしていきます。

やりたいこと、なりたい自分、がありすぎてワクワクします。口に出して行動さえすれば全部実現していくなんて最高じゃないですか。

あなたも理想の姿に少しでも近づいていけることを願っています。応援していますし。僕も頑張ります、楽しみます。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

※この記事は2021年に書いたものを加筆修正して転載したものです。

暮らす町を背に、大好きな山頂にて。





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