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2/3 Syrup16g 【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】 所感

2021/2/3
Syrup16g 【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】
@USEN STUDIO COAST

結果的に開始から1年以上の長丁場となったシロップのツアーの最終公演。行ってきました。
まずはセトリから。

1.もったいない
2.手首
3.末期症状
4.Good-bye myself
5.Mouth to Mouse
6.You Say 'No'
MC
7.哀しき Shoegaze
8.I'm 劣性
9.夢
10.ハピネス
11.Thank you
12.Your eyes closed
〜EN1〜
13.光のような
14.神のカルマ
15.生活
16.落堕
〜EN2〜
17.翌日
〜EN3〜
18.Reborn

今回のライブの経緯やコンセプトについては前回の記事に書いたので割愛。

前回はAブロック(アリーナ)のほぼセンター3列目ぐらいだったけど、今回はBブロック後方下手側の3段目ぐらいのエリア。
偶然にも前方の2人分のスペースが不在だったため、見え方の面では、全体像がはっきりと把握できて問題無しだった。
演者をはっきりと観るならばもちろん前方のほうがいいけれど、単純に音響の面だとやはり後方のほうが映えるなぁ。特にコーストは音が良い箱だしね。

1曲目は「もったいない」から。やっとここまで来られたという充足感なのか、これと次の「手首」では完全に泣いてました。そんな泣くような曲でもないのにね。笑

続いてコーラスの掛かったアルペジオのイントロが印象的な「末期症状」が始まる。実は結構好きな曲上位なんだけどライブで観るのは多分初めて。
というかHELL-SEE曲ってなにかとあまり近年のライブで演るイメージが無いので嬉しい。

続いて聴き馴染みの無いイントロが始まったと思ったら「Good-bye myself」だった。このライブアレンジも良いね。ブレイクのマキリンのベースもキレッキレ。

「Mouth to Mouse」を挟み、まさかの「You Say 'No'」。メロディアスなアルペジオと美メロに淡々としたドラムロールが載る佳曲。まさか観られるとは、、かなりのレア曲だよねこれ。

続いて中畑のMC。冒頭の「聞こえます、(声出しNGだけど心の声は)聞こえますよ!」は、この昨今のライブ事情を考えると感動ものだった。

「哀しきShoegaze」では小気味いいシャッフルリズムが心地よく響く。途中のギターフレーズをちゃんと弾ききれないのが五十嵐クオリティ、、笑

続く「I'm 劣性」は、歌詞の「30代いくまで生きてんのか俺」を「五十路いくまで生きてんのか俺」と改変していたのが面白かった。
この曲の道中のブレイクでギターの音が途切れるトラブルが発生。おそらくエフェクターのパッチケーブル類のトラブルだったと思うんだけど、これが後々まで後を引くこととなる、、

機材類にやや不安を残しつつも「夢」が始まる。
シロップの中で個人的に一番好きな曲ということもあって、これが今回のベストアクトだったかもしれん。本当に素晴らしいステージを目の当たりにすると、人はリズムに乗ることすらできずに立ち尽くしてしまうということを改めて認識した。
前曲の機材トラブルは、ギターソロや、終盤に於ける五十嵐の祈るようなファルセットでも発生するが、この曲の描写する無常感にマッチしているような感すらある。

「夢 夢 叶えてしまった」

というクライマックスの叫びも、ワンテンポ遅らせるオリジナルのアレンジによって切迫感が強まっていて良かった。

続いて今回唯一のエレアコに持ち替えて唄う「ハピネス」を皮切りに、「Thank You」「Your eyes closed」とメロウな曲を続けて本篇終了。

アンコールでは五十嵐が今回のライブに際したグッズである路頭Tシャツを着て登場。「光のような」から幕が上がった。終わると同時に「神のカルマ」が間髪入れずに始まり、ここから怒涛のセトリが始まる。
ドラムから始まるこの曲。この間隙を縫ってジャズマスターからレゲエマスターへギターを持ち替えるものの、またも音が出ないトラブルが起こる。
ここをリズム隊の二人で繋ぐものの、リズム隊から始まるこの楽曲だったのは結果的に都合よかったかもしれん。百戦錬磨のバンドだけあって違和感なく対処していたのは流石。
曲の終わりに五十嵐が「ありがとうごめん!」とトラブルを詫びていたのが笑えた。

一旦インターバルを置いて次は「生活」。バンドを代表・象徴する楽曲だけあってフロアが最高潮に盛り上がる。

続いて間隙を入れずに中畑のドラムソロからマキリンのベースソロが重なる。「落堕」だ!
今回は更に五十嵐のハーモニクスのアルペジオが続く。このアレンジは今回の一連のライブが初めてなんじゃないか。先のGood-bye〜といい旧曲でも新しい試みがあってすごくいいね。
今や定番となった、

「寝不足だって言ってんの」

のシンガロングに五十嵐が耳を当ててフロアを煽り、「ありがとう!」と応える。五十嵐にもフロアの心の声が聞こえたことだろうね。

ここでメンバーは捌けてアンコールは終わり。
ここで手元の時刻を確認すると19時40分だった。先月のライブは19時45分ぐらいに終演だったので、次で終わりかな?と思っていたところでメンバーが登場。「翌日」のイントロのギターストロークが鳴る。
この曲も締めとしてはよく用いられる曲ではあるので、え、Rebornは?とちょっとヒヤヒヤしていたものの、この曲の終了でメンバーが捌けたあとに、ローディーの人がテレキャスを出す準備をしているのが上手側に見えたので良かった。笑
いやしかしこの曲も本当いい曲だよなぁと改めてしみじみ。

そしてメンバーの退場から1分足らずでトリプルアンコールに突入。
五十嵐が感謝の気持ちを述べ、「もう本当に今日はめちゃくちゃで…お返ししたいと思って…お金以外で(小声)と思って出てきました。1曲だけ聴いてください」と「Reborn」が始まった。この曲に関しては本当に何も言うことは無いね。

ツアーの千秋楽などでのみ演奏され、解散時のラストや、実質的にバンドの復活の場であった五十嵐の活動再開ライブの1曲目など、バンドの勝負時に限って披露されるこの楽曲。
実は過去に何度もシロップを観てきた中で、未だ一度も目にしたことが無かったのだけど、やっと観ることができた。
ていうかこの曲の為に今回のツアー最終日で応募したようなもんだもんな。「夢」の時のように思わず立ち尽くしてしまった。
自分が初めて聴いたシロップのアルバムは、この曲が収録されている『delayed』だったこともあって、特に感慨深いものがある。

ちなみにライブあるあるなんだけど、この曲では絶対感動するだろうなって構えていると涙を流すことが案外なく(それが今回はこの曲だった)、予想外の曲にうっかり撃ち抜かれることが多い。それが今回アタマの2曲だった。笑

そして、緊急事態宣言により事実上のタイムリミットである20時まで5分ほどを残し、ライブが終了。感謝の気持ちなのか、トラブル続きを詫びたかったのか、五十嵐がステージの去り際に土下座をしていたのがまた笑えた。

総括してみると、先月は再結成前後の新旧をバランス良く織り交ぜたセトリだったけど、今回は現役時代の旧曲が多めに構成されたセトリだったかな。その新曲もかなり効果的に織り込まれていて素晴らしい内容だった。

間違いなく、今まで観たシロップの中でも最も素晴らしいライブだったと言えるし、ひいては今までの人生の中でも特に想い出深いライブのひとつとなりえる内容となった。
これからの人生で、こういった強い想い出となるライブがどんどん増えていくといいなぁと、改めて思った次第です。
がっちゃんお疲れ様でした。


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