俺の自戒を聞いてくれ

最近好きになって、暇さえあれば吉澤嘉代子さんの曲聴いてる。
1人で部屋で何かしてるとき、音楽もテレビもYouTubeもなにもなしの無音状態が落ち着くんだけど、吉澤さんはなんか特別。

ふくろうずの解散以降、どんな気分の時でもフィットする女性ボーカルのアーティストが見つからなくてずっと探していたので、ようやく見つけた…!としみじみ嬉しい。

昔から何故か音楽の歌詞についてこだわりが強くて、音に対して言葉がうまく乗ってないとか、韻を全く踏んでないとか、「芸術なんだから自由だろう」と言われればそれまでのことが、私にとってはノイズに感じる。

その点、吉澤さんの歌詞は、言葉選びにとても多くの時間を割いているだろうなというのが感じ取れて安心する。
彼女の感性から1ミリでも外れる言葉は振り落とされてそうなストイックさを感じるし、
かつ聴き手を置いてきぼりにしない客観性も持っていて、素晴らしい…
インタビューでその曲作りの過程を垣間見ることができるんだけど、どれもとても良いので友人たちには是非読んで欲しい。

私これまで本当に何も知らなくて、「残ってる」って曲が一番有名みたいなんですけど。
元々恋愛小説とかまったく興味なくて、なんなら結構苦手で、ジメッとヌメッとした文体も苦手だからすすんでは読まないという人間で。
だからこの曲だけ、何となくサビを聴いた感じからも敬遠してたんだけど、シャッフルで流れて聴いたとき道歩いてたのに立ち止まって聴いてしまったよ。

物語のディテールがすごすぎてもはや映像見える。
自分の記憶から作られた曲な気さえしてくる。
全然いやらしくないんだよな、だって自分の感性だから…
震えた。
インタビュー読んでください。良すぎてたまらない気持ちになった。

https://sp.uta-net.com/pickup/2017/1710_yoshizawakayoko/index.html

どの曲もキュートな世界観にうっすら毒仕込まれてて一筋縄ではいかない女性ばかり出てくるのがすごくいいなって思うし、毒までいかないにしても恋愛におぼれてるはずなのにどこか俯瞰で見てる自分がいたりとか、愛してるけどたまに刺したくなるほど憎いとか、そういう感情がそっと紛れこんでいるのがリアルだなと思う。

で、もうほんとここ何週間かぐるぐる考えてたので聞いて欲しいことがあって、
私、結構最初の方に「綺麗」って曲を聴いてめっちゃ衝撃を受けたんですよ。
ぜひ聴いて欲しいんですけど。

うまくいかなかった何もかも未遂の恋、でもその瞬間あなたに恋してた私の綺麗な姿があなたの記憶に少しでも残っていたら嬉しいな、みたいな曲…と私はそう解釈したんですけど。

恋愛(未満?)のその一瞬を切り取ってこんなにキラキラギラギラ加工させて、明るい曲のふりしてるのえげつないじゃん!!罪深いわ〜!と思って、めちゃ唸らされて。
音楽にこういう表現の可能性があったのか!という感嘆にも近い。

で、調べてたら、「結婚式で使った大好きな曲です!」って書いてる人がいて、それがあまりにも衝撃で。
いやわかる。わかるよ。キラキラしてて、サビとか使えそう、でもさ、よく聴いた!?最後まで聞いた!?ってなっちゃって。
小田和正の「言葉にできない」は結婚式で使われるけど実は別れの曲だ、ってもはや有名なのかなと思うんだけどあれと同じこと起きてる!と思って。
いやいいんですよ、いいの、自由なんですよ、自分の結婚式に自分の好きな曲使うのが一番ハッピーで誰も口出しできる権利なんてないんで、それをどうこう言いたいわけじゃないんだけど、なんか…

受取り手としても誠実でありたいなって思った事件だった。
そう、結論ただの自戒なんですけど。
受け取り方なんて100人いたら100人で違ったっていいんだけど、自分なりに誠実に向き合いたい。

この話をTwitterに投稿したら、友人に「私、結婚式の二次会で使ったんだけど。そういう書かれ方してショックだった」と面と向かって言われるという悲惨な夢を見てしまって起きてからも一日辛かった。
こういうときどうしたら良いんですかね。言わなきゃいいのか、何も。って不貞腐れるのも違うし、ね、でも、そう、はぁ…疲れた

でもやっぱり誠実なものづくりをしている人を見ると感動で震えるし、私もこういう風に仕事をする人間でありたいな、自分が自分を好きでいるために。と思う。

吉澤さん…ぜひ今年中に一度でもいいから生で歌を聴きに行きたいなぁ…
素敵な女性の存在で明日も強く生きようと思える。感謝。
私のnote、オチが雑がち。