衝撃(Set Me Free Pt.2)

パク・ジミンの初ソロアルバムFACEのリードトラックとして先行配信されたSet  Me Free Pt.2MVを見ての所感です。

私は音楽のことやダンスパフォーマンスについて、何も専門的知識や経験はありません。
なので完全に私が見て感じたことです。

一言で表すのであれば、衝撃。
それ以外に言葉が見つかりません。
公開されてからそれなりに時間が経っていますが
未だにその衝撃は私の中に残っています。
始まりから終わりまで、ずっと胸とみぞおち部分がギュッと詰まるような
重みのある衝撃があります。
所見から時間は経っていますが、今見ても感じる衝撃です。
切ないのか哀しいのか驚きなのか
そのどれもが何処か違う気さえする、そんな不思議な感覚です。

この衝撃は、決して嫌な感じはなく
自然と体に馴染むような
まるで自分の中に元々あったもののような、そんな気さえするのです。

重く響くようなイントロと全体的に暗い映像
激しいダンスとラップや、ジミンの独特な声質。

たしかに今までのジミンとは、かなり毛色の違うものでした。
だけれど、違うと言うには違和感で
どちらかというと、防弾少年団の色が強め、という印象だと感じました。
ソロなのに、グループの色がしっかりと出ている感じ。
そこに、ジミン独特の歌声が相まって
グループとも、今までのジミンとも違うと言う感じでしょうか。
なんとも形容しづらく、私は未だにどんな言葉で伝えればいいのかわかりません。

イントロでのジミンがこちらを振り向いたあの一瞬、私は息を呑みました。
あの一瞬の静寂には、確かな重みが存在しているような感覚です。
そしてイントロの激しさと重みに、更に迫りくるものを感じたり。
そのときの、ダンサーさんたちの間をゆったりと歩くジミンは
まるで雑踏の中に取り残されているようでもあり
はたまた走馬灯の中にいるようでもあり
もしくは、自らの感情に振り回され迷子のようにも感じたり。

そして、ジミンが集団から一人歩きだし始まる歌。
そしてその歌が始まった瞬間
私は胸とみぞおちに衝撃を感じました。
声のトーンは今まであまりなかったもののように感じます。

そして、そこから先その衝撃は畳み掛けてくるように私に重なり
曲が終わって画面が暗くなると、ようやく息を吐いたような心地になりました。

訴えかけているようでもあるし
自分に問いただしているようでもあり
私達に問いかけているような感覚もあり
なんとも言えない不思議な気持ちになりました。

それから、何度見てもこの感情、この衝撃が何なのか
答えは見つからず、だけど確かに私の心に大きな存在感があって
すごく不思議な気分でした。
余韻が一向に抜けないんです。

いろんな方の考察やダンス解説を見ましたが
はぇ〜なるほど〜という、なんとも腑抜けた言葉しか出てこなくて。
数日後にある方のダンス解説の動画を拝見したのですが
その方が、これは芸術作品です!オペラとか、クラシックとか!
とおっしゃっているのを聞いて
なんだかとってもしっくり来たんです。

ジミンは表現者であると、度々思っていましたが、まさにその表現者パク・ジミンの真骨頂がここで発揮されたといった感じなのだと思いました。
一つの舞台を見終わったあとのような、なんとも言えないあの疲労感と表現できない感情の波の余韻。
この曲やMVには、その時のジミンの葛藤や苦悩もがき焦り不屈の強さが
これでもかと詰め込まれているんだと。
それを曲だけでなく、ダンスという表現を使って、細かいディテールから伝えている
表現しているのだと。

そうやって、ようやく少しだけ噛み砕けた私は
もう一度改めてMVを見たんです。
全体ではなく、できる限りジミンにフォーカスを当てて
歩き方、手の震え、体の倒し方、拳の上げ方、視線の投げ方
小さい仕草まで見逃さないようにと。

映像が終わると同時に、ほぅ、と感嘆のため息を一つ。
本当に舞台を見ているようでした。
パク・ジミンという人の舞台。
色んな感情が目まぐるしく過ぎて行くような
壮絶な物語だったように感じました。
本当に彼の内面を覗いたような、そんな気持ちです。

改めて、表現者パク・ジミン、本当に素敵なものをありがとうございます。
この一言に尽きる思いです。

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