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マレーシアで働くフィリピン人メイドに、冬のボーナスを渡すべきか否か

マレーシアでフィリピン人メイドを雇っている皆さん、この時期こんなことを言われたりしませんでしたか?

「ボーナスもらえますか?」
「サーティーンマンツペイメントもらえますか?っていうかくれますよね?」

12月は、フィリピン人にとってとてもとても大事な月です。
カソリック=クリスマス、という観点でももちろん大事ですが、そんなことよりも圧倒的にこれ。

フィリピンだと12月は「ボーナス月」なんです。

これは風説とか「なんとなく」ではなく、労働法で定められています。
基本給の1ヶ月分。確か12月10日までに支給…だったかな。パフォーマンスとか関係なく、「1ヶ月分」は必ず出さなければいけません。

フィリピン国内で働くメイドも、雇い主がまともであればキチンとボーナスをもらっているはずです。

表題で「冬のボーナス」と書きましたが、正しくは、「13th month payment(サーティーンマンツペイメント)」と言います。諸説あるので、気になる方はググってください。

で、今回のnoteのキッカケは、友だちから「フィリピン人メイドに対するボーナスについて」聞かれて回答したあとに、フィリピン在住経験の記憶が薄れる前にnoteにしたためてこうと思って、それで「マレーシアで働くフィリピン人メイドに、冬のボーナスを渡すべきか否か」考察してみました。

■ボーナス時期のフィリピン人メイドあるある

まぁこれは余談ですが、事前知識として。

彼女たちのありがちなパターンとしては、

・ボーナスの額やもらったプレゼントでメイド同士マウンティング
・もらったお金やプレゼントの写真をFacebookにアップする
・ボーナスの額やクリスマスシーズンの扱われ方次第では、次の転職先を探す
・または年明けからバックレ

現金の写真を撮ってアップするって、日本人の常識だとたぶんありえないんですけど、彼女たち、やります。
昔フィリピンで雇ってた子には、「Facebookにシェアされると、お金持ち扱いされて襲われるリスクがあるから、お願いだからやめて、あなたのことが心配で」と10回くらい言って、写真の投稿を辞めさせたりもしました。
(当時のメイドとはFacebookで繋がっていたので。っていうか今でも繋がっている)

で、ここからが本題ですね。

※いちおう書いておくと「メイドビザで働いているフィリピン人」という前提なので、インドネシア人メイドや、マレーシア人のお掃除おばちゃんや産褥アマさん、また「結婚して配偶者ビザとかで暮らしているフィリピン人」などには当てはまりません。

■なんでマレーシアで働くフィリピン人メイドが、12月にボーナスを要求するのか

たぶん根拠はないです。「フィリピンでは12月になったら雇い主がボーナスをくれたから、ここでもくれるでしょ?だって私はフィリピン人だもん」とか「ってゆーかクリスマスだし、くれるのが当然でしょ?」というレベルだと思います。
あるいは、メイド同士のネットワークでマレーシア歴の長い先輩が「ダメ元で要求してみろ」って教えてくれたりとか。

■そんな彼女らに対し、マレーシア在住の我々がボーナスを渡すべきか

法律って観点だと、義務ではありません。

■じゃぁ渡さなくていいのか

「明日からこなくなってもOK」ってレベルの関係性なら、あげる必要はまったくないです。
でも、長く働いてもらいたいなら、お気持ち程度に少しは包んだ方がいいんじゃないかな〜〜〜〜とは思います。
パフォーマンスを正当に評価してそれに応じた給与なりボーナスをあげるのも大事ですが、それとは別に、自分の家で働いてくれているメイドが「クリスマスにお小遣いもらって美味しいもん食べてる友だちがいる一方で、自分は何ももらえなかった」って状況が、私はかわいそうだな〜って思っちゃうというか。フィリピンに長いこと住んでたので、12月のボーナスの重みもわかるというか。

あと、職場を掛け持ちしている通いのメイドだと、「誰それさんちではくれたのにSuniさんちはくれなかった。マジでケチだわ」みたいなことを吹聴されかねないので、そこのところも念頭に置いて判断するのがいいかも。

■あげるなら、お金?

そりゃーもう、お金が一番です。
でも、あげすぎると市場原理が崩壊するリスクがあるので気をつけてください。具体的には
「うちのメイドから、『Aさんの家でおいくら万円もらった』って聞いてビックリしちゃったわよ。なんでそんなにあげるのよ。おかげでうちも同じ額をあげるハメになっちゃったじゃない」
みたいなケースです。これがエスカレートすると、その地域一帯の「通いのメイドの給与相場」も上がっちゃいます。
なので、「最大で、給料1ヶ月分」って感じですかね。
あとはモノ。お菓子とか。お下がりのバッグとか服とか、使わなくなった化粧品とかでも(本人がアリなら)OK。特にブランドのロゴがこれ見よがしに見える系ならなおさら。

誰かしらとメイドをシェアしてるなら、何をあげるのか、いくらにするのか、ってのは事前に合意しておくことをオススメします。

そうそう、メイドが7月から働き始めたような場合だと、1ヶ月満額じゃなくて全然OKです。1年間を通じて働いた期間に応じてカット、でも全然大丈夫です。

何かしらのプレゼントでも全然OKです。モールで売ってるようなお菓子の包みとか、「彼女たちがFacebookでドヤ顔できる品物」がいいと思います。
まぁでも、一番喜ばれるのは、「お金」です。

ここで大事なのは、
「今年やったことを、来年も同じこと(またはそれ以上)を期待される」

です。前年より悪かったら、塩対応されたとみなされます。
テストに出ますからね〜おぼえててください〜。

■塩対応したらどうなるか

・他人の家で「あそこはケチ」と吹聴される
・仕事のパフォーマンスが落ちる
・ある日突然来なくなる
・家のモノをパクられ、あげくバックレ

って感じでしょうか。
あと、通いのフィリピン人メイドを雇ってる方々は、だいたいが「誰かしらがビザサポートしているメイドを勝手に雇ってる」状態と思うんですけど、そういう状態のメイドに給料を払って働いてもらうのっていちおうNGなんですね(逆の目線でいうと、外国人メイドが雇い主以外から給料をもらうのがNG)。で、こういう弱みがある状態でメイドに逆恨みされた場合、「あそこの家で不法就労を強要された」みたいな感じででっちあげられてイミグレに通報されるリスクがあるんですよ。もしくは「イミグレに通報されたくなかったらお金ちょうだい」みたいな展開とか。そんなリスク背負う子もあまりいないとは思いますが、稀に変な人がいるのも事実で、頭に血が上ったらどうなるかわからない。そういうのも念頭に置いといた方がいいです。

■我が家はどうするのか

・去年と同じこと(確か少し包んだ)
・クリスマスケーキ
・メイドの息子に、Lazadaでお菓子を買って送る

って感じかなー。エージェントと交わした契約書以外のことはあまりやりませんが、「12月だから」って理由でほんの少し色をつける程度。

■お金以外に何かをあげるとして、、、

「彼女のスキルアップのための会計の本」
「彼女が欲しいというので、もう使わないシャネルの口紅」

さて、どちらが喜ばれるでしょうか。

圧倒的に「シャネルの口紅」です。

会計の本なんてもらってもドヤ顔できませんが、シャネルの口紅なら、Facebookやインスタでドヤ顔できるじゃないですか。

「何をあげるか」というのはそういうことです。


以上、マレーシアで働くフィリピン人メイドに、冬のボーナスを渡すべきか否かっていう考察でした。参考になりましたら幸いです。

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