工業高校から豊橋技術科学大学への推薦入試について+α

こちらは TUT Advent Calendar 2021 11日目 の記事です。

はじめに

はじめまして。
私は(令和3年度現在)豊橋技術科学大学 知能・工学過程3年の者です。工業高校からの推薦入試で入学しました。そのため、入学してから3年目となります。

記事内ではこの推薦入試について出来るだけ詳細に書いていきます。
+αにも力入れます。期待してね。

この記事を書こうと思ったきっかけとしましては、

・推薦入試についての情報がネット上に殆どない
・工業高校から大学を受験しようとしている人を応援したい

などです。
つまり、技科大生向けではなく受験を考えている工業高校生向けの記事となります。+αは全体向けです。

筆者について

筆者って表現がなんかモヤッと来る感じがありますね。間違ってはないはずですが。

それはともかく、高校生の頃のことを記載します。

私は、埼玉県の総合高校出身です。総合高校というと馴染みがないと思いますが、工業系の学科以外に服飾科や食物調理科などの学科もある高校です。

推薦入試に挑戦しようと思っている高校生は、どれくらいの成績で、どのような資格を持っていて、どのような勉強をしていたのか。といったものが気になると思います。

それを以下に示します。


成績

一年 4.3 二年 4.3 三年 4.7
5.0が最大です。悪くはないですが、とても成績がいいかと言われると微妙な部類であると思います。今考えると、一、ニ年は手を抜きすぎでは?
高校生の皆さんはもっと真面目に勉強しましょう。

資格
・基本情報技術者試験
・英検2級
これらとは別に高校で受けさせられた資格がありましたが、あまり覚えてないのと、同級生がほぼ全員持ってるような資格なので割愛します。

賞罰についても書きます。


賞罰
・埼玉県工業高校プロコン 最優秀賞
罰はないです。

受験するにあたっての勉強については後に記載します。

なぜ技科大へ?

なぜ埼玉からわざわざ愛知の大学へ進学したか疑問に思うと思います。
思いますよね?
理由は単純です。学費が安いからです。

そこで私はせっかくなら金がかかる私立より国立に挑戦してみるかと思って受験しました。

私の出身高校の同学科では、クラスの半数の人が就職をして、残りは専門学校や大学進学を選択していました。
大学に進学する人の大半(というか全員)は一般入試ではなく指定校推薦、公募推薦、AO入試を用いての受験という形です。

しかし、クラス内で公募推薦を使ったのは私だけでした。なので、殆どは指定校とAOのみです。仲間がいなくて悲しかったです。

受験対策

ようやっと本題って感じですね。
その前に、募集要項を見てみましょう。

※以下は””令和4年度入学者向け””のものを参考にしています。

令和4年度第1年次入学者選抜に関する要項
https://www.tut.ac.jp/exam/docs/yoko_b1.pdf

募集人数

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募集人数は、各過程で3名ずつとなっています。私の受験する2年ほど前までは5名ずつだったのですが、GACコースが創設されたことで推薦の人数が圧縮されました。

出願資格

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工業高校を卒業するのであれば、このあたりの出願資格は問題ないと思います。

入試方法

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入試では、小論文、面接、素養調査の点数によって合否が決まります。素養調査で必要な科目は、「数I」と「コミュ英I」のみです。一般入試で入学した人たちの5教科7科目と比べると鼻くそみたいなモノですね。

配点

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配点からわかるように面接に最も比重が寄っています。次いで推薦書・調査書となっていますが、これは高校生活の取り組み方にかかっているので真面目に勉強をして問題を起こさないようにしましょうテストでいい点を取りましょう

受験準備
まずは、受験資格を確認しましょう。資格がなかったら元も子もないので。


素養調査 (数学)
範囲が「数Ⅰ」のみであるため、「数A」のことは考えなくていいです。
私が使っていた参考書は「数学I・A 基礎問題精講」です。

これを始める前に高校で購入する数学Iの教科書とワークで少し復習をしてからやることをおすすめします。数学Iの内容を思い出しましょう。
私の兄が「数学I・A 標準問題精講」を持っていたので最初はこちらでやっていましたが、難易度が高すぎてとても解けるものじゃなかったのでオススメしません。オープンキャンパス時に基本的な問題しか出さないと、おっしゃっていたのでその言葉を信じて基礎問題精講をやりましょう。

特に重要だと思う単元は、方程式三角関数の単元です。このあたりが、数学Iでの重要単元となっており、二次不等式、三角不等式は問題として出されていた覚えがあります。統計の問題も出ていたので、範囲は全て満遍なくやりましょう。参考書を何周もすれば完璧になるはずです。

現在、「数学I・A 入門問題精講」という基礎よりも易しい参考書が出ています。こちらからやってみるのもいいかも知れません。

素養調査 (英語)
申し訳ないのですが、英語に関しては全くと言っていいほど勉強していませんでした。英検2級も受かったし、ろくに対策しなくてもコミュ英Iの内容なんて余裕だろって思ってました。
実際簡単だったので特に問題ありませんでした。

これでは記事書いている意味がないので、私が使った参考書を貼ります。
文法の参考書としておすすめなのは「大岩のいちばんはじめの英文法」です。

実際この参考書はTOEICの点数を上げたいと思った時に文法を勉強し直すために買ったものです。
本の表紙に書いてあるように中学レベルからやり直せます。
分かりやすく説明されているので基礎の文法が理解できると思います。

文法を覚えると同時に単語を覚えることも必要になります。
私が持っている単語帳は完全に英検やTOEIC用なので参考にならないと思いますが、それ以外のものでおすすめしたいのは、「キクタン【Basic】4000語レベル」です。

本当に基礎の重要単語がこの単語帳で学べるのでこれで基礎単語力をつけるのが良いと思います。ひたすら反復・音読して学習しましょう。
特に動詞を覚えるときはその単語がどのような文型を取るのか意識しながら覚えると単語が問われた時に答えを見抜きやすくなります。

小論文
小論文の構成を覚えて過去問などを使って実際に書いてみましょう。
私は参考書などは使ってないですが、あれば良いかも知れません。
書いた小論文は、国語の先生などに見せて添削をお願いしましょう。出来れば、複数人の先生にお願いするのが良いです。

小論文課題は過去2年分であれば大学のホームページから閲覧できます。
多分これだけだと少ないので、長岡技術科学大学の小論文課題なども利用すると良いと思います。テーマでいうとこちらのほうが難しいです。

面接
配点が一番高いので一番重要です。
ひたすら練習しましょう。私は受験までに高校の先生20人以上とやりました。
自己PRで話せる内容と、大学でやりたいことはある程度結び付けられるようにしたほうが良いと思います。
面接を担当する先生によって質問は異なると思いますが、どんな質問が来ても対応できるようにしましょう。それがめちゃめちゃ難しいと思いますが。

面接の最初には数学Iの口頭試問があります。4問出されるので、説明しながら解けるように練習しましょう。時間は覚えてないですが多分計10分だったと思います。
この4問はどの順番に答えても問題ないです。


英語については後の+αの方で多く語ります

実際の受験

ここからは実際にどんな問題が出題されたかを記載します。
忘れている部分も多いですが許してください。


数学
二次関数の最大・最小や、三角方程式を解くような問題が出題されていました。印象に残っているのは、標準偏差を求める問題も出題されたことです。私の勘違いで統計に手を付けてなかったのでビビりました。
時間配分をしっかりすれば全部解いた後、見直しもする時間があるのでしっかり勉強しておけば大丈夫です。


英語
四択?五択?の問題を解くという形でした。
問われている単語も難しいものではなく基礎的な単語しか出題されていません。グラフから情報を読み取って、それについて正しいことが書かれている選択肢を選ぶという問題もありました。

小論文
課題は「日常生活で使用するもので自動化すると役立つものはどういう物が考えられるか(自動車の自動運転は対象外とする)」細部までは覚えていませんが、このような課題でした。

私はこの課題でやらかしました

家の施錠を自動化すれば良いということを書いていたのですが、「施錠」の「錠」の漢字が思い出せず、「施」と書いていました。
完全にやらかしていますが、なぜか大丈夫でした。誤字自体にはあまり減点がつけられてないのかもしれません。

面接
面接は住所が遠くのところから順番に行われます。そのため、埼玉県からの私は2番目でした。
面接の部屋には3人の先生がいます。入ってすぐ数学の口頭試問が始まって、問題の答えをホワイトボードに書いていく形になります。
私は4問中3問と最後の問題の方針を示したところで終了となりました。

出題されたものは、二次関数の平行移動や、ある長さが与えられてその長さに対して直角三角形の面積を最大にするための一辺の長さを示すといったものでした。

それが終わってから面接に移行するという形になります。
まずは自己PRをしていきます。私は、課題研究で最優秀賞を取ったことをメインに話していました。
その後、課題研究の内容についての質問をされ、それに対して受け答えをしました。
私は、大学でやりたいことと課題研究の内容は結びついていなかったので、「課題研究の内容と研究したいこととは何が関係しているの?」と質問され、少し考えさせてくださいと答えたら時間になっていました。

正直落ちたと思ってました。でも大丈夫でした。やったね。

全体の感想
数学と英語はきちんと勉強さえしていれば、大きな問題はないと思います。
そのため、ここでは差がつかないです。
面接対策が一番重要なのは配点からも分かると思います。

私の受験をする昨年の受験者人数は10人でかなり多かったため、私の時はそれよりも少ないと思っていましたが、受験者人数は15人でした。多すぎですね。流石にこのときよりも多いことはほぼ無いと思うので頑張ってください。

英語の勉強をしよう!

※ここからが+αに当たる部分です。

受験においても、大学生活の中でも英語は絶対に必要になります。
少しは知識をつけておきたいですよね??? 私もそう思います。

基本的な話をします。

どこから勉強すればいいのか
文法です。覚える必要がありますが、一度覚えてしまえばそこの枠から外れた文章は出ることがないため、ここを固めておくと安心です。

次いで重要なのは、単語です。文法と同列でもいいくらいです。
これが分からないと、文法が分かっていても意味が理解できません。
しかし、ただ単語を知っているというのは意味がありません。使い方を知りましょう。以降はその話です。

動詞の文型
文型ってなんだ?って思う人もいるかも知れませんが、「この動詞は第○文型」などの言葉を聞いたことがある人がほとんどだと思います。
単語だけ知っている意味がないというのは文型が関わってくるからです。

第一文型 S + V
第二文型 S + V + C
第三文型 S + V + O
第四文型 S + V + O + O
第五文型 S + V + O + C

主語(S) + 動詞(V) 補語(C)が付いたり、目的語(O)が付いたり、どちらもつかなかったり、合計5つの文型があります。

動詞に関して、その単語がどの文型に当てはまるのか考えながら覚えることが大切です。なぜそれを覚える必要があるのでしょうか?

具体例を出します。

"go""visit"の違いはわかりますか?

go   → 行く
visit → 訪れる

このように覚えていませんか?
似たような意味ですが、これではダメです

go   → 行く
visit → ~を訪れる

"go"というのは「~へ/に 行く」という意味を持っていません。「行く」という意味のみです。

対して"visit"は「~を訪れる」という意味で、"visit + (場所の名前)"のように直接目的語を置きます。
つまりこれは、第三文型です。
この、直接目的語を取る動詞を他動詞といいます。
殆どの単語がこの"他動詞"となります。
(厳密には第一文型の形も取れますが試験で問われることはないです。)

"go"に「~へ/に 行く」の意味をもたせたい場合には、"go + to + (場所の名前)"のように前置詞"to"が必要となります。
動詞 + 前置詞 → 第一文型となります。
この、直接目的語を取れない動詞を自動詞といいます。

他の例として "live"と"inhabit" , "lie"と"lay" , "rise"と"raise"などがあります。

"go home" って言いませんか?という話
"go home"
 は文法的に変ではないか疑問に思いませんか? 思いますよね。 わかります。

「家に帰る」であれば"go to home"が正解のような気がします。
実は"go home"で合っています。

"home"という単語には「家」という名詞以外にも、「自宅に/家に」という副詞の意味があります。

副詞≠目的語ですので、目的語を取っているように見えますが、あくまで、動詞(または文全体)を修飾しているだけとなります。
第一文型の形です。

"go to home"でも正解かと言うとそれは違います。
それが自然ではないからです。
"home"という単語に前置詞"to"が含まれていると考えてもらえれば問題ありません。

難しく思えるかも知れませんが、単語の品詞を覚えることで理解が深まると思います。


前置詞と接続詞
2つの違いがわからないよって人もいると思います。
説明します。

前置詞というのは、それ以降に名詞または名詞句が入ります。文章を続けることは出来ません

名詞句というのは2語以上で名詞を説明するものを指します。文構造を持たないものです。(S+Vのように文にならない)
"a white T-shirt""playing video games"などです。2語以上で名詞を説明してます。

接続詞というのは、それ以降に完全な文章が入ります。

具体例です。

I stayed in Hokkaido during summer holiday.
(私は夏休みの間北海道にいました)
I stayed in Hokkaido while my father was in Tokyo.
(父が東京にいる、私は北海道にいました)

2つの単語とも、「~の間」という意味なのが分かると思います。
しかし、"during"前置詞"while"接続詞です。

"during""while"の後の文章に注目してください。

"during" は "summer holiday"という名詞句と、"while" は "my father was in Tokyo" という独立した完全文という形になっています。

同じ意味の「~の間」であっても、どちらを使うかはその後の文が完全文なのか、名詞句なのかによって決まります。

"while"には「~の一方で」という意味もあります。こちらも重要な意味なのでぜひ覚えましょう。例文ではこちらの意味でも取れるように考えました。この文章だとどっちなのか判断しにくいですね。
(「~の一方で」という意味の接続詞は "whereas" という単語もあります。硬い表現です。)

"While + ~ing"という形もあります。
こちらの表現は、文頭のSと"while"以降のSが一致する場合です。

I usually listen music while studying English.
(私は普段、勉強をしている間、音楽を聞いています)

"I study English"が省略されて、"studying English"となっています。

接続詞以降の文というのは、文の先頭に持ってくることが出来ます。

接続詞 + S + V, S + V.

見たことある形だと思います。感覚としては、「カンマ以降の文」を「接続詞からカンマまでの文」で情報を加えてる感覚です。

しかしこの使い方には大きな落とし穴が一つありますが詳細は省かせてもらいます。「時や条件を表す副詞節」などで調べてみてください。

他の前置詞と接続詞で意味が殆ど同じのものをいくつか紹介します。

[前置詞 / 接続詞]
despite, in spite of / although, even though, though
(~だけれども, ~にもかかわらず)
due to, thanks to, owing to, because of / because, (as, since)
(~なので, ~だから、~のおかげで)
without / unless
(~なしでは, ~でない限り)

太字のところは特に重要であると思うものです。


接続詞と接続副詞

前置詞の意味の「~にもかかわらず」というと、"but"と近い意味の言葉に思えますよね。
"but"と近い意味の単語で"however"も聞いたことがあると思います。
そこで、品詞を見てみます。

"but"接続詞です。
では、"however"は何でしょうか?

"however"副詞です。接続副詞と呼ばれるものです。
"接続詞のような役割をする副詞"という認識で問題ありません。
この接続副詞文頭、文中、文末のどこにでも置けます。

しかし接続詞ではないので、以下のような使い方はできません。

誤った文法
However + S + V, S + V.
S + V + however + S + V.

これは接続詞の使い方です。接続副詞にはこのような使い方はできません。

接続副詞は以下のように使います。

正しい文法
S + V. However, S + V.
S + V. S + V, however.
S + V; however, S + V.

接続副詞の前後には、必ずカンマやセミコロンが必要となります。

実際に入試の問題などでは"but"よりも"however"を多く目にします。
これは、"however"は硬い表現だからです。文語で好まれます。

重要な接続副詞をいくつか紹介します。

however, nevertheless, nonetheless, notwithstanding
(~にもかかわらず, しかしながら)
additionally, moreover, furthermore
(~に加えて, 更に, その上)
else, otherwise
(さもないと, そうでなければ)
accordingly, consequently, therefore
(従って, それ故に, その結果として)
for example, for instance, namely
(例えば, 例を上げると, 言い換えると)

太字の表現は様々な文章を読んでいると頻繁に目にすると思います。最重要な表現なので絶対に覚えましょう。


他にも関係代名詞や、分詞構文など、書きたいことは山ほどあるのですが、流石に長すぎるので(ここまででも十分長いですが)なにかの機会があったらまた記事を書こうと思います。


おわりに

いかがでしたか?
+αに力を入れようと思っていたら、めちゃめちゃ長くなってしまいました。申し訳ありません。
受験を検討している方に少しでも役に立てて貰えれば幸いです。

推薦入試についてわからないことや、もっと詳細に記載してほしいことがあったら、私のTwitter (@sunflo_hn) または(@1337_ggwp)にDMをください。答えられる範囲で答えます。

この自己満足記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。

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