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「クオリティ真紀子と将来と水圧」

プリマと私は、デュエットをしたの。

誰もが知ってるジャズの有名な曲を。


久しぶりに歌を歌って、とても気分が良かったし、プリマは私のメロディーに何度も多彩なメロディーを重ねて来たから。

凄い、音楽になった。


他の乗客達からも、大喝采の拍手をもらって涙が出そうになった。


やっぱり、歌っていいなぁって思った。


毎晩、楽しかった。プリマのおかげでノースサイレント号は、とっても陽気な空気に満ち溢れていたわ。


そんな旅もね、そろそろ終わりに近づいた頃にね、プリマは乗客のひとりひとりに握手をしてサインを書いてたの。乗客の人達は、それぞれ別れをとても惜しんでた。


みんなが列車を降りたのは、とても大きくて美しい湖がある街だった。


そこで、余暇を楽しむの。


ネッシーって知ってる?


その湖には、大きな恐竜がまだ生きていて、たまに顔を出すんだって。


それを、みんな見たいんだって。


びっくりよね?


だってそうじゃない?


そんなの絶対居ないよ。本当に居たら、めちゃくちゃ可愛いそうよ。ずっとひとりで、自分だけが、色んな時代を生きてしまって、仲間は誰ひとり居ないのよ。

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