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カフェにて。

第6話  「甘くないけど」



どう?

美味しい?

そうそう、そのナイフは切ったらおいて。

甘いでしょ?

私が小さい頃は、こんなの無かったの。

お砂糖は、小判のようなものだったのよ。

それね、シロップっていうの。

もっとかけていいのよ。

まだ、たくさん入ってるんだから、好きなだけかけなさい。

あなたの好きなだけ。

え?

お母さんは、要らないのよ。

だって、最近ね、なんだか帯がきつくてね。

そんな事ないわ、痩せてなんか。

痩せてなんかいるもんですか。

昔は、もっと細かった。

お母さんの家は、暮らしの厳しい家でね。

毎日、必死だった。

食べるのに。

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