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カフェにて。

第4話 「君をスターにして」

君を初めて、鹿鳴館で見た日の事は今でも忘れられない。

君のダンスは誰をも巻き込んで、いつまでもゆらゆらと美しく飛んでいる蝶のようだった。

僕は、もう君以外には考えられない。

君は、必ず、大きな舞台に立つんだ。

何とかお願いだ。

是非、もう一度、考え直してくれ。

僕は、この先、映画という物を作るんだ。

そこには、必ず君のような人が居て欲しい。

出自や、家柄。

そんなの心配しなくていい。

生まれや、育ちなんて映画には全くもって関係ないのだから。

必要なら、でっち上げればいいだけだ。

それに、家柄なんてものは、もうこのお国には必要ないんだ。

だってそうじゃないか?

もう、時代は変わったんだから。

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