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第4話「MCサマーの甘いわけ」

ダセー。

ひと言で言うとね。これなのよ、チェリーは。

ガキの頃から全然変わってなかったのよ。

砂浜で久しぶりの再会してさ、チェリーの軍団が、俺が助けた金髪の青年、有無も言わさず捕まえてさ〜。

何の説明も無しでさ。


しかも、その軍団のネーミングセンスよ。


チェリオ軍団だぜ!

わかる?このなんつ〜か、思春期の発想なのよな、チェリーは。昔から。

ガキの頃なんか、好きな女の子に、よれよれの薔薇1本持って告白してさ〜。んで、速攻でフラれんのよ。んで、その後、波止場で泣きながら葉巻き吸ってんのよ。


まだ、ガキなのに夕陽に黄昏れてんのよ。


んで俺がさ、チェリー!元気だせよ!
あの子は、この町の子じゃねぇんだ。
チェリーの良さなんて分からね〜よ!

つって励ましてあげたのよ。

そしたら、チェリーが、急に胸ぐら掴んできてさ、おめぇにあの娘の何がわかんだよ!

とか言って、そのまま海にほり込まれたのよ。
俺。

励ましてあげたのに。 びしょ濡れ。
 

チェリー、その後、ずっとあの町のせいにしててさ〜、俺達の町は、奪われるか奪うかだ! こんな町で恋なんて出来ね〜よバカヤローー! とか言ってスネてたのよ。


いやいや、おめえのファッションだよ! おめえのファッションが片思いを加速させてんだよ!って俺が言ってもさ〜、ポリシーがどうのこうのゆうわけよ。

んで、イナタイ昔のアロハシャツ着てんのよ。

ま、それはい〜んだけど。

砂浜で、あの金髪の青年はチェリオ軍団が連れて行ったのよ。

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