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「阿部チェリーの忘れないで欲しい事」

俺と、小さな相棒、アイシー少年はどんどん進んで行ったよ。


グローブ島へと向かって。

ジープをぶっ飛ばして。


アイシー少年は、途中で寄りたい所があるって言ったんだ。


俺は、すぐに分かったよ。

あの森の中で暮らしている女の所だ。


少し遠いが、そりゃ行きたいに決まってるさ。


もし、自分の身に、これから何かあるかも知れないって時に、誰と会いたい?


俺には、そう言う人は居ねぇけどよ、アイシー少年には、居るんだ。


おめぇさんにも、いるかい?


そうか。


それでいいんだ。誰だってそうだ。


最初に育ててくれた人なんだ。大抵は。


俺も、強いて言うなら、ジャガーだ。俺をまともな人間に近づかせてくれたからよ。

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