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snowflakeー雪結晶のふしぎを探るー

皆さんは本屋さんに立ち寄って、どんな本と「遭遇」したことがあるでしょうか。

そもそも昨今のご時世で外出そのものが控えられる中、本屋さんにもなかなか行けていない自分にとっては本屋が恋しい思いにもなります。本がとても好きな方は、沢山の価値と巡り合う旅をしていらっしゃるのだろうなと思いますし、素晴らしいことだと思います。本の虫と呼ぶには遠い私でも、やはり本屋さんは特別ですし、本とは不思議な出会いをするものなのだと感じます。それも、やっぱり「何か」を求めている人に。

「スノーフレーク」 ケネス・リブレクト著  パトリシア・ラスムッセン写真

多種類の雪の結晶の写真と、物理学的視点の両面から雪の結晶の神秘さや美しさを表現している本です。

私が大学3年生の時に、大学帰りの本屋さんでたまたま巡り合った本でした。
うだつの上がらない、いや、病気して留年が決まったこの頃はそんな一言では収まらない日々で、身体中に色んな槍がグサグサと貫いて来るような、正直精神的瀕死に近い時期を過ごしていたのです。

ただ、そうした日々というのは何か特別で、
その時期に出会った事、巡り合う言葉は、ずっと刻まれ続けてゆくのだという事も今の自分が証しているな、ということを思う一冊がこの本なのです。

本屋にいたこの日も「何か」を探していた私はこの本を見た瞬間一目惚れしていたのだと思います。

まず写真の造形も色彩も美しく、かわいらしく、
小さな一粒の結晶がこんなに違いに溢れていた事実にページを捲るごとに雪の結晶が愛おしく、
何故か救われるような思いを抱いていました。

そして各章の冒頭にあるアインシュタイン始め科学者達の言葉が、
物理学と身の回りにある世界との接点の神秘を示しており、その一言一言がこの本の魅力を詰め込んで銃で撃たれたようなトキメキが詰まっているのです。

その中で最も印象的であった一つが
太陽が消滅するまで地球上で雪が降り続けていても、全く同じ形を成した雪の結晶は存在し得ないという事実です。(どのように定義するか、という考案でもあるとのことですが。)

まだまだ世界には知られざる事象に溢れていることを本を通して触れることが出来て
「あぁ、もう少しこうした事を知るために生きていきたいな」と色々思い直せた瞬間、私にとって未知との「遭遇」を叶えた時なのでした。

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