プライムニュース⑤

6.抗体カクテル療法について(その1)

先ほどの続きです。抗体カクテル療法のこの投与対象の中で少し変わりまして1泊2日の短期入院で点滴させることができると、在宅医療も含めた取り組みもできるのではないかというところまで来たんですが、古川さん、これ実態としてはどうなんでしょう。

(古川)今、長尾先生おっしゃいましたけども、私も実は外来でできた方がより使いやすいだろうなと思います。ただ一応日本ではあまり使ってない薬なんで、とりあえずその安全性って問題ですよね。使った後にですね、例えばちょっとショック状態アナフィラキシーっていうのが起こる可能性十分ありますから、抗体のものなんですね。やっぱりそういった急激な副反応が出たときに対応できるかっていうと、やっぱり病院にいた方が処理できるわけですよ。だからとりあえずですねやっぱり入院してもらって始めるっていうところで、今後安全性が確立すればまた外来でっていうことも考えられると思います。

これはやっぱりあれですか、ワクチンとか接種したときにね、もう職域とかやった後に接種した後15分とか20分とかそこで待ってください。そこでアナフィラキシーショックが出るか出ないか見るっていうこういう理屈になってるじゃないですか。それは外来とか、ないしは在宅にお医者さんが来られてそこで点滴打ったとそこで15分か20分をジーっと見る、それじゃ済まない。やっぱり一泊2日しないと駄目なんですか。

(古川)まあその、すぐに起こってくるっていうこれはアナフィラキシーの場合そうでしたけど、他の有害事象の場合は、やっぱりすぐに出てくるかどうかわかりませんから、そういう意味でやっぱり安全性を言ってくれてる確保しなきゃいけない、特にリスクのある患者さんたちなんで、っていうところをしっかり見たいなというふうに思ってます。

すみません、海外の事情全然知らないんですけど、この抗体カクテル療法をやってる海外の国っていうのも、自宅ないしは外来点滴はやってないんですか。

(古川)外来でやってますよ。

そうあっさり言われると元も子もないんですけれども、何で日本だけそんな一生懸命慎重なんでしょう。

(古川)慎重なんでしょう、というところで私自身の言葉で言うともう向こうは治験で外来やってるし、予防投与もやってますから、向こうはね、抗体療法についてですから。まあ、より使いやすくすべきだろうというふうには考えてます。

それはでも例えばもういわゆる日本の場合はね、その治験に対する非常に慎重な姿勢で新薬の承認と慎重に姿勢はある一方、特にコロナに関しては海外でのその治験のデータとか臨床データというものを特例承認ということで海外のデータを受け入れる形で特例承認をかけて今一生懸命いる段階じゃないですか。なんでこの薬に関して抗体カクテルに関しては、そこで頑張るのか。

(古川)あの例えばですね、他のワクチンについては、日本でみんな治験やってるんですよ。だからですからこれ日本人の反応ってのわかってます。ただこの薬は使ってないんですね。ということはやっぱり一定程度は見ないとわからないということなってますね。

これは長尾さんにすればですよ、外来で打てない自宅でも在宅でも打てないというのはやっぱり不便ですよね。

(長尾)不便です。武器がね、せっかくあるのに使えない。古い武器ステロイドとかイベルメクチンしか使えない。せっかくね、切り札があるのに、もう残念としか言いようがないです。

この古川さん、その使い勝手の問題っていうのは、意図的に使い勝手を悪くするとは言いませんけれども、この量の問題も一部噂されていてたくさんないからあえて使う相手を使う対象を絞っている。それによって要するにハードルを上げる対象を絞ることによって、抗体ワクチン切れ、今回はファイザーのそのワクチン切れみたいなね、そういう量的な欠乏を防ぐためにそこに締めてるってことはまだないですよね。

(古川)いや可能性としてはあるんじゃないですかね。それは言葉の問題で。ただね確保できてる数が限られてるんです。これを有効に使いたいって頭はやっぱありますから、野放図にですねどこでも誰でもってことになっちゃうと、これやっぱりみんなゼロじゃないですかちょっと怖いなってリスクでみんなに使っちゃったら本当に必要な人に回ってこなくなっちゃうんで、一定程度厚労省としてはそこを避けたいといって、制御された形で一番有効なところに使っていきたいという頭はおそらくあると思います。

鳥集さん、いかがですか。自宅駄目外来駄目っていうこの抗体、最終兵器じゃね切り札の抗体カクテル療法、どうご覧になりますか。

(鳥集)長尾先生が必要だっておっしゃっているものなわけですよね。やっぱりその在宅で使えるようにしていく、あるいは外来でも使っていく方がいいと思うんですけども、結局薬害が起こるっていうのは何かっていうと、やっぱいろんなところでまず出鱈目に乱用するっていうことじゃないですか。だからやっぱりその早急にやるべきことは、そのどういう施設でどういうその手当をしておけばここ使っていいよっていう施設基準のようなものをですね早く作ると。例えば長尾先生のところであれば、施設基準を満たしてるから使っていいですよって言えるような形にしていくっていうことが1点と、それとやっぱりそのデータを全部吸い上げるってことですよね。この治験のが海外が4567人って書いてありますけども、例えばワクチンなんかでもファイザーのものは4万人ぐらいでやってるわけですよ。で、4万人でやっててももう世界中で使われたり、あるいは日本中で使われたりすると、思わぬ副反応が出てきたり、未知のものが出てきたりするっていうのが問題なので、やっぱりその臨床試験で止まらずにその後もきちんとデータ取っていくってことが大事ですよね。ワクチンなんかでも一つ疑問なのは、やっぱりその例えば死亡事例でも、医師が関連性があると思ったものだけを今報告するっていうことになってるので、もう巷ではだから自分ところは接種後に亡くなったのに報告されてないとか言ってる人いっぱいいるわけじゃないですか。それと同じことがこの抗体カクテル療法でも起こってはいけないわけで。やっぱりその緊急承認緊急使用をさせるっていうことであれば、きちんとその施設基準を満たしたところでのやった結果を全部きちんと報告させると、良いことも悪いこともですね、そこがやっぱ一番大事なんだと僕は思いますね。

その辺データの公開をちゃんとやるんですよね。

(古川)これあのデータ集めるんですからやっぱりそれを、それを持ってもやることが条件の緊急特例承認って当然やることになると。

なるほど。長尾さんね、そのこの自宅か外来か入院かって話の中で、長尾さんのところもその対応コロナとこれまで450人の患者、この450人っていうのは、皆さん外来なんですか、それとも在宅なんですか、どういうもう診療形式…

(長尾)発熱外来で陽性とPCRとか抗原検査で陽性と診断して保健所に届けた方が450人、ということです。

先生のところで入院はできるんですか。

(長尾)できません。普通の町医者です。

その入院がないところでのコロナの治療っていうのは、例えば今のその抗体カクテルも現状では使えない。

(長尾)はい。

入院しなくちゃ使えないお薬と他にもあるんですか。

(長尾)それはない。いや、もうさっき出てきたさっきの…

あれも全部使える?

(長尾)もう全部使えないです。

使えない?

(長尾)使えません。使えるのはもうステロイドとイベルメクチンのみです。武器なしで戦ってきたんで、ステロイドという武器だけですね、イベルメクチン。あ、点滴するときは往診しないと、あるいはクリニックの限られた隔離された場所ではい、動線分離したところでやるということになりますね。あるいは施設、あと施設の個人の中の個室みたいなところで点滴をしたりっていうことありますね。

⑥へ つづく

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